ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

本四連絡橋のルート選択7



4ー3)四国側
 四国の高速道路は当初は「X」状に計画された。端部は、徳島県徳島市、香川
県高 松市、高知県須崎市、愛媛県宇和島市で、県庁所在地を含む四国全県の主
要都市には 到達していた。この計画がほぼ実現して、各端部を結んで「∞」状に
すべく施工区間 が追加された。2004年2月現在、高松自動車道が全通して
「X」の上側の端部が 塞がっている。

 本報告では関西以東との本四ルートの分析なので、東西方向の複数ルートが基
本に なる。

徳島県内を横断して川之江東JCTで高知自動車道に至る「徳島ルート」は、神
戸淡 路鳴門自動車道を鳴門ICで降りて、一般国道11号を8.5キロ南進し
た徳島IC が起点になる。なお、この区間の通過時間は13分としているが、
渋滞多発区間なの で遅延する可能性がある。

 神戸淡路鳴門自動車道から鳴門ICを過ぎて道なりに西進するのが高松自動車
道「高 松ルート」で、香川県を横断して坂出JCTで松山自動車道に接続す
る。四国のター ミナルの一つである高松中央ICは高松ルートの途中にあるの
で、必然的に高松中央 ICへは高松ルートをたどることになる。

◆写真8
高松中央IC
(高速道路調査会発行「高速道路と自動車」2003年5月会報から引用。)

◆写真9
坂出JCT
左右方向は高松自動車道(左方向は高松方向、右方向は松山方向)である。
(高速道路調査会発行「高速道路と自動車」2003年10月会報から引用。)
 高知ICへは、高松ルートは川之江JCTで高知自動車道に亘る。徳島ルート
は川 之江東JCTで亘る。川之江JCTと川之江東JCTは近接(2.2キロ
で2分)し ているので、併せて4枝接続ジャンクションと言える。高松ルート
で鳴門ICと川之 江東JCTの通過時間は1時間37分、徳島ルートは1時間
25分(国道11号の通 過時間は13分、徳島自動車道は1時間12分)である。

 徳島ルートがほぼ直線であ るのに対して、高松ルートが北側に膨らんでいる
ことがわかる。高知方面へは徳島 ルートが有効と思えるが、このケースにおい
ても国道11号を挟む徳島ルートには長 距離逓減制が効いてくるので、通行料
金では高松ルートが有効になりそうである。

 松山ICへは、本四3ルートのすべての四国側接続点の西側に位置してため、
いず れも有効と考えられる。明石海峡大橋を渡った場合は、高松ルート、徳島
ルートのい ずれかを選択する。瀬戸大橋ルートは、坂出JCTで高松ルートに
合流する。西瀬戸 ルートは、いよ小松JCTで松山自動車道に合流する。つま
り、明石海峡大橋を渡る 場合以外は四国内のルートは一意に決まる。また、

 高松中央ICは坂出JCTよりも東に位置するので、一見すると明石海峡大橋
を渡 り高松ルートを経るのが順当のようだ。ところで、坂出JCTと高松中央
ICの離れ は23.1キロで17分である。吹田JCTと高松中央ICを直線
で結ぶと、瀬戸大 橋ルートは全区間が直線の北側に膨らむ。膨らみは平均で
20キロ程度である。明石 海峡大橋から高松ルートをたどると、ちょうど明石
海峡大橋で直線と交差する。明石 海峡大橋からは直線の南側に徐々に膨らん
で、鳴門IC付近で頂点になる。ここから 高松自動車道で徐々に直線に近づい
ていく。鳴門ICを頂点とする三角形のルートで ある。距離は高松ルートが短
そうだが、時間は微妙である。

 吹田JCTから中国自動車道、山陽自動車道を経て三木JCTで双方のルート
が分岐 するケースでは、瀬戸大橋ルートは全線が4車線以上のフル規格で、時
速80キロ以 上の高速走行が可能である。渋滞の可能性もほとんどない。明石
海峡ルートは、鳴門 ICまではフル規格だが、ここから高松自動車道で高松東
ICまでのほぼ全区間が2 車線の暫定対面通行なので、速度が抑制される。こ
のルートにでは、高松自動車道で の低速車や事故に起因する速度低下の可能性
はあるが、交通集中起因の渋滞が発生す る可能性はない。しかし、垂水JCT
まで須磨ルートをたどれば大きな遅延の可能性 がある。走行時間の算定は大雑
把には判定しにくい。

 また、通行料金も微妙である。先述のように日本道路公団管轄区間の連続利用
距離 が長いほど長距離逓減制が効いて安くなる。本四連絡橋の通行料金は高
い。これは橋 梁区間だけでなく、淡路島島内区間も同様である。本四公団管轄
区間はできるだけ短 い方が安くなる。神戸淡路鳴門自動車道は垂水JCTと鳴
門ICの間が80.2キ ロ、瀬戸中央自動車道は全区間が37.3キロで、料
金はそれぞれ5200円、41 00円である。

 この料金は、2003年7月1日以降の新特別料金における普通車の 現金支
払いの場合の料金である。本四債務負担軽減特措法の成立による1年間の暫定
的な割引料金だが、現況から判断して基本料金(それぞれ7250円、5700
円) には当面は戻さないと考えられる。どのみち、2004年7月1日には何
らかのかた ちで通行料金が変わるはずである。もし、料金が変わらなくても、
管轄側では「現状 維持(新特別料金の適用期間の延長)」という「変更」が実
施されていることになる。

◆写真10
川之江JCT
(高速道路調査会発行「高速道路と自動車」2003年10月会報から引用。)

◆写真11
石鎚山SA
松山自動車道上り線石鎚山SAからハイウエイオアシスアプローチをのぞむ。
(2003年4月29日、著者撮影。)
 高知IC(高知自動車道の川之江東JCT以南の全区間)へは、徳島ルート、
高松 ルート、瀬戸大橋ルートの3つの選択肢がある。
 松山IC(松山自動車道の川之江JCT以西の全区間)へも上記の3つの選択
肢が ある。いよ小松JCT以西は、さらに西瀬戸ルートを加えた4つの選択肢
がある。

続く