ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

本四連絡橋のルート選択3



(2)大阪ゾーン
 名阪ルートを西進して松原JCT(◆写真2)に到達すると、大阪市内の都心
部を 抜ける阪神高速道路を経由するルート(阪高ルート)と大阪市街を迂回す
る近畿自動 車道を経由するルート(近畿ルート)の選択に迫られる。
阪高ルートは、阪神高速14号松原線、1号環状線、16号大阪港線、3号神戸
線を 経て、西宮JCTで名神ルートの終点に到達する。このルートは、このま
ま3号神戸 線を西進して神戸市内を抜けて、第二神明道路、阪神高速5号湾岸
線を経て垂水JC Tで神戸淡路鳴門自動車道に接続する。垂水JCTに立ち寄
らずそのまま第二神明道 路を西進して姫路から山陽自動車道を経て瀬戸大橋
ルートにも到達できるが、おおむ ね明石海峡ルートを利用するために利用され
るものと考える。

◆地図3
大阪ゾーンの選択ルート図。

◆写真2
松原JCT
ジャンクションの右方向は近畿自動車道、左方向は阪和自動車道、奥方向は阪神
高速 (14)松原線、手前方向は西名阪自動車道である。近畿自動車道と阪神
高速(1 4)松原線は連絡していない。
(1998年12月15日、阪神高速道路公団発行「道夢(Vol.56)」か
ら引 用。)
 近畿ルートは吹田JCT(◆写真3)で名神ルートに接続する。ここから中国
自動 車道を西進して神戸ゾーンに至り、本四3ルートのいずれにも有効なルー
トになる。 もちろん、吹田JCTから名神高速道路を西進して西宮JCTに至
れば、阪高ルート と同様のルート選択になる。なお、吹田JCTと西宮JCT
の間は17分で通過でき るので、近畿ルートと併せて41分で西宮JCTに至
る。つまり、かなり大回りにな るが、阪高ルートよりも3分早い。通行料金
は、阪高ルートは1200円(阪神東地 区700円+西地区500円)で、近
畿ルートは1300円(近畿自動車道500円 +名神高速道路800円)※であ
り、あまり負担にならない。しかし、あまり一般的 ではないので、本報告では
このルートは比較対象にはしない。

 つまり、近畿ルートは吹田JCTから中国自動車道を西進するルートのみを比
較対 象にする。ほかのルートにおいても、たとえ有効であっても一般的ではな
い大回りや 後戻りをするルートは対象にしない。

※近畿ルートの通行料金
 松原JCTから西宮JCTまでの通行料金は、確かに阪高ルートより100円
増し になるだけである。しかし、西宮JCTからさらに阪神高速3号神戸線を
西進する場 合には、阪神西地区500円が加算される。今回は本四間のルート
分析なので、近畿 ルートで大阪市街を迂回して阪神高速で神戸ゾーンに向かう
場合は600円増しにな る。標準所要時間で3分短縮するために600円の負
担は有効な投資とは思えない。

◆写真3
吹田IC、JCT
左右方向は名神高速道路、右手前方向は近畿自動車道、左奥方向は中国自動車道
である。
(高速道路調査会発行「高速道路と自動車」2003年9月会報から引用。)
 ところで、いずれのルートも渋滞多発区間を通過するので、所要時間が多くか
かる 可能性がある。
阪高ルートを西進する場合は、14号松原線のほぼ全線、および1号環状線で渋
滞す る可能性がある。所要時間は2倍以上になることもある。3号神戸線は西
宮JCTま ではおおむねスムースな場合が多いが、西宮JCTに近づくと芦屋
TB(本線料金 所)をアタマにした渋滞列に巻き込まれることがある。

東進する場合は、3号神戸線は淀川を渡ったあたりから都心まで渋滞すること可
能性 がある。1号環状線は時計回り一方通行なので西進ルートとは異なるルー
トになる。 1号環状線は周回路の西側(北行き)の渋滞が激しいが、東側(南
行き)は比較的ス ムースである。これは、西側は14号松原線、15号堺線の
交通が西横堀の16号大 阪港線の分岐まで分流することなく集中するためであ
る。1号環状線を一方通行にし たのは画期的で、首都高速のような道路構造に
起因する致命的な上り放射線の渋滞は 回避しているが、湊町(14号と15号
の合流地点)から西横堀(16号の分流地 点)までは例外である。ただし、合
流しても車線数は4車線なので、首都高速環状線 ほどの渋滞にはならない。
14号松原線はスムースだが、松原JCTに近づくと西名 阪自動車道の松原
TBをアタマにした渋滞列に巻き込まれることがある。

阪高ルートは西進、東進ともに都心に向かう区間と終点付近での料金所で渋滞す
る可 能性がある。しかも、この可能性はかなり高い。スムースな場合の所要時
間との差異 が大きいので、一概にどのくらい多めに見積もれば良いのか言いに
くい。それでも特 異日以外ならば50%くらい多くかかると考えていれば目安
になるだろう。

◆写真3ー1
吹田市千里万博公園
中央橋から吹田JCTをのぞむ。
中央の本線が名神高速道路へ直結する。側線が近畿自動車道へ直結する。高速道
路を 挟むのは大阪府道2号大阪中央環状線で、これらをオーバークロスする高
架線は、大 阪モノレール彩都線である。
(1998年10月3日、著者撮影。)
 近畿ルートは大阪市街を周回する大阪中央環状線と並行する高速道路を経由す
るも ので、東京ならば東京外環自動車道にあたるものである。大回りだが、大
阪市街を貫 通するよりは高速で通過できるはずである。ところが、近畿自動車
道は開通経緯によ り道路の規格が異なる。開通が早い北側の吹田JCTに近い
区間は4車線で路肩も狭 く、交通容量が大きくない。松原JCTから東大阪北
ICまでが6車線で、ここから 吹田JCTまでは4車線である。渋滞対策で一
部区間を片側3車線に拡幅している が、半端な対策であるため抜本的な渋滞解
消には至っていない。

 松原JCTから吹田JCTに向かう場合は、吹田JCTをアタマにした渋滞が
摂津南 IC付近までつながる。特異日には東大阪JCTまでびっしりというこ
ともある。こ の渋滞は致命的で、通過には相当な時間がかかる。これは、阪高
ルートの渋滞よりも 性質が悪い。スムースな場合の通過時間は24分だが、
90分以上かかることもある。

反対に吹田JCTから松原JCTに向かう場合は、阪高ルートの東進と同様に西
名阪 自動車道の松原TBをアタマにした渋滞列が長原IC付近までつながるこ
とがある。 ほかの区間ではおおむねスムースに流れている。先述のように近畿
自動車道は東大阪 北ICで車線数が変わるので、北行き(松原JCTから吹田
JCTへ向かう場合)は 道路が狭くなることになるが、逆方向は道路が広くな
るという単純な構造に起因して いると考えられる。

 全区間が6車線に拡幅されれば渋滞解消を実現することができる と思うが、
近畿自動車道は一般道路の大阪中央環状線に挟まれているので、道路用地 を確
保することが難しい。なお、大阪中央環状線を含む道路用地の幅は、門真IC以
北と以南で異なる。門真IC以北は4車線の近畿自動車道と4車線の大阪中央環
状線 本線と4車線の側線の併せて12車線分がぎりぎりおさまっている。門真
IC以南は (東大阪北IC以南は)6車線の近畿自動車道と4車線(一部6車
線)の大阪中央環 状線本線と6車線の側線の併せて16車線に、さらに6車線
分の道路用地を確保して いる。

 需要のある区間には用地に余裕がなく、需要のない区間には十分な用地が余っ
ている。高度な市街地をはずれているが、市街化の進んだ区域に細長い空き地が
ある のだ。交通量の多い道路に挟まれた土地であるため利用が難しいが、一部
は倉庫や駐 車場として利用されている。なお、門真IC以北は京阪本線と交差
する門真市駅から 大阪モノレールの高架線が中央環状線の上空を通過してい
て、さらに狭く感じさせ る。大阪モノレールは門真以南の中央環状線にも設置
する計画はあるが、施工予定は ない。人も車も門真以北の区間には需要がある
ということだ。

阪高ルートは渋滞起因の遅延の確率は高いが、遅延は小さい。近畿ルートは遅延
の確 率は低いが、遅延は大きいということである。なお、近畿ルートの渋滞は
吹田JCT をアタマにしていると記したが、正確にはさらに西進した中国自動
車道の宝塚東TN をアタマにしたものである。最悪のケースでは東大阪JCT
から宝塚東TNまでの3 0キロがびっしりということになる。

 当方は、このルートをたどる予定で松原JCT から北上して、八尾TBの手
前で吹田JCTまで90分という案内板を見て東大阪南 ICで降りたことがあ
る。この先は大阪中央環状線を北上しても同じことなので、大 阪市内を複雑な
ルートをたどり神戸市に至った。松原JCTから90分くらいで神戸 市に到達
した。このとき、近畿自動車道の渋滞に巻き込まれたまま90分で吹田JC T
に到達しても、中国自動車道の渋滞に巻き込まれてさらに60分くらいはかかっ
た と思われる。

 いずれにしても、名阪ルートで最大の遅延ネックは大阪ゾーンの通過である。
阪高 ルート、近畿ルートともに一長一短で一概にはどちらが適当とは言えな
い。頑固に ルートを決めずに、松原JCTの手前の交通情報板を見逃さないよ
うに留意しておい た方がよいだろう。

続く