ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

創成川連続アンダーパスの市民運動2




札幌市豊平区月寒東1条
国道36号(月寒通、室蘭街道)
月寒中央通10、11交差点、豊平橋(札幌都心)方向をのぞむ。
(2006年5月25日、著者撮影。)
  
 札幌市としては、国道36号を単に通過専用の産業道路としておくのはいかに
もも ったいない。都心から地下鉄東豊線を福住まで開通させて、市街化を促進
した。都心 からわずか5キロだが、福住にバスターミナルを設置してさらに郊
外への公共交通 ルートのサービスエリアを広げた。それにより、(4)のルー
トは市街軸として成長 した。札幌市建設局の提供する渋滞情報のデータを見る
と、里塚、福住で合わせて通 勤時間帯に約2キロの渋滞が日常化している。
(ただし、東京の渋滞のように悲惨な 停滞ではない。制限速度の半分くらいで
流れている。)

 もし、札幌市が首都になるような大幅な交通量増大シフトが発生すれば、この
ルー トには都市高速を建設すべきだろう。道央道の北広島ICと都心の創成川
通までの区 間で、道幅の狭い国道36号と並行する6車線の羊ヶ丘通を通過す
れば豊平区役所ま ではなんとかなりそうだ。その先は新たに道路用地を確保し
なければならないのでき つそうだ。現状の札幌にもし、このような構想を現実
化すれば財政の破綻は必至であ る。創成川アンダーパスの連続化※もどうかと思
うのに、さらに数千億をかけるのは 無茶というものだ。

※創成川アンダーパスの連続化
 札幌都心を南北に貫通する創成川通の2つのアンダーパスを連続化する工事の
こ と。2006年1月17日から既設の南アンダー、北アンダーは通行止めに
なった。 連続アンダーパスは、2009年3月開通予定である。

 地下鉄東豊線の開通により、終点である福住、および郊外に伸びるバス路線沿
線は 徐々に市街化していった。国道36号の交通量が増大し、並行するバイパ
スの羊ヶ丘 通も開通した。地下鉄がさらに延伸すれば郊外への拡大は果たせる
かもしれないが、 あまりにも投資が大きすぎる。せっかく予定通りに市街が形
成されているのだから、 既存の施設を有効利用する方向で行政を進めてほしい
と、慎重に考えていたのに...
ちょっと目を離したら、羊ヶ丘に札幌ドームができてしまった。ドームの建設
費、維 持費に目をつぶれば、最寄り駅である福住駅の需要はさらに高まり、膨
大な集客は福 住市街を活性化するはずである。

◆写真2
札幌市豊平区月寒東1条
国道36号(月寒通、室蘭街道)
福住交差点、里塚、苫小牧(札幌郊外)方向をのぞむ。
札幌ドームの景観は、なかなかエキセントリックである。
(2006年5月25日、著者撮影。)
ただ、膨大な集客は実現できるのだろうか。開設当初は気になった。福岡ドー
ムを 擁する福岡は、かつてフランチャイズにしていた西鉄ライオンズがあった
ため、野球 好きは多かったはず。ホークスが来ても何とかなるとは思っていた
し、実際その通り になった。果たして北海道はどうだろうか。

 元々のファイターズファンが多かったとは思えないが、なかなか盛況である。
この 原因は北海道に行ってみて何となくわかった。地元マスコミが盛り上げて
いるのであ る。また、地下鉄駅や車内など人が集まるところにはたいていファ
イターズの広告が 見つかる。ラジオ、テレビでの実況放送や、ファイターズ特
番の放送は、一度は札幌 ドームで試合を見てみたくなると思う。また、札幌
ドームの知名度は、2002年の ワールドカップで一気に全国に広まった。

 ワールドカップでの対戦が好カードだった ことも功を奏した。フィールドが
スライドして交換できる珍しい構造だけでは、現在 の盛況には至らなかったと
思う。やはりハードよりもソフトが重要である。
 札幌ドームは全国各地に建設した箱物の中では成功と言えるだろう。
前のページ

続く