ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

枝線が本線であるかのような構造(東北)5



 八戸道は全通して八戸市に到達しているが、さらに三沢市まで延伸している。
将来 は青森市に到達させるようだが、これは無謀だろう。無理に到達させなく
ても天間林 まで開通させれば、下北道と接続して青森県東部の広い範囲の利便
性が高まるはずで ある。また、三陸道方向にも高規格道路が接続する予定であ
る。岩手県の三陸にも八 戸道は関わってくる。

 八戸道の需要は、各枝線の延伸により今後大きくなると考えら れる。そのた
め八戸道直通を本線構造にしたのだ。実は、安代JCTでの八戸道分岐 比率は
漸増しているのだ。1989年の八戸道接続時点にはほとんど八戸道には分岐
していなかったのだ。それから16年を経て、ようやく46%に達したのだ。

 八戸道方向は本線なので、2車線を保ったまま八戸道に変わる。東北道方向の
分岐 線内は1車線だが、すぐに2車線に拡幅し、改めて安代以北の東北道本線
のかたちに なる。八戸道上り線から東北道十和田方面への亘り線は1車線で、
きついカーブを描 いて、この新たな東北道本線に左側から合流する。このルー
トをたどると、東北道本 線がここで一旦途切れていることには気づかないだろ
う。(◆写真6を参照。)

 なお、八戸道方向からの各分岐は、東北道盛岡方向が約88%、十和田方向が
約1 2%ある。東北道十和田方向からは、盛岡方向が約89%、八戸道方向が
約11%で ある。つまり、八戸と十和田、弘前のリンクはそれぞれ1割程度
で、1日1000台 にも満たないということである。したがって、このリンク
の亘り線にきつい線形を選 択させているのは仕方がないのかもしれない。

 交通量の現況から見て、安代JCTの構造は合理的と言える。八戸からさらに
広が る枝線の延伸により八戸道の交通量は増えている。青森道を全通させなく
ても、八戸 道分岐が50%を上回るのは間違いない。

 しかし、いくら交通量のこれ以上の増加はのぞめなくても、八戸道から十和田
方向 へのいびつな線形は何とかならなかったのだろうか。高速道路のジャンク
ションとは 思えないきつい線形である。下り勾配の右ヘアピンカーブで、本線
などをアンダーク ロスするため視界も悪い。

◆図J4
八戸JCTの線形、添付写真撮影位置、方向別交通量。

八戸JCT(青森県八戸市)
八戸道上り線(三沢方向)から八戸IC接続線合流部、八戸道上り線(安代方
向)を のぞむ。
(2005年7月18日、著者撮影。)
 ここで、東北道からはずれて八戸道の終点付近のジャンクションについて確認
す る。(◆図J4を参照。)
 八戸JCTは、さらに三陸道(八戸久慈自動車道)が接続して完成する。

続く