ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

清水連絡路7



 中部横断自動車道の交通需要は少ないだろう。静岡市街方面から身延方面へ、
また 第二東名高速道路名古屋方面から身延方面への需要があるが、第二東名高
速道路本線 の交通量とは比較にならない。多く見積もっても20分の1程度だ
ろう。第二東名高 速道路東京方面からの需要はほとんどないと思われる。吉原
JCTの東京寄りに設置 される第二東名高速道路清水ICと身延方面は一般国
道52号で短絡できるので、敢 えて遠回りをして吉原JCTから中部横断自動
車道を利用する必要はない。

 それでも 高速道路利用の方が早いのだが、通行料金と短縮した時間を天秤に
かけると、やはり 一般国道の方がお得である。吉原JCTには第二東名高速道
路東京方面と中部横断自 動車道身延方面を連絡する亘り線は不要なのかもしれ
ない。マクロな視点で広範囲の 高速道路ネットワークを意識すれば有効だが、
果たして需要はあるのだろうか。

 清水連絡路はわずか4.5キロの高速道路である。わずかな距離だが、この間
には 伊佐布ICが設置される。接続する静岡県道75号は狭く、丘陵部はつづ
ら折りの交 通容量の小さいルートだが、この機会に改修される。伊佐布IC以
南は現道の西側に バイパスを新設して、国道1号の庵原交差点に至る。ここか
ら袖師臨港道路まではす でに開通しているので、伊佐布ICから清水港まで直
通することができる。伊佐布I Cを利用しなくても、清水連絡路を尾羽JCT
まで進んで、東名高速道路の清水IC を利用すればよいのだが、このルートで
は国道1号を通過することになる。わずかな 距離だが、交通量の多い国道1号
の負担を軽減するインフラの整備は有効だろう。

 中部横断自動車道と平行するかたちで伸びる国道52号の交通量は決して少な
くな い。静岡市から山梨県南部町までの区間は山越えの急カーブと坂道が連続
する。中部 横断自動車道が開通すれば時短効果は大きいだろう。不要なインフ
ラではないが、需 要と供給のバランスを見て冷静に判断すれば、早急に必要な
ルートには思えない。国 道52号の改良で十分ではないだろうか。

 ところで、中部横断自動車道はすでに一部区間が開通している。2002年3
月3 0日に白根ICと中央自動車道と接続する双葉JCTの間の6.8キロが
開通し、2 004年3月20日に南アルプスICと白根ICの間の3.0キロ
が開通した。開通 区間の全長はわずかに9.8キロである。全体計画は東名高
速道路と接続する尾羽J CTから第二東名高速道路と接続する吉原JCTを経
て、開通区間の南アルプスIC に至る。尾羽JCTと双葉JCTの間は、
84.7キロになる。
 この区間がすべてではなく、双葉JCTから20キロほど中央自動車道を松本
方面 に進んだ長坂ICの先に長坂JCTを新設して北上する。八千穂村を経て
上信越自動 車道の佐久ICのやや長野寄りに新設される佐久JCTに至る。長
坂JCTと佐久J CTの間は約61キロ※になる。
 つまり、尾羽JCTと佐久JCTの間の約136キロが中部横断自動車道なの
である。

※長坂JCTと佐久JCTの間
 この区間は、八千穂ICと佐久JCTの間は整備計画区間としてルートが確定
して いるので22.7キロと距離も明確である。しかし、長坂JCTと八千穂
ICの間は まだ基本計画区間なのでルートが確定していない。JH発行の資料
では約38キロと 記している。本報告では、長坂JCTと佐久JCTの間は、
双方を合わせた60.7 キロに不確定なニュアンスを含ませて約61キロとした。

続く