ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

豊洲・1004−(05)




◆図4
 築地川ルート
 白線ではさまれた区間は、すでに道路用のインフラが整備されている。黄線で
はさまれた区間は、地下空間の整備状況は不明だが、地上はすべて公共用地であ
り、用地 買収の調整は容易である。
 10号晴海線は、放射34−1号と併走するので、そのまま晴海通りを延伸す
れば、東銀座の万年橋で首都高速環状線にぶつかる。このあたりの環状線は築地
川跡の掘り割り構造で、複数の橋や公園が本線に蓋をしている。ほかの高速道路
が接続する余地があるようには見えない。しかし、新富町出入口が不自然なかた
ちで設置されていることに容易に気づくと思う。全方向連絡(フルセット)の銀
座出入口と銀座方向連絡(ハーフ)の京橋出入口の間に無理矢理双方向からの新
富町出口が分岐している。環状線のほかの出入口が側壁面上やオーバークロス橋
に接続しているのに、新富町出入口は本線をはずれて、300メートルほど別の
掘り割りを進んで新大橋通りに 接続している。

 新富町出口は、いかにも環状線から分岐するために作られたように見 える。
しかも近接する銀座、京橋出入口の分岐合流と織り込み区間が発生しないよう合
理的な配置になっている。外回りは、京橋入口からは新富町出口には行けない。
内回りは、銀座入口から新富町出口には行けない。ところで、新富町出口は開通
当初は新大橋通りの手前の掘り割り内でUターンして中央区役所北のスロープを
上り、三吉橋に接続していた。銀座出入口の守備範囲とほとんど変わらない位置
だった。その後、Uターン路を撤去し、新大橋通りに上るスロープを新設する。
現在の新富町出口 のかたちになった。

 つまり、新富町出口は築地川掘り割りを明石町方向に進むかたち が当初の計
画だった。当時も現在もこの方向には高速本線は見あたらない。本線延伸の準備
として計画的に作られた本線分岐路なのだ。出口だけを集めた路線なので、本
線とすれば一方通行の本線になる。

◆図5
 現状の首都高速(C1)環状線、京橋出入口と銀座出入口の間のランプ配置模
式図。新富町出入口は、京橋入り口、銀座入口の合流車線と織り込みが発生しな
い構造に なっている。

◆写真8
 新富町出口(No.13)
 首都高速(C1)環状線外回り、新富町出口をのぞむ。右車線への合流は、京
橋入口(No.12)である。京橋入口から新富町出口には行けない。現在は、
そのような利用をする車両はあり得ないが、将来、新富町出口が10号晴海線へ
の分岐(新富町JCT)になれば、需要は発生するだろう。しかし、道路構造
上、利用は無理だろう。中央環状線外回り板橋方向から扇大橋出口(No.
C35)が、狩場線上り線か ら山下町出口(No.354)が利用できないの
と同じである。
(2008年12月23日、著者撮影。)

◆写真9
 新富町出口(No.14)
 首都高速(C1)環状線内回り、新富町出口をのぞむ。内回り左車線への合流
は、銀座入口(No.15)である。銀座入口から新富町出口には行けない。現
在は、そのような利用をする車両はあり得ないが、将来、新富町出口が10号晴
海線への分岐(新富町JCT)になれば、需要は発生するだろう。以下の説明は
◆写真8と同じで ある。

 新富町出口の幅員は狭い。首都高速の古い開通区間は、本線と出入口はおおむ
ね同じ幅員を確保しているが、ここは狭い。この区間は舟運用の掘り割りを高速
道路に流 用しているため、道路に都合のよい広さが確保できて
いるわけではない。しかし、高 度な土地利用が進んだこの区間で新たな道路空
間を確保することは難しい。そのため既存の掘り割り空間をそのまま利用した。

 また、掘り割りに架かる橋梁もほとんど、 そのままである。内回りの新富町
出口は狭いが、外回りは左側に使用できない空間がある。なお、外回りは、写真
正面の築地川亀井橋公園をくぐると、亀井橋をくぐるところで、第1車線と第2
車線が分かれる。亀井橋の橋脚を避けるように1車線ずつに分かれるのである。
第1車線は、その先で銀座出口(No.16)が分岐する。この出口は第2車線
からは利用できない。つまり、外回りの銀座出口を利用する場合は、新富町出口
を過ぎたら速やかに第1車線に寄っておかなければならない。道路のため に造
成された掘り割りならば絶対にあり得ないトリッキーな構造である。
(2003年9月13日、著者撮影。)

◆写真10
 新富町出口(No,13、14)
 新大橋通り入船橋から、首都高速(C1)環状線、新富町出口をのぞむ。中央
左側のトンネル出口が、内回りからの出口(No.14)で、右側が外回りから
の出口(No.13)である。双方が合流して、掘り割り区区間からスロープを
上り、やや 左にカーブして地上の新大橋通りに接続する。
(2003年9月13日、著者撮影。)

◆写真11
 新富町出口(No,13、14)
 平成通り築地橋から、首都高速(C1)環状線、新富町出口をのぞむ。環状線
内回り、外回りからの出口亘り線が合流して、2車線で新大橋通りに接続する。
開通当初は、新大橋通りには接続せず、現在の出口の左側の空間に出口亘り線を
設置し、新大橋通りにぶつかる手前でUターンし、右側の空間を戻る方向に進
む。そして、スロープを上って中央区役所前の三吉橋に接続していた。◆写真
10の新富町出口トンネル の左側に、そのスロープが映っている。
 現在は使用しなくなったUターン路用の空間は、首都高速10号晴海線延伸区
間にそのまま利用できる。環状線内回り、外回り亘り線の合流部から新富町出口
の分岐が近すぎるため、出口の左右いずれかの空間だけを延伸すると、環状線の
いずれかの方向からは新富町出口が利用できなくなってしまう。そこで、左右と
もに延伸して、新大橋通りをくぐった地点で再度合流させればよい。広い掘り割
り空間を一方通行だけに使用するのはもったいない感じがするが、使用しないよ
りはよいだろう。
(2003年9月13日、著者撮影。)

続く