奥の高層建築群は高見フローラルタウンである。
阪神高速(2)淀川左岸線は、正連寺川跡の地下を進行して、地下構造のまま高見フ
ローラルタウンの東側(奥)に回り込んで、大阪市下水道局海老江下水処理場で阪神
高速(3)神戸線と海老江JCTで接続する。
(高速道路調査会発行「高速道路と自動車」2000年4月会報から引用。)
淀川左岸線の開通区間は高架構造で、一般的な都市高速道路の構造である。この区
間には民家はなく大きな区画にアミューズメント施設(USJ)、大規模工場が占有
しているので、機能性だけを追求すればよいだろう。ところが、島屋東以東は住宅地
を通過するため地下構造を基本とする環境重視の構造になっている。
淀川左岸線の開通区間は、国道2号の野田阪神交差点からまっすぐに舞洲に通じる
北港通上に建設されている。島屋東以東もそのまま北港通を東進すれば滑らかな線形
で都心に至ることができる。もし、海老江JCTで3号神戸線に接続しなければなら
ないという使命があったとしても嬉ヶ崎橋で北進すれば最短ルートになる。
しかし、
島屋交差点で直角カーブを切って北進し、さらに北港大橋で直角カーブを切って東進
して蛇行する正蓮寺川に沿うルートをたどる。北港通から正蓮寺川沿いにシフトする
ため、きついS字状のカーブを進むことになる。しかも、正蓮寺川沿い区間は全区間
がゆるいS字状カーブが連続する。つまり、島屋東Rと海老江JCTの間は全区間が
カーブの連続になる。しかも、地下構造である。(◆図4を参照。)
北港通りは高架構造で4車線の高速道路を建設するには十分な幅員はない。環境に
気を配らなければダブルデッキ構造ならば建設できそうだが、このルートが策定され
るころは環境問題に注目される時代になっていたので、そのような機能性だけを追求
した構造では沿線住民は納得しない。そこで、ほぼ平行する正蓮寺川のスペースを利
用することになった。正蓮寺川は淀川と安治川を結ぶ河川だが、すでに淀川に連絡す
る区間は埋め立てられている。正蓮寺川の改修に併せて高速道路を建設すれば合理的
である。当初は河川跡をそのまま利用する堀割構造だったが、それでも納得してもら
えず、蓋かけ構造で決着した。(◆図5を参照。)
本報告では、特定区間の道路構造の記載は最小限にして、第二環状線全体について
マクロな視点でまとめている。特記事項については別の機会に記したいと考えている。
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