道路に関心を持っていただいて本当にうれしく思っている。当方はがさつな性
格なので「ミミズやチクチクが気になりました」という素直な表現は目からウロ
コでした。子供の頃、名古屋市緑区の大高ICのダイナミックな線形を見た素直
な印象は、 ディープな世界に入っても決して忘れてはいけないのだ。
さて、掲載の写真ですが、ご指摘の位置よりもやや西寄りにずれているようで
す。
(◆地図1を参照。)
◆掲載写真Aは、沼津市宮本で、長泉沼津ICと富士IC(いずれも仮称※)の間
になる。道路構造物以外の目印はトンネルの上のゴルフ場がわかりやすい。当方
はゴルフをしないので、地図で確認すると愛鷹シックスハンドレッドクラブのよ
うだ。
写真のすぐ右側(東側)は複雑な線形の長泉沼津ICなので、こちらの方が魅
力的だったかもしれませんね。東駿河湾道路が接続し、隣接する東名高速道路の
沼津IC と一体になったダイナミックな線形を構成している。
※仮称
第二東名高速道路関連の建設区間のIC、JCT名称などはすべて仮称であ
る。本 文だけでなく図においても同様である。
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◆掲載写真A
第二東名高速道路 沼津市宮本
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◆地図1
第二東名高速道路路線図、および撮影位置図。
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次に、◆掲載写真Bは、第二東名高速道路の典型的な構造区間なので、さすが
に当方もこれだけでは詳しい位置を特定できない。そこで、地形図を見て特定し
た。(◆ 地形図1を参照。)
沼津市井出、平沼、石川の東名高速道路の数百メートル北の愛鷹山麓区間であ
る。
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◆地形図1
25000分の1地形図 沼津(北西)からクリッピング。
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◆掲載写真B
第二東名高速道路 沼津市井出、平沼、石川
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最後に、◆掲載写真Cですが、これは第二東名高速道路本線ではなく、東名高
速道路との連絡線(清水連絡路)の伊佐布ICである。伊佐布ICの詳細、清水
連絡路の 位置付けなどについては下記の拙著に記している。
2005.2.3 清水連絡路9
2005.1.22 清水連絡路8
2005.1.18 清水連絡路7
2005.1.11 清水連絡路6
2005.1.4 清水連絡路5
2005.1.2 清水連絡路4
2004.12.27 清水連絡路3
2004.12.21 清水連絡路2
2004.12.17 清水連絡路1
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◆掲載写真C
中部横断自動車道(第二東名清水連絡路)伊佐布IC
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参考として、当方が現地で撮影した伊佐布ICの写真(◆写真1)を示す。当
時は、ランプ部の高架橋が架けられる前で、高い橋脚だけが林立していた。撮影
位置は ◆掲載写真Cの赤矢印の山頂である。
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◆写真1
中部横断自動車道(第二東名清水連絡路)伊佐布IC
(2003年10月24日、著者撮影。◆掲載写真Cの矢印の位置から撮影。)
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ところで、これらの写真のアングルから見て、もし定期便の航空機ならば、三浦
半島から浜名湖へ向かう右側窓際からのズーム撮影と考えられる。この付近では
伊豆半島を横断して沼津市南部から駿河湾上を西進して、静岡市(旧清水市)の
三保の松原あたりで陸に上がる。航空路線については詳しくないので、ANAお
よびJALの機内誌「翼の王国」「スカイワード」に掲載されている航路図を参
照した。このルートは 撮影可能区間を絞るヒントになった。
当方は道路を見るときは俯瞰よりも見上げる方が好きなので、航空写真を含め高
位置からの画像はあまり所有していない。とは言っても、道路の画像を所有する
ことがそもそも希なので、世間一般から見れば高位置からでも相当量の画像を所
有しているかもしれない。それはともかく、俯瞰はおおむね地図を見れば想像で
きるが近接して見上げると新たな発見があっておもしろいのだ。首都高速、阪神
高速など国内のすべての都市高速道路の高架区間におけるすべての橋脚を把握し
ているが、この視点から総合的に捉えると都市高速道路構造物は芸術作品そのも
のである。ところが、これまでにこの画期的な考えにほとんど同意してもらった
ことがないのは残念だ。
実は、当方も航空機(定期便)を利用するときは、できる限り窓際に座り、地上
の俯瞰を楽しんでいる。どの空路がどの「道路」を見ることができるか、このあ
たりはおおむね体験で把握しているつもりである。これは、高架区間の多い新幹
線に乗車する場合も同様である。このように自動車以外から見ることのできる道
路構造物を紹介するというネタもおもしろいと考えていた。機会があればまとめ
てみたいと思う。
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