ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

豊洲・1004−(01)



【はじめに】

 2009年2月11日、首都高速晴海線が部分開通した。9号深川線と11号
台場線の中間に位置する、都心と湾岸線を結ぶ新ルートで、10号に設定され
た。湾岸線の分岐としては、9号と11号の間でも約2キロと短距離なのに、さ
らに1本分岐が追加されたことになる。9号、11号の渋滞緩和のために、後に
決められたように見えるかもしれないが、そうではない。9号深川線が開通した
のは1980年2月5日、11号台場線は1993年8月26日である。少なく
とも11号開通時に10号 を空けたので、1993年には決まっていたことに
なる。

実際には、そのはるか前に 決まっているのだが、晴海線は構想段階でいろいろ
とかたちを変えてきたので、今回の開通区間だけに絞れば、明確なことは施工命
令が下りたのが2001年12月5日ということだけである。本レポートでは、
今回の開通区間、施工区間の紹介、および将来構想について記す。


【2012年度まで】

 2009年2月11日の開通区間は、首都高速湾岸線と接続する東雲JCTと
放射34−1号に接続する豊洲出入口までの1.5キロである。わずかな距離だ
が、湾岸線各方向と直結する構造のため、湾岸線と中央区との利便性は良くなる
と考えられる。9号深川線、11号台場線ともに都心環状線接続までに渋滞多発
区間を通過しなければならないため、都心環状線東側の出入口(宝町、京橋、新
富町、銀座)までの 所要時間が不安定である。

 10号晴海線の豊洲出入口から放射34−1号、34号で 月島から東銀座に
晴海通りを通過する方が安定しているかもしれない。晴海通りも勝鬨橋ネックで
流れがよくない時間帯があるが、都道473号へ迂回して佃大橋で隅田川を渡る
ことができる。こちらも流れが悪ければ、都道463号の中央大橋に逃げれ ば
よい。

 豊洲の都心アクセスは一般道路の走行区間が長くなるが、逆に容易に迂回でき
るという一般道路の強みを利用すれば有利である。このあたりの湾岸地帯は、道
路幅員が広く、流れのよい道を選べば渋滞を避けることは難しくない。開通年次
の古い 勝鬨橋以外は、橋梁区間での車線減少もない。

◆地図1
 首都高速10号晴海線の路線図。
 湾岸線有明JCTと辰巳JCTのほぼ真ん中に東雲JCTを設置して、10号
晴海 線が接続する。

◆写真1
 東雲JCT
 放射34−1号南行き車線側道から角乗り橋上をオーバークロスする首都高速
10号晴海線東雲JCT亘り線をのぞむ。上下線の亘り線の間に確保された広い
空間と複雑な構造の橋脚は、晴海線の第二湾 岸道路方面への延伸準備である。
(2008年5月12日、著者撮影。)

◆写真2
 豊洲出入口(No.1004)
 放射34−1号北行き車線から首都高速10号晴海線豊洲出入口をのぞむ。
 東雲JCT方向からの出口は、放射34−1号の左車線に合流するが、入口は
右車線から分岐する。広い幅員の新設一般道路との双方向接続出入口で非対称の
かたちにしているのは珍しい。出入口ランプの間は晴海方面への延伸空間であ
る。(2008年5月12日、著者撮影。)

◆写真3
 晴海大橋南詰交差点
 放射34−1号と補助315号豊洲・有明連絡道路(東京都道484号豊洲有
明線)との交差点で、補助315号上にはゆりかもめの高架橋が併設されてい
る。写真右側に新豊洲駅が見切れている。首都高速10号晴海線の晴海(仮)出
入口までの延伸線は、ゆりかもめ上空を直交する。なお、延伸線は暫定2車線で
供用される。
(2008年5月12日、著者撮影。)

◆写真4
 晴海大橋
 放射34−1号の晴海大橋最頂部から晴海3交差点方向をのぞむ。正面の高層
建築はトリトンスクエアである。晴海大橋は上下線が大きく離れる構造になって
いる。この空間に首都高速10号晴海線が晴海出入口を含み入り込む。つまり、
高速本線と出 入口の6車線分の空間を空けているのである。

 わかりにくいかもしれないが、右車線 路肩のコンクリートブロックの向こう
側にもう1車線存在している。コンクリートブロックの向こうに左側と同じ構造
の鉄製のガードレールがあるが、ここまでに1車線分隠れているのだ。この車線
は、首都高速晴海線が都心方面に延伸されたときに設置される本来の晴海出入口
の入口にあたる。2012年の晴海(仮)出入口開通時は接続方向が逆のためこ
のインフラは使用されない。(2008年5月12日、著者撮影。)

◆写真5
 晴海3交差点、晴海大橋黎明橋公園歩道橋から、放射34号晴海通り晴海3交
差点、放射34−1号晴海大橋をのぞむ。晴海大橋上の◆写真4で記した本来の
晴海出入口車線の準備箇所がよく わかる。

 晴海大橋各車線の中央側の青いボックスビームのはみ出し箇所である。なお、
2012年の晴海(仮)出入口は、高速道路予定空間の中央に2車線で設置さ
れ、写真中央の晴海大橋北詰の上下線分離箇所の中央帯に接続する。晴海線が都
心方向に延伸されたときには、中央帯に橋脚を立てて4車線の高架構造で晴海3
交差点を オーバークロスする。
(2008年5月12日、著者撮影。)

続く