インフラ海外拠点インドネシア | 南の島

インドネシア・スンバワ紀行 <6>

ギリ・アイルの自由人


スンバワ島地図

ギリ・アイルに滞在しはじめた頃とまっていたコテージのご主人に、あるキッカケで
スウェーデンのマッサージをする人がいる、と聞いた。

2時間で一周してしまうこの小さな島と北欧のスウェーデン...というのがどうも
私のなかで結びつかなかったけれど、その人はスウェーデンに行って
スウェーディッシュ・マッサージなるものを習得した人らしい。

ご主人は私が指圧をするのを知って、そのスリヤという人に会わせたいらしかった。
私はまだ旅の疲れなんかでていないし、機会があれば...と思っていた。
  毎朝、朝日をみながらの散歩を日課にしていた私はその日も散歩からコテージに
もどって、さあ、朝食!っとおもったら ご主人がバレ(高床式の東屋・そこで昼ね
すると気持ちイイ)で体操みたいなのをしている。
”何をしているの?”と聞くとそのスリヤという人から教えてもらったヨガだ、と言う。
聞けば、ご主人最近どうも調子がわるいらしい。

 まだ朝もはやいし体を動かしても、汗だくにはならないだろうと私は1時間ほど
ご主人に指圧をして差し上げた。所々痛がる箇所はあったけれど、終わると
とても気分がいい、とえらく喜んでくれて「ぜひ、夕食をごちそうさせてくれ」
そして 「ぜひ、スリヤと会うといい。彼は本当に良い人物だから。」と。
  それから何日もたたないうちに私が朝、ボーっとテラスでお茶を飲んでいると
私を呼ぶご主人の声がする。なにかと思いテラスをおりていくと、バレでご主人と
そのスリヤなる人が座っていた。
スリヤは穏やかに笑って ”Hi !”とあいさつしてくれた。神秘的な雰囲気
のある人で話す声は少し女のように、やわらかい声。
小柄で体の筋肉はどこも引き締まっていて身長は私とかわらないくらい。
160cmくらいだろうか、、。

 少し自己紹介をして、私はサロンをまいていたので動きやすい木綿のパンツに
はきかえてくることにする。
それから数時間、スリヤからヨーガを教えてもらった。

  考えてみれば不思議なことかもしれない。
その教えてもらったヨーガ、クンダリニー・ヨーガは私がずっと習いたいと思っていた
ものだった。
それがたまたまバリ島から「ちょっと行ってみようかな〜」とやって来たギリ・アイル
で、教えてくれる人がいたのである。

スリヤは真新しいマウンテン・バイクに乗っていて、びっくりすることに大型の
天体望遠鏡まで持っていた。
「来年は3ヶ月、あるいは半年、ヨーロッパを周る。自分にとってはチャンス
だ。」と言っていた。
私は、少し驚かざるえなかった。こんな小さな島になぜこんなインターナショナルな
人が集まるのだろう。マデにしてもそうだった。来年はアメリカに行くと言っていた。
貧しい発展途上の小さな島、、、けれど彼らのもっている夢は途方もなく大きな
ものでとても純粋なものに感じられた。

私はバリ島で、ある日本の女性にギリ・アイルでの写真を見せながら旅の感想を
話させてもらったのだけれども、その女性は写真を全部みてから最後にピタっと
スリヤの写真を一番うえにして私に返して下さった。
後で、「あの人はすごいです。」とスリヤのことを言っておられましたが、ヒーラー
であるその女性には感じるものがあったのでしょう。
困ったことは、私にはそのスリヤのすごさが 全部は感じられないことです。