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◆図9 阪神高速大阪高槻線の構想線 |
文章が長くなるが、もう一つこの区間における構想について記す。かつては長柄東 から淀川を渡って郊外方面へ高槻市までの大阪高槻線の構想があった。阪急千里線の 東側からまっすぐ北上して東淀川区を貫通して神崎川を渡り、ここからはJR東海道 線の南側を大阪府道14号大阪高槻京都線に併設するかたちで建設されるものであ る。(◆図9を参照。) 高速道路の建設はその兆候も見えないが府道14号は着々と建設されている。200 4年3月現在は、東淀川区西淡路6の都市計画道路庄内新庄線との交差点から吹田市 岸部南3の阪急京都線の交差部の手前まで(1)、 府道147号正雀一津屋線との交 差点から大阪中央環状線の北大阪流通センタ ー西交差点まで(2)、 北大阪流通セン ター東交差点から国道170号(大阪外環状線)とのお高槻市 の辻子交差点まで (3)の3区間が開通している。 フル規格(中央分離帯のある4車線以上の幅員)で 完成しているのは(1)の神崎川橋梁区間、(2)の区間、および(3)の区間(茨 木市島の一部区間を除く)である。なお、(2)と(3)はいずれも大阪中央環状線 に接続しているが、府道14号を直通できないかたちに制御されているので分割し た。この交差点の制御は地図ではわかりにくいので留意しておく必要がある。(3) は中央環状線の双方向と連絡しているが、(2)は中央環状線北行き(内回り)しか 連絡していない。 府道14号東淀川方面へは、中央環状線北行きからの左折しか行け ない。また、府道14号からは中央環状線北行き千里方面への左折しかできない。 (2)の路線は構造的に道路事情に詳しくないドライバーの利用を敬遠しているのだ。 |
◆航空写真6 計画線 (大阪市城東区関目1)と(大阪市鶴見区緑地公園)の間 |
第二環状線の城東区、鶴見区のルートは明確である。都市計画道路都島茨田線に併 設される以外に道路用地は考えられない。2004年3月現在は、大阪内環状線(国 道479号)との内環万博口交差点から、大阪中央環状線との万博記念公園口交差点 までの区間がフル規格で開通している。広い中央分離帯に第二環状線は建設される。 内環万博口交差点以西は住宅密集地を通過するので、区画整理により道路用地を確 保していくことになるが、予定通りには進まない。◆航空写真6を見ても、開通済み の内環万博口以東とは対照的である。 内環万博口以東の開通区間は、花博通と呼ばれている。1990年に鶴見緑地で開 催された「国際花と緑の博覧会」に合わせて地下鉄鶴見緑地線の開通(2月)に続い て4月に開通した。花万博開催中は交通制御のため現在の鶴見緑地公園前交差点付近 は直通させずに曲折させていたが、閉会後は直通できる現在のかたちになった。 道路構造はトンネル構造が基本になると思われるが、城北運河の横断は果たしてト ンネルだろうか。花博通は、高架構造で建設しても沿道環境が確保できる十分な幅員 がある。バッファーゾーンを設置すれば高架構造でも可能である。少なくとも門真J CTは高架構造で、地下鉄鶴見緑地線が道路下を走る鶴見緑地公園前交差点付近まで は高架構造だろう。 ここから西の区間は地下に移行することもできる。地下構造物 は、内環万博口で建設中の内環状線下に建設中の地下鉄8号線(森小路大和川線)が ある。城北運河の西側の城東区関目3までは高架構造の方が建設面では都合が良いか もしれない。 ◆航空写真6を見ると、関目3までの区間の沿道は区画が大きいので、 再開発時の調整は案外スムースに進む可能性がある。 しかし、関目3以西はたとえバッファーゾーンを含む道路用地が確保できたとして もトンネル構造の方が適切だろう。 どのみち都市計画決定されるまではすべて憶測である。淀川左岸線3期のルートに ついては関心があるので、機会があれば本報告よりもミクロな視点でまとめたいと思う。 |
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