【2 阪神高速(2)淀川左岸線1期】
淀川左岸線は、1994年4月28日に北港JCTと島屋出入口の間の1,3キロ
が開通した。この開通が淀川左岸線の初開通区間で、開通当初から2号線という遠大
な第二環状線計画を示唆させる番号が振られていた。この月の4月2日には関西国際
空港関連で湾岸線の泉大津RとりんくうJCTの間、六甲アイランド北Rと中島Rの
間の合わせて31.1キロが同時に開通し、湾岸線で神戸と関空がつながるというエ
ポックメイキングな出来事に隠れてしまっていた。
当方は湾岸線よりも淀川左岸線の
方に着目していたが、短区間の開通なのでこれまで舞洲に連絡する此花大橋に接続し
ていた北港Rが、内陸方向にも接続するようになり北港JCTに変わったという扱い
に過ぎなかった。当時は島屋方面には特に集客力の大きい施設もなく単に此花区梅香
方面のみの利便性が高まっただけで交通量も少なかった。
ところが、2001年3月にUSJが開設されることになり、交通需要の増加を見
込み改善された。2001年2月26日にユニバーサルシティ出口が開通し、200
1年3月30日に島屋東入口が開通した。ユニバーサルシティ出口は新設したものだ
が、島屋東入口は島屋以東のトンネル区間への坂路が地平に達する地点に暫定的に設
置したものである。
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◆航空写真2
阪神高速(2)淀川左岸線
(大阪市此花区西島1)と海老江JCTの間
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ユニバーサルシティ出口については下記の拙文にも記している。
2002.5.23 大阪優位2 阪神高速ユニバーサルシティR
2002.5.21 大阪優位1 阪神高速ユニバーサルシティR
この出口は当初計画にはなかったもので、USJによる交通集中を予測して事前に
対策した。TDL(東京ディズニーランド)のように対策が未だに不十分な首都高速
道路に比べるとフットワークの良さに感心する。USJの渋滞列はロングランプが功
を奏して本線への波及を抑えている。夏休み最終週末など特異日には湾岸線本線に伸
びることがある。そのときでも走行車線1車線がふさがるだけで、2車線分はスムー
スに通過することができる。渋滞情報では各レーンにセンサーが設置してあるので、
1車線でも停滞していれば渋滞としてカウントされるが、実際には通過だけならばス
ムースなことがある。渋滞状況の記号化は難しいのだ。
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◆写真1
阪神高速(2)淀川左岸線、ユニバーサルシティR
ユニバーサルシティ出口上空から、湾岸線安治川橋をのぞむ。
(高速道路調査会発行「高速道路と自動車」2001年3月会報から引用。)
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◆写真2
大阪市此花区北港2
阪神高速(5)湾岸線、(2)淀川左岸線、此花大橋、北港JCT
北港JCT南西側から中央部をのぞむ。
(2002年5月3日、著者撮影。)
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◆写真3
大阪市此花区北港1
阪神高速(5)湾岸線、(2)淀川左岸線、此花大橋、北港JCT
北港JCT北東側から中央部をのぞむ。
(2002年5月3日、著者撮影。)
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◆写真4
大阪市此花区北港2
北港通、ユニバーサルシティ入口交差点から此花大橋アプローチ部をのぞむ。
(2002年5月3日、著者撮影。)
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北港JCTは高架構造の4枝直結ジャンクションで、4層構造の複雑な構造物であ
る。湾岸線が6車線、淀川左岸線が4車線、此花大橋が4車線で、亘り線はすべて1
車線である。直交するそれぞれの直進方向がみちなりの本線になっている。
淀川左岸線が島屋東までの短区間開通で、此花大橋が連絡している舞洲も多くのエ
リアが造成中であるため、湾岸線スルーの交通量が圧倒的に多い。USJの影響で週
末の午前には湾岸線(主として天保山方向)から淀川左岸線への亘り線の交通量が増
える程度である。北港JCTはまだ本来の機能を発揮しているとは言えない。
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