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英語圏大手メディアの自衛隊報道 7

(報告:常岡千恵子)


 お次は、自衛隊は関係ないけど、米軍による沖縄での大規模演習を報
じた記事の要約。

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AP通信(米)             2005年8月12日配信
     −米軍、日本の南の島・沖縄で大規模演習を行う



 米海軍空母機動部隊と海兵隊、米空軍ジェット戦闘機十数機が、沖縄 で今年最大の統合演習を実施している。  8月7日から始まったこの演習には、グアムに配備されたB2ステル ス爆撃機を含む100機以上の軍用機と、空母キティホークとその機動 部隊などが参加。  木曜日は、キティホークの甲板から戦闘機が2分以内の間隔で出撃し、 想定された敵機や目標を探し、しばしば海軍機と空軍機が戦う場面もあ った。  機動部隊司令官のダグ・マクレイン少将(もしくは准将)は、「これ は、米国外で行うことができる最高レベルの統合演習だ」と述べ、「わ れわれは、あらゆる戦争状態における作戦を行っている」と語った。  米軍は、JASEXと呼ばれるこの演習の、政治的な影響に関するコ メントを拒否した。  この演習は、米国防総省が中国の軍備近代化への懸念を表した直後、 さらに北朝鮮に核放棄を説得している最中に、行われている。  しかしながら、キティーホークのプレスリリースによれば、この演習 は、この地域における米軍の役割を強調するためのものである。  キティホーク艦長のエド・マクナミー大佐は、「JASEXは、米国 の西太平洋の安定へのコミットメントを示す」という声明を出した。  マクレイン少将(もしくは准将)は、日曜日まで続けられる予定のこ の演習の目的は、主として、米軍各部門の協力とインターオペラビィテ ィを向上させることにある、と強調した。 。。。。。。。。。。。。。  この記事にもあるように、これまた、微妙な時期に微妙な場所で、米 軍がかなり大掛かりなデモンストレーションを展開していたことにな る。  しかも、この演習は、日本の大手メディアが大きく報じた、初の中露 合同軍事演習の直前に行われていたのだ。  日本では2005年9月に、中国が東シナ海の春暁ガス田付近に軍艦 を派遣したことが伝えられている。 だが、日本ではあまり報道されていない、以上の演習の記事を読んで おわかりのとおり、実はこっちも、かなり派手にドンパチやっていたの である。 中国の動向を注視するのはもちろん重要だが、なぜ中国がそのように 動くかを読み解くには、まず自分たちの動きを検証するのが原則だろう。  日米の動きを報じずに、中国の行動ばかりを一方的に伝えるだけでは、 いたずらに日本国民の恐怖心を煽るのみ。   「彼れを知りて、己れを知れば、百戦して殆うからず。 彼れを知らずして己れを知れば、一勝一負す。 彼れを知らず己れを知らざれば、戦う毎に殆うし。」 『孫子の兵法』にもあるように、とにかく自分のことを客観的に理解 しなくちゃ勝てないのは、軍事の常識である。  もっとも、日本の大手メディアが、再び国民を敗北へと導きたいんな ら、話は別だけど。

続く