【2013年度から】
首都高速晴海線で最も気になっていなことは、「遠大な高速道路構想をどこま
で実現するつもりなのか」ということである。深刻な渋滞を引き起こしている首
都高速東京線の良好な流れを取り戻すため、環状道路の建設に力を入れていた。
首都高速中央環状線、東京外環自動車道の整備である。前者は全通の見通しが
立っている。後者は、湾岸と東名高速の間を除き、なんとか開通させることがで
きそうだ。これらの整備で通過交通の多くが都心区間を迂回することになるだろ
う。それでも湾岸線の渋滞は残ると予測されている。湾岸と都心のアクセスが弱
いということである。都心直結は9号深川線と11号台場線だけで、このルート
に集まる区間の渋滞は解消しない。中央環状品川線の大井接続で東京港トンネル
の双方向、および東京外環自動車道の市川接続で葛西JCTまでの西行きは、現
在よりも流れが悪くなると考えられる。東京港トンネルは、一般道路(国道
357号)用のトンネルを両側に併設することになる が、それだけでは十分で
はないだろう。
10号晴海線は、3番目の湾岸と都心とのアクセスルートに組み込まれてい
る。今回の開通区間、および開通目処の立っている区間は、都心の東端までの接
続なので、十分な機能は果たせない。少なくとも首都高速環状線に接続させる必
要がある。さらにまっすぐ伸ばして新宿に連絡する構想がある。また、湾岸線の
渋滞の抜本対策として第二湾岸道路の構想がある。これは構想に止まらず、すで
に部分開通している。大田区東海から、臨海トンネルを経て中央防波堤までの区
間は開通している。さらに東京港第三航路を渡る臨海大橋を経て江東区若洲まで
建設が進められている。これらは一般道路だが、トンネル出入口には本線立体交
差道路を延長できるかたちになっている。10号晴海線は東雲JCTからさらに
湾岸を進み、中央防波堤外側埋め立て地で 第二湾岸道路に延長する構想がある。
晴海線延伸には、
(1)東雲JCTから第二湾岸道路までの区間
(2)晴海(仮)出入口から首都高速環状線接続までの区間
(3)首都高速環状線接続箇所から新宿までの区間
の3つの構想があるのだ、
構想では、具体的な可否はあまり重視されず、理想的なルートを設定する。
「東名高速は混雑するので、もう1本東名高速をつくろう」という程度である。
幅の広いペンで地図に線を引くのである。それを具現化するときにようやく可否
を検討する。新東名の場合は、結局、東京から海老名までの区間を保留のまま着
工している。2012年には御殿場JCTから三ヶ日JCTまで開通する。
2020年ころまでに海老名から新名神まで連続する予定だが、東京までは到達
しない。海老名からは、圏央道(さがみ縦貫道)、新湘南バイパス、横浜湘南道
路、横浜横須賀道路金沢支線を経て、首都高速湾岸線に連絡する。自動車専用道
路で東京までつながるが、現道の東名 高速に比べて、いかにも遠回りである。 |