ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

本四連絡橋のルート選択4



(3)神戸ゾーン
 神戸ゾーンのルートは複雑である。阪高ルートや名神ルートで終点に至った場
合は 西宮JCTが基点になる。この場合は阪神高速3号神戸線をひたすら西進
するしかな ので、特に選択肢は考えない。※

 阪神高速3号神戸線を終点まで西進して、連続して須磨TBから第二神明道路
に至 る。高倉山TNを抜けて、垂水PA(パーキングエリア)を過ぎてすぐに
名谷JCT で阪神高速5号湾岸線に亘り、神戸淡路鳴門自動車道に接続する垂
水JCTまでの区 間を「須磨ルート」とする。

※阪神高速3号神戸線
 大阪から神戸に向かう場合は、阪神高速5号湾岸線を通過するルートもある。
行政 側は、ロードプライシングにより湾岸線への移行を進めているが、湾岸線
は六甲アイ ランドまでしか到達していないし、その先ポートアイランドまでは
神戸市港湾局管轄 のハーバーハイウエイでポートアイランドまで直通できるが
別料金なのでなかなか定 着しない。六甲アイランドの手前の住吉浜R(ラン
プ)から港湾幹線道路を経て、3 号神戸線へ無料の乗り継ぎが可能だが、一般
道路の通行時間が負担になり湾岸線への 移行はなかなか進まない。本報告では
本四間の長距離を対象としているので、ミクロ な区間での選択肢は対象としない。

◆地図4
神戸ゾーンの選択ルート図。
図中の所要時間は、須磨ルートは西宮JCTから垂水JCTまで、北神戸ルート
と神 戸西ルートはいずれも西宮山口JCTから垂水JCTまでの通過時間を記
している。
 須磨ルートの通過時間は32分としているが、この区間は全区間が渋滞多発区
間で 遅延の可能性が高い。西進の場合は芦屋TBをアタマにしたもの、生田川
R付近の交 通集中をアタマにしたもの、若宮の急カーブから月見山TNへの上
り坂、それに第二 神明道路の須磨TBをアタマにしたものに分割できる。断続
渋滞が連結して全区間が びっしりというケースも多い。東進の場合は須磨TB
をアタマにしたもの、摩耶R付 近の交通集中をアタマにしたものに分割でき
る。東進の方が少しは渋滞の可能性は少 ないが、いずれも60分以内で通過で
きたら御の字である。

◆写真4
阪神高速(3)神戸線、京橋R、PA
京橋PAから阪神高速神戸線大阪方向をのぞむ。阪神高速の奥の2層高架道路
は、一 般国道2号浜手BPである。
(2004年1月10日、著者撮影。)
 須磨ルートは阪神高速道路という都市高速道路を通過する。都市高速道路は出
入口 の間隔が短く、交通量が多くても渋滞は断続的であるケースが多いが、こ
の区間は全 区間を通過する交通が多いので、都市間高速道路のような渋滞パ
ターンになる傾向が ある。渋滞の可能性は少ないが、ひとたび渋滞するとその
列は長く、通過時間がかか るということである。この傾向に都市高速道路の渋
滞パターンが重なった特異な区間 である。

 この区間のほぼ中間点にある京橋PA(◆写真4)は、主として岡山、広島な
ど中 国地方のナンバーなど地元以外の車をよく見かける。これも都市間高速道
路のパーキ ングエリアの特徴を有している。

◆写真5
垂水IC、JCT
ジャンクションの左方向は阪神高速(5)湾岸線、奥方向は神戸淡路鳴門自動車
道の 舞子トンネルである。
(1998年6月23日、阪神高速道路公団発行「道夢(Vol.53)」から
引用。)
 吹田JCTから中国自動車道を経由して明石海峡ルートに至る場合、宝塚IC
以西 の名塩越えの山岳区間のピークでルート選択の機会が現れる。西宮山口
JCTであ る。そのまま中国自動車道で神戸JCTを経て山陽自動車道の三木
JCT※で神戸淡 路鳴門自動車道へ至る「神戸西ルート」と、阪神高速7号北神
戸線で布施畑JCTに 至る「北神戸ルート」である。

 いずれも渋滞の可能性はほとんどないので、距離の短い北神戸ルートの方が3
分ほ ど早い。通過時間だけならば、北神戸ルートが適当と言えるが、着眼点を
変えるとこ のルートにも若干の問題がある。先述のように高速自動車国道の通
行料金は長距離逓 減制で計算しているので、西宮山口JCTまでの走行距離が
阪神高速道路をはさむこ とによりご破算になるのである。布施畑JCTからは
本四公団管轄の神戸淡路鳴門自 動車道なので、どのみちご破算になると思うか
もしれないが、そうではない。日本道 路公団管轄区間は本四公団管轄区間を挟
んでも、2区間の道路公団管轄区間の走行距 離は合算して計算されるが、阪神
高速道路にはこのような仕組みが適用されない。

 つ まり、神戸西ルートは2区間合算が適用されるが、北神戸ルートには適用
されないの だ。通行料金の差異については後述するが、あらかじめ確認してお
かなければ後悔す ることになるかもしれない。また、神戸西ルートは全区間が
都市間高速道路なので時 速80キロ以上で走行できるが、北神戸ルートは都市
高速道路なので時速60キロに 制限されている。実際には交通量が少なく60
キロ以上で走行できる。本報告書に記 した所要時間も実走値を採用しているの
で、明らかに制限速度をオーバーした値にな っていることがある。

 この値は日本道路公団のWEBサイト「ハイウエイナビゲー タ」や、道路整
備促進期成同盟会全国協議会発行の「道路時刻表2003、2004 年版」を
参考にしている。ある意味一般的な値だが、速度違反には変わりないので走 行
時には留意が必要である。当方は生真面目な性格ではないが、道路をゆっくり見
た いのでなるべくゆっくり走行したいと思っている。それでも北神戸線はあま
りにも交 通量が少なく、ほかの車が早いのでどうしても時速80キロくらいに
なってしまう。 この速度では追い越される一方で、追い越す機会はない。その
くらいスムースなので ある。

 長距離走行であまり気を使わず運転したいならば、神戸西ルートが良いのかも
しれ ない。

※三木JCT
 正確には三木JCTから神戸西ICまでは日本道路公団管轄の山陽自動車道
で、神 戸西ICから明石海峡大橋を含む鳴門ICまでが神戸淡路鳴門自動車道
である。神戸 西ICに広大なTB(本線料金所)があり、管轄が変わることを
明示している。しか し、このTBは北行きのみが本四公団管轄区間の料金を支
払うバリアで、南行きは通 過する。感覚的には分岐とは言えないので、本報告
では便宜上、三木JCT以南を神 戸淡路鳴門自動車道と記載している。

続く