ヒマヒマなんとなく感想文|

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』

(加藤健二郎 2013.2)


オサマ・ビンラディンを追い詰める
CIAの諜報戦「ゼロ・ダーク・サーティ」
表に出てはいけない立場の人間と、表に出る役目の人間。現場へ身を曝す役目の 者と、画面上で全てを完結させなければならな人間。決断をする立場の者と、意 見など求められてない者。役目に徹しきれなくなると間違いが起こりやすい。隠 密作戦を成功させる大組織力とはなんなのかを絶妙に表してる。
日本人は、意見を求められてない半端者も偉そうに意見してくるうるさい組織を 「活気があってよろしい」と好きなようなので、スケールの大きな隠密作戦はダ メかもしれない、と感じさせる映画でした。
後半で、主役のCIA分析官の脳が、デジタル判断からアナログ判断に急転換す るところは、もうちょっと第6勘的な描写でもよかった気もするが、そんな繊細 のところを求めてしまうほど、諜報戦の世界をよく表してる作品だ。

 拷問のシーンでも、優秀な分析官が見ているのは、白状する言葉ではなく、緩 急をつける拷問の中での被疑者の心理だ。さあ、CIAから拷問を受ける側にな りそうな反米な諸君、痛い目を最低限での生き残りのヒントあるかもよ。

    (加藤健二郎:中米で諜報機関に捕らわれ経験)

続く