東長崎外(国内)北方領土

西牟田靖の北方領土紀行6




島を離れる28日、出発まで時間があったので古釜布(ユジノ・クリリスク)の街を歩いてみた。
島の人口は現在約4000人。十年前に比べて半分近くにまで落ち込んでいる。古釜布はそのほとんどである3500人ほどが暮らしている。




砂埃の舞い上がる朽ち果てそうな町だ。94年に起こった北海道東方沖地震で壊れた行政府の建物がまだ廃屋のまま残っているし。


郊外も同様。日本車の墓場に日本の拿捕船の墓場とゴミの山。


レーニンの表情も苦悶しているように見える。



インドほどではないが野良犬、野良牛が多い。


ついでに子供がやたらと多い。娯楽が少ないってことなんだろう。


車は当然、中古の日本車だらけ。ムネオ号というマイクロバスもみかけたが、こちらは新品だった。


だが店の品揃えは豊富。ソ連の末期のころとは確実に時代がかわった。ただし中国、韓国製品がめだった。


島民に領土問題について訊いてみた。
「問題?ロシアにも日本にも国内に問題あるでしょ。それと同じことよ」とのこと。


サハリンへの帰りの飛行機に乗るため空港に行って驚いた。滑走路がなんとガタガタの鉄板だった。
もちろんプロペラ機だし。ま、飛んだだけでもよしとしよう。

(西牟田 靖)

続く