ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

佐賀県が注目されている 4




◆地図2
伊万里港臨港道路位置図(広域)
 伊万里港臨港道路を経由することにより、複数の国道が集中する伊万里BPを
回避 できるのは、東側は福島町、肥前町、玄海町、鎮西町くらいである。唐津
へは内陸の 国道202号の方が便利である。西側は松浦市、平戸市などが恩恵
を受けそうだ。伊 万里BPがパンクすれば、佐世保、武雄などから日本海沿岸
の各地へのリンクの迂回 路にもなる。これは、伊万里BPのパンクが前提だ
が、フル規格化されたばかりなの で当分問題ないだろう。

 さらに西九州自動車道が開通すれば、渋滞の可能性は皆無になる?
本件についてはとても肯定できない。西九州自動車道は福岡市の福重JCTから
唐津 を経て伊万里には東側から侵入するが、そこから最終目的地の佐世保方面
には松浦、 江迎、佐々と北松浦半島の諸都市を順につないで遠回りをする。伊
万里から佐世保へ は、国道202号で西有田を経由して佐世保三川内ICから
西九州自動車道(武雄佐 世保道路)を経由するルートが最短である。

 伊万里から松浦経由の西九州自動車道が 全通しても、このルートの方が早い
と考えられる。また、国道498号から国見道路 で山越えをするルートも便利
である。さすがにカーブや急坂の多い山岳ルートなので 西九州道よりは時間が
かかると考えられるが、通行料金の差異を納得させるほど早く はない。

 つまり、西九州自動車道は伊万里以東、および佐世保以東と北松浦半島の諸都
市と のリンク用に設定されているのである。伊万里から放射方向において交通
量が多いの は唐津方面、武雄方面、およびR202の佐世保方面である。敢え
て需要の少ない方 向への高速道路の設定である。これは東九州自動車道の清武
JCTと加治木JCTの 間の奇妙な線形と良く似ている。いずれも全区間を通
して利用するリンクは対象にし ていないかのような大きなS字を描いている。
 ここで、いかにも典型的な政治路線について批判するつもりはない。

 問題は、北松浦半島沿岸に高速道路が設置されれば、伊万里港臨港道路を利用
する機 会を失ってしまうということである。先述のように臨港道路の東側の東
松浦半島の諸 都市には大きな需要が見あたらない。西側の需要に頼るしかな
い。その決して多くは ない西側の需要を西九州自動車道と分け合ったら、伊万
里市を通過するリンクで臨港 道路を通過する機会はほとんどない。

 現状の伊万里港湾関係のリンクだけのローカル利用のみでは、いかにももった
いな い。4車線のフル規格に改造する機会はないと断言できる。それならば、
なぜ最初か ら2車線で施工しなかったのだろうか。総建設費は230億円であ
る。2車線にすれ ば半分になるとは言えないが、たとえ同額だとしても利用す
る可能性の低いインフラ を整備するのは無駄である。構造上、この形式のロー
ゼ橋ではある程度幅が必要だっ たのならば、高知港の浦戸大橋のようなコンク
リート橋で良い。

 現状のままでは、伊万里湾大橋の北半分は使われない社会資本になってしま
う。当 方はこのようなケースを単に批判することはしない。何らかのかたちで
利用するかた ちにすれば良いと考える。妙案はないものだろうか。

続く