東海北陸自動車道の全通は2007年である。飛騨トンネルの工事進捗の度合いに
より前後することはあるが、施工命令(1993年11月19日)から14年もかか
る難工事は近年には珍しい。このようなケースは、この付近では中部縦貫自動車道の
安房トンネル以来である。
全通時にどのような宣伝をして利用促進をするのかわからない。ところで、これま
での各地における高速道路の開通時に、複数ルートの比較で有効性をアピールする
ケースは意外に少ない。
磐越自動車道の開通時に、東京と郡山JCTの間で常磐自動車道ルートと東北自動
車道ルートとの比較をした。また、大阪と郡山JCTの間で東京経由と北陸経由との
比較をした。いずれも、これまで利用されてきたルートの混雑解消のためのシフト促
進をのぞむものである。
ほかには、広島と山口の間で、中国自動車道ルートと山陽自動車道ルートとの比較
をした。中国自動車道ルートの方が先に開通したが、山陽自動車道ルートへのシフト
量が多すぎて、中国自動車道ルートへのカムバックをのぞむものである。
いずれの宣伝も果たして万人に浸透しているのだろうか。
鉄道のネットワークも複雑で、知らずに遠回りしているケースも多い。ところで、
鉄道の場合は線路を走る列車の優劣で利便性は決まる。名古屋から新潟へは、東京経
由で2つの新幹線を乗り継ぐルートが最も早い。まっすぐ長野県を抜けるルートが最
短であることはわかる。このルートには線路もある。それでも新幹線にはかなわな
い。(これは、時間の比較で、料金の比較では当然長野県を抜ける方が安い。)
高速道路の場合は、道路の規格が同じならば幹線、支線に関係なく一定の速度で走
行できる。距離が最短になるルートが最短時間になる。JHのWEBサイト(ハイウ
エイナビゲータ)や車載のカーナビで最短時間のルートは表示される。それでも最も
有利なルートへのシフトはスムースには進まないようだ。既成概念を覆すには地道な
情報提供だけでなく、思い切った対策を講じても良いのではないだろうか。
名神高速道路下り線を一宮JCTに向かうと東海北陸自動車道分岐には「高山、富
山」がガイドされている。全通後は、「金沢」を追加すればシフト量は多くなるよう
な気がする。
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