ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

あわただしい道路3



【天保山】

 阪神高速16号大阪港線の天保山R分流(出口)と湾岸線神戸方面の天保山
JCT 分流の近接は際だっている。天保山Rの分流端と天保山JCTのテーパ
(減速車線の 始まり)端は一致しているのだ。(◆写真9を参照。)
 分流位置は、本稿ではテーパに達したときとしているため、天保山R分流の減
速車 線端と天保山JCTのそれは5秒の差異があることになる。(◆地図1を参
照。)

 5秒の近接は、前項の楠JCTにおける東名阪道西行きと同じだが、走行速度
が後 者は1.5倍程度上回るので、構造上は天保山の方がはるかにせせこまし
い。さらに 16号大阪港線の当該区間はダブルデッキの下層にあたるので視界
が悪く、きつい左 カーブの途中における右分岐の連続なので条件は良くない。
また、休日には天保山R 出口は海遊館に向かう車両で渋滞することがある。こ
の渋滞はときには本線に及び、 神戸方面への分流位置の判断は難しくなる。さ
らに、特異な休日には神戸方面はUS J(ユニバーサルスタジオジャパン)に
向かう車両で渋滞することがある。この場合 は、16号大阪港線本線の渋滞列
は環状線に至ることもある。

 これらの条件から見て、かなり緊張を強いられることがわかると思うが、もう
ひと つ天保山JCT分流には構造上の問題がある。16号本線から分流して右
カーブで5 号湾岸線本線に向かうが、5号線との合流地点の安治川橋は高い位
置にあるため、亘 り線はきつい上り勾配になっている。普通車、バスなどには
支障はないが、重貨物車 には減速が強いられる。そのためスムースにカーブを
走行していたら突然低速車両が 現れることがある。気づくのが遅ければ低速車
に追突するか、急減速すれば後続車に 追突される。亘り線は本線同士のランプ
なので2車線分の幅を確保しているが、1車 線だけが走行できるように絞って
いる。危険防止のため2車線の全面開放がのぞまれる。

◆写真9
大阪市港区港晴5
天保山R、JCT
阪神高速16号大阪港線西行きから天保山R(出口)の分流部、および、湾岸線
西行 きへの分流部をのぞむ。
(2005年5月4日、著者撮影。)

◆地図1
天保山R、JCTの分流パターン。
阪神高速16号大阪港線西行きの天保山出口、湾岸線西行きへの分流における時差。
 緊張が強いられる分流としては天保山で十分だろう。しかし、あわただしいと
いう 形容には何かが足りない気がする。天保山は短区間に分流が連続し、分流
交通も多く 遭遇機会は多いが、わずかに2回の連続である。やはり、緊張して
いる時間がある程 度長い区間があわただしいと言えるのではないだろうか。

続く