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都心に近いエリアに設置されるジャンクションでも道路用地を確保するのは決 して 容易ではない。大規模な開発に組み込まなければ理想的なかたちのジャン クションは 設置できない。◆地図(国内)1は、浦安市のクローバー型のイン ターチェンジであ る。浦安インターチェンジも一般道路同士の結節点である。 旧市街沖に造成された埋 め立て地に広大な道路用地が組み込まれた例である。 国内の都市部のジャンクション構造は、都心と郊外では全く異なる。同じ性能 のジ ャンクションを構築するとき、要する面積は同じである。平面で用地を確 保すること のできない都心において面積を確保するため、構造物を何層にも積 み上げて空中に面 積を確保する。都心のジャンクションは、ここに集まる道路 から見ればピラミッドの ように盛り上がっている。沿道市街地がさらに高層で 囲むため威圧感は軽減される が、平面から見上げればアンバランスな構造物の 威圧感は都市景観そのものと言える インパクトがある。 首都高速道路などの都市高速道路と、東名高速道路などの都市間高速道路が全 く異 なる構造であることに気づくと思う。前者は構造物の連続で、後者は土工 が主体にな っている。既存市街地に無理に組み込まれた場合は構造物が連続す ることは理解でき るが、全区間に適用すべきとは思えない。道路規格そのもの が異なるため構造が異な るのは当然かもしれないが、都市高速道路は無理に構 造物を連続させているようだ。 国内では阪神高速北神戸線と北九州高速4号線以外では、堀割(および平 面)と高架 の移行区間くらいにしか土工区間は存在しない。都心に土工区間を 推奨しているわけ ではないが、多層構造の高架(および地下)の建設費は膨大 なものになる。また、交 通需要の変化による構造変更時にアンバランスな構造 を追加することになる。管理主 体により基本構造を固定するのではなく、沿道 の状況に応じてベストな構造にすべき だろう。 本報告では、パリ市の環状道路ペリフェリックの結節点の構造を紹介する。パ リ都 心から北西にシャンゼリゼ通りの延長上で副都心デファンスを結ぶ幹線道 路との結節 点ポルト・マイヨである。ペリフェリックにはほかにも多くの放射 道路との結節点が あるが、ポルト・マイヨはおおむね一般的な構造である。 【パリの結節点】 パリの都心は古くからシテ島の北側である。放射幹線道路(一般道路)はすべ てが 集まる。高速道路はここを中心として半径5キロの周回道路ペリフェリッ クに接続し て、その内側にはA4(ドイツのマンハイム方面につながる高速道 路)の延伸線を除 いて、内側の市街地には侵入しない。延伸線はセーヌ川右岸 道路に連続しているだけ で、決して高速道路が直通しているわけではない。右 岸道路は河川敷を利用したり、 独自にアンダーパスを設置したりして、幹線道 路とは立体交差になっている。因み に、ダイアナ元妃が激突死したアルマトン ネルは、右岸道路がマルソー通りとの交差 点をくぐるアンダーパスである。マ ルソー通りは凱旋門から南に向かう放射道路である。 |
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