ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

豊洲・1004−(04)



 本レポートでは、(1)(2)について、既存の構造物から見た、具現化の可
能性 について記す。
 
(1)第二湾岸道路接続

 東雲JCTから南へ青海・有明南連絡線上を南進し、東京ビッグサイト東側か
ら有明3地内の鉄鋼ふ頭湾岸を進む。東京港第二航路を横断して中央防波堤内側
埋め立て地に至る。そして、中央防波堤外側埋め立て地その2で第二湾岸道路に
接続する。約4キロのうち、第二航路横断部が1.5キロである。この横断部の
構造物に莫大な費用 がかかるが、それ以外には特に建設に支障となる問題はない。

 東雲JCTは湾岸線と晴海線豊洲方向を連絡する3枝直結構造だが、第二湾岸
方面を連絡する南側の亘り線の追加を準備した構造になっている。上路は一切先
行整備していないが、下部には準備が見られる。開通した北側の亘り線を支える
橋脚は、湾岸線接続部の手前で広くなっている。ここに南側の亘り線を容易に追
加できる。東雲JCTは湾岸線と直交する晴海線を全方向に連絡する4枝直結構
造として計画、施工されている。第二湾岸道路までの区間は構想段階だが、東雲
JCTの構造はすでに都市 計画図に記されているのだ。

◆図1
 東雲JCTの都市計画図
 東雲JCTは、都心方向のみ3枝直結ではなく、第二湾岸道路方向に全方向で
接続 する4枝直結のフルジャンクションとして計画されている。
(東京都のWEBサイトから引用。)

◆写真6
 東雲JCT
 東京湾岸道路(国道357号)西行き車線、角乗り橋合流部から、有明方向、
首都高速10号晴海線東雲JCTをのぞむ。写真右側が豊洲方向である。東雲
JCT亘り線の橋脚は、左側の東京ビックザイト、第二湾岸道路方向からの亘り
線も乗せられる ように広くなっている。
(2008年5月12日、著者撮影。)
 第二湾岸道路は、高速道路ではないが、首都高速湾岸線の東京港トンネルの渋
滞解消には貢献するだろう。ここに首都高速を接続させるのは有効である。9号
深川線、11号台場線を延伸する手もあるが、3枝直結構造のジャンクションを
4枝直結構造に改造することは難しい。10号晴海線は、湾岸線のさらに海側に
連絡する唯一の高 速道路として十分に機能を果たすと考えられる。

 実は、さらに第二湾岸道路との接続箇所から海側へ延伸する構想もある。東京
湾アクアラインの5キロほど北側を併走して、房総半島の袖ヶ浦に至るルートで
ある。途中には海ほたるよりも広大な人口島を作り、湾岸ではなく湾央新都心を
建設するのだ。これは、晴海線の新宿延伸よりも荒唐無稽な構想である。技術的
な問題をクリアしても絶対に着手してはいけないプロジェクトだろう。晴海線の
第二湾岸道路延伸が具現 化したら、すぐに第二湾岸道路との接続箇所の構造に
ついて確認したい。

(2)環状線接続

 前項で記したように開通目処の立っている晴海出入口は、あくまでも「仮」で
ある。本来は、都心方向と連絡する出入口ではなく、豊洲方向との連絡を予定し
ている。放射34−1号の晴海大橋にはすでに本来の出入口の接続準備が施され
ているのだ。晴海大橋は、岸壁から大きく上下線が離れて、中央部分を空けるよ
うになっている。上下線ともに豊洲方向から中央にせり出している箇所があり、
ここに首都高速晴 海線の晴海出入口が接続し、都心方向に連絡する。

◆図2
 晴海(仮)出入口
 首都高速10号晴海線の晴海(仮)出入口配置図。暫定2車線で出入口車線の
みが 供用される。

◆図3
 晴海出入口
 接続方向が逆転し、晴海大橋上に既に完成している接続車線が利用される。

◆写真7
 豊洲出入口
 東雲JCT方向から豊洲出口をのぞむ。案内板には「1004」と明記されて
いる。現在は豊洲出入口しかないが、この出入口は都心方向から数えて4番目な
のである。建設主体である首都高速の意気込みを実感できる堂々たるナンバリン
グである。 高速右側の丸い建物は、新豊洲変電所(テプコ豊洲ビル)である。
(2009年4月29日、著者撮影。)
 都心方向への延伸は具現化するのだろうか。
首都高速晴海線は、構想段階から着目していたが、開通時期が近づき最も気に
なったことは、豊洲出入口の出入口番号である。首都高速の出入口にはすべて番
号が付与されている。文字での判定が困難な外国人向けのサービスだが、おおむ
ね通し番号で起点から昇順に並んでいるので、位置を知ることに使える。また、
ナンバリングの変更は案内板の取り替えが強いられ、莫大な経費がかかるため、
開通見込みがあれば、なるべく見込むようにしている。つまり、未開通の出入口
は欠番になっているのだ。

 首 都高速のナンバリングは、10の位までが出入口番号で、100の位から
上が路線番号である。305番は、3号渋谷線の起点から5番目の出入口であ
る。起点は環状線と接続する谷町JCTで、101番が高樹町出入口、102番
が上り線の渋谷出口、103番が渋谷出入口、104番が池尻出入口で、105
番は三軒茶屋出入口にな る。

 例外は多く、C1号環状線の路線番号はなく、出入口番号は単に11番(宝町
出入口)から始まり、クロックワイズで昇順に31番(江戸橋出入口)まで続
く。C2中央環状線は路線番号がCで、湾岸線は神奈川線がBで、東京線が0で
ある。ほかに、ナンバリング後に追加された出入口番号には末尾にA、Bが付与
される。2009年3月29日に開通したK1号羽田横浜線の大師出入口(横浜
方向連絡)は、152A番である。既存の東京方向連絡の出入口は151番で、
横浜寄りの浅田出入口が 152番である。

 豊洲出入口は1004番である。10号の4番目の出入口ということである。
K1号のように古い路線は、開通後に当初計画にない出入口が追加されることも
あり、番号の並びは複雑になるが、新規開通の10号はシンプルなナンバリング
になるはずである。豊洲出入口が4番目ということは、開通目処の立っている晴
海出入口が3番であ る。

 晴海出入口は「仮」ではあるが、延伸して出入口方向を逆転させても位置はか
わらないので3番のままだろう。3番から始まるのは不自然だし、だいたい晴海
出入口 は都心方向に連絡する出入口なので、延伸しなければ無意味である。
この先に2番、1番の出入口が予定されているのだ。3番の晴海出入口が都心方
向と連絡するので、1番の先は既存の開通区間に接続しなければあまりにも利用
できる距 離が短い。

1番の先は首都高速環状線に接続するのである。しかも、その接続準備は部分的
に完 成している。

続く