ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

阪神高速・第二環状線14



【7 阪神高速大和川線】
 大和川線は、堺市常磐町2から大和川左岸をスーパー堤防との一体構造で下流に進 
む。道路構造はおおむね淀川左岸線と同じである。

◆航空写真10
阪神高速大和川線
(堺市常磐町3)と(堺市浅香山町2)の間
 淀川左岸線は、淀川を横断する幹線道路とは海老江JCTで阪神高速3号神戸線お 
よび豊崎Rで新御堂筋の2箇所しか接続しない。第二阪神国道(R43)、国道2 
号、阪神高速11号池田線、国道176号の十三大橋(新十三大橋の都心方向からの 
大淀R入口は接続する)とは接続しない。
それに対して、大和川線は、大和川を横断する幹線道路の多くと接続する。

大阪府道28号大阪高石線(あびこ筋、ときはま線)とは、松原方面が常磐東R、三 
宝方面が常磐西Rで、併せてダイヤモンド型で全方向に接続する。常磐東Rは大和川 
左岸の吾彦大橋南詰に、常磐西Rは南側の西除川の万才橋南詰に接続する。(◆航空 
写真10の「阪神高速大和川線」のサインが指すあたりが吾彦大橋南詰である。万才 
橋はその下の短い橋である。)

常磐西Rの西側ではJR阪和線を挟んで阪神高速大阪泉北線へ大和川線双方向から直 
結する亘り線が設置される。これらの亘り線は大和川第二JCTと仮称されている。
大阪泉北線(◆航空写真10の橙線)は、頓挫しているが現在までに天王寺東Rから 
大和川第二JCTまでのルートが確定している。ここは堺市浅香山町で、「泉北」に 
はさらに南下しなければならない。

 泉北までのルートは構想線だが、ルートはある程度絞ることができる。大和川第二
JCTから南へ、大阪市内区間と同様にJR阪和線の敷地を共有して百舌鳥駅の先ま
で進む。ここから左にカーブして大阪府道34号堺狭山線の中央を進み、泉北高速鉄
道の深井駅の先で、既存の府道34号の自動車専用部に接続するルートである。自動
車専用部はすでに和泉中央まで開通している。

 この構想線も大阪市内区間と同様にJR阪和線と敷地を共有する区間に無理がある。 
堺市内も大阪市内と同様に住宅密集地を通過する。しかも三国ヶ丘駅のすぐ西側は仁 
徳天皇陵である。高架構造の高速道路の建設が容認されるはずがない。

 大阪泉北線の大和川第二JCT以南が構想線なので、大和川線の亘り線についても 
未定である。しかし、大和川線の大阪第二環状線としての役割を果たすためには以南 
への亘り線は必要である。つまり、大和川第二JCTは大和川線と大阪泉北線との4 
枝直結のフルジャンクションになると考えられるということだ。

 大阪泉北線はJR阪 
和線の高架のさらに上空を通過すると想定して、大和川第二JCTは計画されてい 
る。大和川線は大和川左岸のスーパー堤防内トンネル構造なので、亘り線は大阪泉北 
線との交差部のかなり手前で始まり地上にせり上がってくる。長い亘り線になるの 
で、沿道環境を無視すれば、この亘り線に大阪泉北線の泉北方面との亘り線を追加す 
ることは可能である。大阪泉北線本線と併せて3層構造の高架橋になる。先述のよう 
に大阪泉北線はJR阪和線の上空を通過するので、JR阪和線と併せて4層構造であ 
る。大和川には多数の橋脚が林立するだろう。無茶な計画である。説明のための図面 
を作ることすら無駄な気がする。

 なお、大和川第二JCTは「阪神高速道路公団法第30条第1項の規定による基本 
計画」には記載されていない。大阪泉北線は全線が事実上頓挫しているが、都市計画 
決定しているのは大和川右岸の大阪市住吉区の山之内Rまでである。大和川第二JC 
Tは構想にすぎないのだ。

続く