ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

名古屋高速・山王・苦労が見え隠れする魅力2



 もう一箇所、開通後ではなく、着工後に追加が決まったところがある。都心環
状線 の丸の内入口である。丸の内Rは元々出口のみの予定で着工されたが、工
事期間中に 入口の追加が決定した。丸の内Rは交通量の多い一般国道22号上
に設置される高架 構造で、少なくとも丸の内出口が交差点内に橋脚を設けない
スレンダーな構造である ため、入口がどのようなかたちになるのか気になっ
た。工事中の丸の内出口は交差点 を西から南へ直角方向にカーブする。追加工
事の入口は北から東へ直角方向にカーブ する。

 交差点上空にシンメトリーの高架構造物が覆い被さるかたちになる。この線形
を維持するだけならば、いくらでも橋脚を設置する余地はあるが、名古屋城南で
景観 に気を配る必要があるため、橋脚の位置、かたち、本数は制限される。丸
の内出口を 支える橋脚がすでに最小限の本数なので、それに入口を追加するこ
とはできるのだろ うか。

 東西方向の本線は、丸の内出口の減速車線を含み全区間1本の橋脚で支えてい
る。 高架下部と橋脚が一体になったスチール製のものある。交差点に橋脚を1
本も設けず に、交差点を横断して本線はこの先も1本の橋脚で支えられる。こ
こに丸の内入口の 料金所、合流車線を追加するのはさすがに難しかったよう
だ。この区間だけは歩道に 細い橋脚を追加して、入口の高架を支えている。追
加分を含めてもスレンダーで、い びつさはあまり感じない。

 開通時期は下記の通りである。
 1994年 9月12日 (都心)名駅ー丸の内出口
 1995年 9月19日 丸の内ー東新町(都心)(本線の開通)
 1999年11月11日 丸の内入口
 丸の内出口は開通当初は終点だったが、1年後本線が開通し、さらに4年後丸
の内 入口が追加された。

◆地図ー丸
名古屋高速(R)都心環状線 丸の内R位置図。
撮影位置図。

◆写真ー丸1
名古屋高速(R)都心環状線 丸の内R
名古屋市中区三の丸1
国道22号南行き車線から丸の内Rをのぞむ。
手前の高架が入口、奥が出口。
(2006年7月8日、著者撮影。)
  

◆写真ー丸2
名古屋高速(R)都心環状線
名古屋市中区丸の内1
外堀通東行き車線から丸の内Rをのぞむ。
丸の内R出口減速車線を含み本線高架は1本の橋脚で支えている。
(2006年7月13日、著者撮影。)
  

◆写真ー丸3
名古屋高速(R)都心環状線 丸の内R(出口)
名古屋市中区丸の内1
新御園橋交差点手前の本線と出口が分離している箇所でも1本の橋脚で支えている。
(2006年7月13日、著者撮影。)
  

◆写真ー丸4
名古屋高速(R)都心環状線 丸の内R(入口)
名古屋市中区三の丸1
新御園橋交差点から、丸の内入口本線合流部をのぞむ。
(2006年7月13日、著者撮影。)
  

◆写真ー丸5
名古屋高速(R)都心環状線 丸の内R(入口)
名古屋市中区三の丸1
丸の内入口料金所直下。歩道上に細い橋脚を1本追加してランプ部を支えている。
(2006年7月13日、著者撮影。)

  
 このように名古屋高速にも予定外の改良は施されているが、いずれも出入口の
追加 である。高架構造の丸の内においても工事中の追加による設計変更だった
ため、追加 の痕跡は目立たない。さて、山王カーブの拡幅だが、さすがにここ
は「追加」を隠し にくいだろう。
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続く