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ざっくばらんに本音で喋ってくれる南相馬市長だということが伝わってくる。 |
この本でも、中央政府とのやり取りの内容がかなり多めで、南相馬市内での活 動については、震災直後以外の時期ではかなり記述が少ない。桜井市長は、タイム誌で 「影響力のある100人」に取り上げられるなど、有名人化している。 そのこと と相まって、現場市民たちからは「市長は我々市民のほうをあまり向 いてくれてない」という感想が出ている。確かに、日本国内での地方公演も多 く、地元よりも外を向いている感じは強い。 |
「世界の中で、歴史の中で、自分にしか向き合わせてもらえないこと」。首長としてこの事態に向き合えることを「ある種のワクワク感がある」と、本書の中 でもいう桜井市長の幸福感は、戦場屋カトケンにもよくわかる。しかし、このような 人生観は、世界のほとんどの人にはあてはまらないことも、戦場で学ん だ。桜井市長も、それを感じさせられている場面が多いようだ。 |