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さて、2005年12月に大活躍の麻生外相が、2006年1月28日、 「天皇陛下が(靖国神社を)参拝なさるのが一番だ」と発言。 2005年12月の麻生大臣の活躍ぶり↓ >>小泉ニッポン!"東アジア一人ぼっち"劇場 10 外相の発言にいち早く反応した、オーストラリア紙の記事の要旨をご紹 介しよう。 。。。。。。。。。。。。。 『ジ・オーストラリアン』(オーストラリア) 2006年1月30日付 −小泉の閣僚が、天皇の戦争神社参拝でリーダーの座を主張 麻生太郎の闘争的要求で、ますます日本はこの地域で見苦しくなるようだ 日本の麻生外相は、天皇アキヒトの靖国神社参拝を提唱した。 この発想はあまりに極端であり、彼が後継者レースで、自民党内の草の 根的保守派を獲得するための提案と見なされるだろう。 麻生氏の要求は、中国と韓国を激怒させ、おそらく小泉首相を苦境に立 たせるだろうが、外相はこうした結果が、小泉氏の後継者としてチャンス をつかむうえで役立つと計算したのかもしれない。 過去25年間において、成功と生き残りにかけて小泉氏の右に並ぶ唯一 の指導者である中曽根康弘氏は、昨日、日本最多の発行部数を持つ『読売 新聞』紙上で、これを慎重だが痛烈に批判した。 麻生氏は、小泉氏の靖国神社参拝を支持するだけでなく、日本の250 万人の戦没者とともにA級戦犯が祀られている靖国神社をめぐって、中国 を挑発した。 彼は、「中国が言えば言うだけ行かざるをえない。たばこを吸うなとい うと吸いたくなるのと同じだ」と述べた。 小泉氏は、靖国神社参拝の度に、外相にこのようなことを繰り返しても らう必要はない。 首相とそのお気に入りの後継者候補の安倍官房長官は、後継者レースで 靖国が争点となることを望んでいない。 51歳の安倍氏も熱心な参拝者で、一方、小泉氏は平和を祈るために毎 年靖国神社を参拝すると誓ったことが、2001年の自民党総裁選での勝 利に一役買った。 麻生氏は2001年の小泉氏を参考にしているようだが、首相とその弟 子は、靖国問題に対する意見が5年前よりずっと割れていることを危惧し ている。 もう一人の後継者候補の谷垣財相は、小泉氏を無視して、なるべく早期 の消費税引き上げを唱えた。 元首相の中曽根氏は、昨日、皇室典範改正も攻撃した。 さらに、小泉流の"影のポピュリズム"は、日本の公的倫理を腐敗させ ている、と示唆した。 元首相は、小泉氏が昨年、親交を持った企業家の堀江貴文氏の成功と失 敗についても、指摘した。 中曽根氏は、天皇が自由に靖国神社参拝できるようにするべきという点 では、麻生氏に同意している。 だが、そこには決定的な相違がひとつある。 中曽根氏は、天皇による参拝や、日本の外交がさらに損なわれる前に、 A級戦犯14人を分祀しなければならない、とする。 麻生氏は、彼らはそのままでいい、と考えている。 天皇アキヒトや、皇太子ナルヒトは、麻生氏の提案を歓迎しそうにない。 天皇の父、戦時の天皇ヒロヒトは、1978年にこの神社の神官が密か に14人(のA級戦犯)を合祀したことが明るみに出て以降、参拝してい ない。 。。。。。。。。。。。。。 お次は、2006年4月に日本政府から旭日中授章を授与された、東ア ジアのシンクタンクの重鎮による、日本のポジションについての論評の要 約をお伝えする。 ユスフ・ワナンディ氏の叙勲発表↓ http://www.id.emb-japan.go.jp/news06_15j.html 。。。。。。。。。。。。。 『ジャカルタ・ポスト』(インドネシア) 2006年2月2日付 −東アジア共同体と日本の役割;ユスフ・ワナンディ筆 1990年代初め、ASEANは、東アジア地域の対話と熟考のための 信頼醸成措置を推進するために、米国、EU、ロシア、インドも含む、A SEAN地域フォーラムも創設した。 通貨危機後、東アジア共同体という構想が活気を帯び、ASEAN+3 のプロセスで追求された。 21世紀初頭から、日本が不調な時期を過ごす一方で、中国の台頭が、 この地域だけでなく世界の注目を集めるようになった。 これが、日中間に、東アジアのリーダーシップをめぐる競争意識の高ま りを引き起こした。 中国の突然の台頭とその洗練された外交で、この競争は、当然中国が優 勢であるように見える。 これは、おそらく自然な展開だと受け止めるべきだ。 だが、日本は重要な国であり続ける。 しかしながら、アプローチと外交にかけて、中国は非常に熟達しており、 東南アジアでも上手に手腕を発揮した。 日本がこの競争をより強く意識し、さらにASEANと東アジアとの関 係を強化しようとしたのは、ごく最近のことでしかない。 ASEANは、この競争でどちらかの味方にはつかないだろう。 実際、ASEANは、両国がふつうの関係を醸成し、インドとともにこ の地域の未来のために重要な役割を果たせるだろうと期待している。 ASEANは、東アジア共同体育成の運転席に座らされている。 というのも、中国と日本という2つの当然のリーダーが、今のところ、 この役割を果たせないからだ。 中国と日本の課題は、両国で台頭するナショナリズムを封じ込め、歴史 問題を克服し、両国が主張する海の境界の重複を解決することである。 小泉首相の靖国神社参拝は、中国と韓国だけでなく、より多くの東南ア ジア諸国にとっても、ますます不快なものとなっている。 だが、数年前に新装された博物館が展示する、この神社が拠って立つと ころの戦前と第二次世界大戦に対する哲学と倫理観、虐待の諸問題につい て、不快感と懸念を募らせている。 死者に敬意を捧げることは、もっと適切な場や神社で行える。 小泉首相が、この神社の参拝について、東アジア人の感情に挑戦的態度 や無関心を示せば、問題は悪化するかもしれない。 もちろん、中国もやるべきことがある。 とくに若い世代に、中国の未来にとって健全なナショナリズムを教える ことだ。 彼らに東アジアの指導者になる野心があるなら、そのぶん、これは重要 なことである。 東アジア共同体の構想は、東アジアサミットの開催と創設によって、新 たなモーメンタムを得た。 東アジア共同体を受け入れるよう米国を説得するうえでの、日本の役割 は非常に重要だ。 米国が共同体に参加したくない場合、日本は、東アジア共同体が確実に APECの中に収まるようにしなければならない。 東アジア共同体構想とその実現において、日本はこの地域のアジアの政 策と役割を決定できるかもしれない。 また、日本はアジアと米国の仲介者になるべきだ。 この能力において、日本は東アジアにおける米国の将来のプレゼンスと 役割を保証できる。 。。。。。。。。。。。。。 われわれ日本国民は、大の親日外国人でも、以上のような見解を持って いることを、よく心に留めておく必要があろう。 以下、海外英文メディア(中国と韓国を除く)の代表的な小泉ニッポン 報道の要旨を、お楽しみいただきたい。 。。。。。。。。。。。。。 『ロサンゼルス・タイムズ』(米) 2006年2月8日付 −不正スキャンダルと継承の法律が、小泉の影響力を試す; 日本の首相が懸案の法案を押し進め、反対者は彼と 失墜したインターネットの帝王との絆で勢いを増す 太陽の女神とのつながりと1500年の伝統を、揉め事なくいじること はできない。 というわけで、小泉首相の女帝容認の計画に対し、反発が生まれたのも 驚くにはあたらない。 だが、小泉氏の近代化のステップらしいものが大荒れに荒れたことは、 彼の影響力がこの数週間でどれだけ低下したかを示す尺度になる。 9月の選挙で圧勝した後、実質的に難攻不落とみなされていた首相だが、 多方面で反対に遭うようになった。 火曜日の紀子妃の予期せぬ妊娠の発表で、不足してきた皇室の男性の後 継者がもう一人生まれる可能性が明るみに出たことで、後継者を男性のみ に定めている法律を慌てて改正しようとする小泉氏への反対が、さらに勢 いづいた。 再び息を吹き返した批判者たちは、首相の経済改革の耐久性と、米政府 を重視し中国と韓国との関係を冷え込ませている外交政策を問いただし た。 高名な評論家の立花隆氏は、「小泉氏の大きな野望は、前任者たちを超 えて'スーパーキングメーカー'になることで、つい最近まで私は彼が成 功するだろうと考えていた」と語り、「だが、潮目は変わった。今は多くの 反対の声が上がり、彼がスーパーキングメーカーになるチャンスも去っ た」と述べた。 この場合のクリプトナイト(注;スーパーマンの超能力を冒す金属)は、 イケイケ資本主義のシンボルかつ、IT会社ライブドアの社長で、小泉改 革の旗の下に昨年の選挙に出馬した堀江貴文氏の逮捕だ。 首相が面子を失ったことで、守旧派は反撃の政治的正当性を授けられ、 必要な酸素を与えられた。 重要なことに、小泉改革の反対者の多くは、対中関係改善を重視してい る。 彼らは、小泉氏の靖国神社参拝によって発生した、アジアにおける日本 の地位への損害を警戒してきた。 靖国神社には、(日本を)悲劇的な敗北に導いたアジアへの侵略の責任 者とみなされた戦犯を含む、日本の200万人以上の戦没者が祀られてい る。 そして彼らは、小泉氏が、彼の靖国神社参拝を擁護する安倍晋三氏を後 継者に導いている様子であることを懸念する。 多くのウォッチャーは、堀江事件から皇室後継騒動にいたるまでの最近 の政治の混乱を、小泉氏の後継者、引いては日本の未来の対中政策をめぐ る、日本の政界、経済界、そしてメディアの体制の中の闘争のサインだと 見ている。 この闘争の中で、小泉氏は有力な敵を作った。その一人が、保守系の読 売メディア帝国の主、渡辺恒雄氏である。 対中関係悪化に対する渡辺氏の懸念で、去年、日本最多発行部数を擁す る『読売新聞』がスタンスを変更し、新たな国立の追悼施設の創設を求め る陣営に加わった。 最近の政治的トラブルの噴出をたどると、より協調的な靖国観を持つ人 物に与党自民党のリーダーシップを継がせようと親中派が意を決したこ とに行き着く、と立花氏は述べた。 。。。。。。。。。。。。。 『オーストラリアン・ファイナンシャル・リヴュー』(オーストラリア) 2006年2月8日付 −アジアの大国の対話で、変化の兆し 日本と中国は、多少の変化の礎が築かれるかもしれない展開の中で、金 曜日に5ヵ月ぶりの会談を持ち、両国間で高まる緊張について話し合う。 国民のムードは、日本の麻生外相が、台湾の教育制度に日本の支配が貢 献したと発言したことに対し、今週、中国が執拗に応酬したことで、かつ てなく最悪の状態にある。 だが、日本は週末に、韓国との関係改善への2つの重要なステップを踏 んだ。 日本は韓国人のビザ免除恒久化を決め、韓国との通貨スワップ協定の資 金枠を倍増させたのだ。 だが、この韓国を中国から引き離そうとする努力は、日本と中国、とく に前者に関係改善の圧力をかけようとする他のアジア諸国の戦略的動き らしきものが進んでいる最中になされた。 シンガポール上級相は、月曜日に、この地域の2つの政治経済大国に妥 協するよう演説した。 これは、日本の小泉首相が、靖国神社参拝を懸念するのは中国と韓国だ けだと最近ますます頻繁に発言していることへの返答のようだ。 小泉氏は、最近、政治的人脈が豊富なインドネシアの学者のユスフ・ワ ナンディ氏が、東京で開催された経済会議で、日本の態度について「アジ ア人は、ますます不愉快に感じ、懸念している」と発言した時期に、再び 持論を披露した。 最近、ブッシュ政権を離れた、前国家安全保障会議アジア上級部長のマ イケル・グリーン氏は、今週、東京で、貿易は繁盛し軍事的敵対意識が増 長している日中関係は「歴史上、もっとも異常で、精神分裂病的な関係だ」 と述べた。 。。。。。。。。。。。。。 アジアと米国の、大の親日派外国人たちに、愛想をつかされちゃう?!! 。。。。。。。。。。。。。 『ストレーツ・タイムズ』(シンガポール) 2006年2月8日付 −ラフな最後の在任の年に入った小泉 昨年9月、選挙で圧勝した小泉首相は、残りの任期を順風満帆に過ごす ようにみえた。 だが彼は、選挙の成功で、自信過剰に陥ったようだ。 最初のトラブルの兆しは、10月17日、反抗的なそぶりで靖国戦争神 社を闊歩したことだった。 この神社は、ふつうの兵隊とともに、トップの戦犯たちを祀っているた め、中国政府と韓国政府を再び激怒させ、和解へのすべての望みをくじい た。 ブッシュ米大統領でさえも小泉氏の靖国神社に対する考えを変えるこ とができなかったこの問題について、小泉氏は理解が欠けているか、ある いはひたすら理解することを拒んでいる。 彼はこの地域で孤立し、12月の東アジアサミットでは、名ばかりの役 割しか与えられなかった。 無作法に陥りがちな強硬派を外相に任命したことも、足を引っ張るだけ だった。 だが、靖国は、小泉氏にとって、もっとも軽い問題であることが証明さ れた。 自信過剰と、ブッシュ氏を喜ばそうとする過剰な熱意が、きちんとした チェックを行わないまま12月に米国産牛肉の輸入を再開させた。 これは、この数週間に彼の政権を揺さぶった多くの問題のひとつにすぎ ない。 建築基準法違反、堀江スキャンダル、格差社会、防衛官僚に広がる談合 スキャンダル、そして皇室典範改正法案。 過去4年間より多くの問題に直面している小泉氏の人気は、急落した。 アナリストたちは、小泉氏の問題は、政治的判断の稚拙さもさることな がら、周囲をイエスマンで固め、長老の助言を無視することだという。 |
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