ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

創成川連続アンダーパスの市民運動1



 札幌市東南部の放射ルートの市街化は、国道12号と並行する南郷通に地下鉄
東西 線が開通して徐々に郊外に広がった。大谷地で国道12号および地下鉄東
西線は北東 に方向を変えてJR千歳線の新札幌駅に至る。国道12号はさらに
江別、岩見沢に至 る。市街の広がりは、新札幌駅を過ぎると幾分衰えるが、野
幌から江別まで連続す る。このあたりまでが、札幌都市圏に含まれ、無理なく
札幌都心に到達することがで きる。

 ところで、大都市の市街地は地形の制約がなければおおむね同心円上に広がる
もので ある。札幌は国道36号から時計回りに国道5号までが山岳地形で広が
りを妨げてい る。その反対側は、石狩川が蛇行しているところはあるが、おお
むね平地で、広がり に支障はない。江別はこの平地に位置し、札幌都心までの
直線距離は約15キロであ る。国道5号から時計回りで国道36号までの平地
の都心から15キロ以内の全面に 市街が広がっていても良さそうなものだが、
札幌新道の通過する都心から3キロ圏の 外側は空き地が多くなり、5キロくら
いでいかにも北海道らしい原野的風景に至る。 その原野から肉眼で札幌都心の
高度な市街地が視認できる。砂漠で見つけたオアシス のようなエキセントリッ
クな景観である。

 都市圏は、都心から放射状に伸びる交通ルートに肉付けされるかたちで広が
る。交 通ルートの主な軸は鉄道と道路である。これらのルートは、すでに需要
がある旧市街 をつなぐケースがある。多すぎる需要の分散を図るケースもあ
る。新たな需要を期待 して開設するケースもある。東京、大阪など巨大化した
都市は、市街の広がりの要因 が複雑に絡み合い、元になった交通ルートがわか
りにくくなっているが、札幌市郊外 は、まだまだわかりやすいかたちになって
いる。
 国道5号の筋から時計回りに、市街化の元になった軸は下記の4ルートである。
(1)    国道5号、函館本線(小樽方面)
(2)    国道231号(創成川通)、JR学園都市線
(3)    国道12号、JR函館本線(岩見沢方面)
(4)    国道36号
 それぞれの都市圏の広がりは、下記の通りである。
(1)    小樽市銭函まで、約15キロ
(2)    茨戸川右岸まで、約13キロ
(3)    江別市まで、約15キロ
(4)    清田区里塚まで、約12キロ

◆地図1
福住位置図
 上記の4ルートのうち、広がりの小さい(4)に着目する。
 国道36号は、札幌から千歳、苫小牧、室蘭に至る幹線道路である。道央自動
車道 とJR千歳線が並行している。ところが、札幌都市圏ではJR千歳線は北
広島市街を 経るため夕張に向かう国道274号に並行し、国道36号からは逸
れる。本州から札 幌へ航空機を利用するとき、新千歳空港から高速バスに乗車
すれば、道央道に乗った ところで早くも北海道の広々とした原野的風景を見る
ことができる。高速道路なの で、市街地を避けていると思うかもしれないが、
恵庭から札幌市清田区までの区間 は、ほぼ一般国道36号と並行している。こ
の区間は市街が途切れているのである。

 (1)から(3)までのルートは市街の果てまで鉄道が貫通している。鉄道の
サー ビス如何によってはさらなる広がりや、既設の市街の高度化の可能性もあ
る。(ただ し(1)は海岸線の断崖が迫るため銭函以西には広がらない。)

(4)は、貫通する鉄道はないが、道路交通ルートとしては道内きっての流通幹
線で ある。交通量は多く、並行する道央道もこの区間(千歳と札幌の間)が道
内最大であ る。また、大型車混入率が極めて高い産業道路になっている。

続く