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小泉ニッポン!"東アジア一人ぼっち"劇場 14

(報告:常岡千恵子)


 2006年は、『毎日新聞』のこのスクープで、明けましてオメデトウ!! 
	  
 
『毎日新聞』2006年1月1日1面 

 ようやく日本の大手メディアも、小泉首相の靖国神社参拝に、中国と韓
国以外の外国も懸念を抱いていることを本格的に伝え始め、北朝鮮さなが
らの情報封鎖状態から多少脱却する兆しが現れ始めてきた。

 2005年に、あれほど海外メディアの批判が集中していたのに、日本
の大手メディアはこれを黙殺して、熱心に日本の国連安保理常任理事国入
り問題を報じた。
 でも、国連のそもそもの成り立ちを考えると、小泉首相の靖国神社参拝
は、どう見ても日本の足を引っ張る行為でしかない。

 それを指摘せずにノーテンキな報道を続けていた日本の大手メディア
が、国際オンチなのか、それとも日本政府と小泉首相に遠慮していたのか
は定かではないが、いずれにせよ、しごく不気味な現象だ。

ま、小泉首相には、昨今流行りの"日本の伝統"のひとつ、"恥の文化"
を学んでいただきたいものである。
 64歳でも、人生いろいろ、まだまだ先は長いからね〜〜


 そしてもちろん、2006年も、海外メディアは小泉ニッポンに注目!!

 日本の首相の行動が、これほど海外メディアのネタになるのも珍しい。
小泉首相は紛れもなく、世界の歴史に名を残す宰相である。

 それでは、2006年1月の、海外英文メディア(中国と韓国は除く)
の代表的小泉ニッポン報道の要旨を、どんどんご紹介しよう。

。。。。。。。。。。。。。

『ロイター通信』(英)           2006年1月4日配信
     −日本の小泉首相が戦争神社参拝を弁明
		  


 日本の小泉首相は水曜日、中国と韓国からの、彼の戦争神社参拝への批
判を涙を見せながら退け、中国政府と韓国政府との間に友好的関係を築く
ことに努めている、と付け加えた。

 2001年に小泉氏が首相に就任し、靖国神社参拝を始めて以来、中日
関係は著しく冷え込んでいる。
 靖国神社には、戦犯が日本の250万人の戦没者とともに祀られている。

 日本の軍事侵略の記憶が深く残る中国と韓国の多くの人々は、靖国神社
を日本政府の過去の軍国主義のシンボルとみなしており、小泉氏の発言に
対して、韓国政府から素早い反応があった。

 小泉氏は新年最初の記者会見で、目に涙をためながら、「なぜ外国の政
府が心の問題に介入し、外交問題にするのかわからない」と語った。

 小泉氏は、戦没者に敬意を捧げ、平和を祈るために参拝したと繰り返し、
この争いが日本と近隣諸国の外交の妨げになってはならない、と述べた。

 小泉氏が中国のフーチンタオ主席と最後に会談したのは、(昨年)4月
のインドネシアでのアジア・アフリカ・サミットのサイドラインとしての
会談で、両者は、中国での暴力的な反日デモによって示された、二国間関
係の下降を阻止しようとした。

 日本の対中関係は、小泉氏が昨年10月に靖国神社を参拝してから、さ
らに悪化した。

 小泉首相は、日本外交の基礎は、米国との同盟だ、とも繰り返した。

 アナリストたちは、中国の軍備増強に憤り、その経済成長に疑念を抱く
多くの日本人が、靖国神社参拝中止の要請を断る彼に共感している、と語
る。

 日本政府と中国政府の最新の揉め事は、2004年の上海での日本の外
交官の自殺をめぐる争いだ。

 先月、日本の外務省は、この自殺の陰には中国公安当局の"遺憾な行為"
があると確信する、と発表した。
 日本の雑誌は、この外交官は、カラオケ・バーのホステスとの浮気をネ
タに中国のエージェントに脅迫され、自殺したと報じた。

 中国政府は、日本政府の説明を退け、日本が"故意に中国のイメージを
貶めている"と非難した。

。。。。。。。。。。。。。

『オーストラリアン・ファイナンシャル・リヴュー』(オーストラリア)
                       2006年1月6日付
   −中日間の緊張が高まるにつれ、増大する懸念
				 


 中国と日本の間の緊張は、新年に入ってエスカレートし、北東アジアに
おける権力を狙った有害な競争を早期解決する望みをすべて打ち消した。

 この二大経済大国の指導者たちの政治姿勢が、拡大中の貿易やビジネス
の関係にも及ぶのではないか、と経済界から公に懸念の声が上がっている。

 外交の世界では、米国がこの争いに懸念を募らせている、という憶測が
広がっている。

 新たな緊張の高まりは、日本の小泉首相が新年の記者会見で、中国と韓
国の靖国神社参拝へのスタンスを批判し、この二国による首脳会談の拒否
に失望を表明したことが、引き金となった。

 韓国の外相は、水曜日に、小泉氏の発言に対して、簡潔だが断固とした
反応を示し、日本の指導者が近代史を正しく理解するよう求めた。

 中国は、まだ公式に小泉氏のコメントに反応していない。
 だが先週、日本政府が、日本の上海総領事館の外交官が、売春婦との関
係をネタに中国のエージェントに脅迫されて自殺したと主張した際、中国
政府は強い言葉で応酬した。

 中国の国営メディアでは、多くのコメントが流されている。
 『人民日報』の上級コメンテーターは、中国は日本との永続的な闘争に
向けて準備するべきで、社会の団結のためにナショナリズムを擁護すべき
だ、と語った。

 一方、日本の野村総合研究所の報告書は、相互関係の改善が、危急の責
務になっていることを示唆した。

 米国の前国家安全保障会議上級アジア部長のマイケル・グリーン氏は、
『毎日新聞』とのインタビューで、中国は靖国問題を利用して日本を孤立
化させる戦略に出ているが、日本には対抗する戦略がない、と語った。

 日本の中国と韓国との関係悪化は、9月の総裁選にも影響するかもしれ
ない。

 アナリストたちは、もし安倍官房長官や麻生外相のような靖国参拝派が
新しい首相になったら、日中関係の停滞は長引くかもしれない、と主張し
た。

。。。。。。。。。。。。。

『アトランタ・ジャーナル・コンスティチューション』(米)         
                           2006年1月8日付
     −関係悪化につれジャブを応酬する中国と日本



 ときに、言葉は害を及ぼす。

 日本政府と中国政府の高官たちは、先週、日中間の修辞的衝突をエスカ
レートさせ、この初歩的教訓を思い起こすことになった。

 最も新しい言葉の攻撃は、先週、日本の小泉首相が、彼の靖国神社参拝
に対する中国と韓国からの批判を退けたことだった。
 この神社には、処刑された戦犯を含む、日本の戦没者が祀られている。
 
 小泉氏は、「なぜ外国の政府が心の問題に介入し、外交問題にするのか
わからない」と語った。

 しかし、第二次世界大戦前と戦中の日本の支配に苦しんだ、多くのアジ
ア人にとって、小泉氏の参拝は不快なものであり、彼の発言は激しい反発
に遭った。
 小泉氏は、日本が再び戦争をしないことを祈って参拝している、と弁明
した。

 中日関係は、中国の爆発的経済成長、軍事費増加、台湾についての論争
をめぐっても、緊張の兆しを見せている。

 小泉氏は、すでに緊張が高まっているときにこの発言を行った。
 先月末、日本の外務省は、2004年の上海の日本の外交官の自殺の陰
に、中国公安エージェントの"遺憾な行為"があったと確信する、と発表
した。 

 日本政府は、この自殺について詳細を発表していないものの、日本のメ
ディアは、この外交官は上海総領事館の通信スペシャリストで、中国のエ
ージェントから浮気をネタに脅迫されて自殺した、と報じた。

 日本の麻生外相は、12月22日の記者会見で、中国は軍事費や規模や
核を増加させ、"かなりの脅威"になりつつある、と述べた。

 中国の急速な発展は、さらに関係を浸蝕させた。
北京の精華大学の国際関係論の教授、リウ・チァンヨン氏は、中国が豊
かになり、より政治的に重要になって、中国市民も日本に対して歴史を認
めさせることに、より熱心になった、と語った。

 リウ氏は、日本と中国は、中国の発展に伴い、経済的・政治的対立を続
けることは確かだ、と述べた。
 彼は、「重要なのは、これらの対立がどう扱われるかだ」と言った。

。。。。。。。。。。。。。

『カンザス・シティー・スター』(米)     2006年1月9日付
     −歴史を言い逃れする;日本



 日本の小泉首相は、中国や韓国のように筋違いの文句を言う近隣諸国に、
日本の国内政治に口出しさせない、という。
 これが、先週水曜日に、中国政府と韓国政府からの靖国神社参拝への抗
議に対する、彼のリアクションである。

 この神社には、日本の戦没者とともに、第二次世界大戦の主たる戦犯の
一部が祀られている。

 大半の国では、軍の追悼施設への訪問は、外交問題にならない。
 だが、アジアでは、これは古くてわだかまった刺激物であり、中国と朝
鮮を含む、日本が侵略した国すべてが懸念する問題である。

 この争いが膿んでいる理由の一部は、日本に戦争を思い出させることで、
中国政府が自らの示威的行動に対する注目をそらすことができるからだ。

 しかし、日本に対する怒りが化膿するのは、主として、日本が自らの歴
史と向き合うことができないからである。

 昨春も、戦争の記述を希釈した日本の歴史書が出版され、苦情が出た。

 日本は、戦時にアジアのさまざまな国の女性を、軍が運営する売春宿で
売春婦として使ったことを認めるのに、50年近くかかった。
 それにしても、日本政府は当初、これらの女性たちは"強制"されてい
ないと主張し、多くの生き残った"慰安婦"たちが怒りを表明してから、
ようやくこの主張を取り下げた。

 このような、常に起こる戦争に関する小競り合いは、なぜ日本はその経
済力に比較して世界における影響力が小さいかを説明するうえでの、助け
となる。

 過去を無視しても、日本にとっていいことはない。
 日本が自らの歴史の事実を受け入れて認めなければ、アジアの安定に貢
献する可能性は、小さなままであり続けるだろう。 

続く