ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

本四連絡橋のルート選択9



(2)通行料金
 通行料金は、高速道路の管轄の違いにより異なり、長距離逓減制などの複雑な
シス テムで決められているので、距離のような絶対値ではなく、理不尽な大回
りでも安く なることがある。また、各ルートには無料で通行できる区間も多数
含まれている。無 料区間が長いほど安いはずであるが、必ずしもそうとは言え
ないケースもある。

 極論として、瀬戸大橋の最短区間である岡山県の児島ICと香川県の坂出北
ICの 間だけ有料区間を利用して、本州、四国の全線で一般道路を利用すれば
最も安くなる が、あまり現実的ではない。なるべく自動車専用道路を利用し
て、なるべく早く楽に 到達できるルートを対象とする。

 最初に結果を◆地図6に示す。四国のどこに向かうかによって料金が安くなる
ルー トが異なることがわかる。点線で示した区間は、点線上のインターチェン
ジまでの利 用には不利で、点線の途上または先にある赤丸のインターチェンジ
までの利用には有 効という意味である。

 また、赤丸のインターチェンジには実線のルートも重複してい るが、これは
いずれのルートでも同じ料金という意味である。松山自動車道の新居浜 IC
は、明石海峡ルート(青線)でも瀬戸大橋ルート(緑線)でも通行料金は同じで
ある。また、高松自動車道のさぬき三木ICと高松檀紙ICは鳴門方面のみに連
絡す るハーフインターチェンジなので、道路構造上瀬戸大橋ルートは利用でき
ない。した がって、この2箇所のみは明石海峡ルートが安く、点線の上の板野
ICまでのほかの インターチェンジまでは瀬戸大橋ルートが安い。

◆地図6
名古屋ICから四国各地への通行料金が最小になる箇所と、そのルートを表す。
高松自動車道のさぬき三木ICと高松檀紙ICは、徳島方向のみと相互連絡する
ハー フインターなので、「阪高、須磨ルート」の方が安くなる。また、松山自
動車道の新 居浜ICは「近畿、瀬戸大橋ルート」「阪高、須磨ルート」のいず
れも同額になる。



◆表2
名古屋ICから高知IC、松山IC、高松中央ICへのルート別の通行料金一覧。
通行料金が安い順にソートしている。
 すべてのルートの本州内のルートは、名阪ルートを利用している。長距離逓減
制が 効いて安くなるとしても、名阪国道の無料区間(亀山ICと天理ICの間
の73.3 キロ)は大きく影響する。このルートには、ほかに東名阪自動車道
の名古屋ICと名 古屋西ICの間と西名阪自動車道の天理ICと松原ICの間
に均一料金区間が3区間 ある。均一区間は全線を利用した場合は普通料金より
安くなるのが常である。もちろ ん、このルートではすべて全区間利用である。
しかし、安くなると言っても、これは あくまでも均一料金区間だけを利用した
ケースで、3区間を連続して利用した場合は そうでもない。

続く