札幌市としては、国道36号を単に通過専用の産業道路としておくのはいかに
もも ったいない。都心から地下鉄東豊線を福住まで開通させて、市街化を促進
した。都心 からわずか5キロだが、福住にバスターミナルを設置してさらに郊
外への公共交通 ルートのサービスエリアを広げた。それにより、(4)のルー
トは市街軸として成長 した。札幌市建設局の提供する渋滞情報のデータを見る
と、里塚、福住で合わせて通 勤時間帯に約2キロの渋滞が日常化している。
(ただし、東京の渋滞のように悲惨な 停滞ではない。制限速度の半分くらいで
流れている。)
もし、札幌市が首都になるような大幅な交通量増大シフトが発生すれば、この
ルー トには都市高速を建設すべきだろう。道央道の北広島ICと都心の創成川
通までの区 間で、道幅の狭い国道36号と並行する6車線の羊ヶ丘通を通過す
れば豊平区役所ま ではなんとかなりそうだ。その先は新たに道路用地を確保し
なければならないのでき つそうだ。現状の札幌にもし、このような構想を現実
化すれば財政の破綻は必至であ る。創成川アンダーパスの連続化※もどうかと思
うのに、さらに数千億をかけるのは 無茶というものだ。
※創成川アンダーパスの連続化
札幌都心を南北に貫通する創成川通の2つのアンダーパスを連続化する工事の
こ と。2006年1月17日から既設の南アンダー、北アンダーは通行止めに
なった。 連続アンダーパスは、2009年3月開通予定である。
地下鉄東豊線の開通により、終点である福住、および郊外に伸びるバス路線沿
線は 徐々に市街化していった。国道36号の交通量が増大し、並行するバイパ
スの羊ヶ丘 通も開通した。地下鉄がさらに延伸すれば郊外への拡大は果たせる
かもしれないが、 あまりにも投資が大きすぎる。せっかく予定通りに市街が形
成されているのだから、 既存の施設を有効利用する方向で行政を進めてほしい
と、慎重に考えていたのに...
ちょっと目を離したら、羊ヶ丘に札幌ドームができてしまった。ドームの建設
費、維 持費に目をつぶれば、最寄り駅である福住駅の需要はさらに高まり、膨
大な集客は福 住市街を活性化するはずである。 |