ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東名高速VS中央高速 8



 ところで、東名ルートと中央ルートはどのような用途に利用されているのだろう 
か。本報告はあくまでも東京と小牧以西を直通する利用者の分析に重きを置いている。

◆模式図1
小牧JCTの各亘り線の交通量。
2003年4月のデータを使用している。
 小牧JCTの名神高速方面からの分岐では、3台のうち1台が中央ルートへ、2台 
が東名ルートに分岐している。(◆模式図1)

 これだけで、東名ルートと中央ルートの選択比率を1:2とするのは乱暴である。 
しかし、各ルートともに全区間を通して利用する車両よりも圧倒的に短区間での利用 
が多い。すべての利用車両を合わせて観察しなければ実際の道路状況は把握できな 
い。まあ、1:2という比率は目安にはなるだろう。なぜか、小牧以東の東京までの 
全区間の交通量がこの比率になっている。つまり、各区間の交通量から全区間の通し 
利用分を敢えて抽出しなくてもある程度分析は可能なのである。

 東名ルートは、首都圏から静岡県を縦走して愛知県に至る。大きな分岐点は存在し 
ない。ところが、中央ルートには複数の分岐点が存在している。高井戸ICから、河 
口湖方面への分岐(大月JCT)、白根方面への分岐(双葉JCT)、長野自動車道 
方面への分岐(岡谷JCT)がある。各分岐点での本線通過比率は、高井戸ICから 
の下り線において、大月JCT73%、双葉JCT98%、岡谷JCT43%である。
小牧JCTからの上り線では岡谷JCT41%、双葉JCT96%、大月JCT90
%である。(◆模式図2、3、4)

高井戸方面から河口湖方面への大月JCT分岐の17%はやや大きいが、大月JC 
T、双葉JCTはいずれも本線通過比率が高い。

◆模式図2
大月JCTの各亘り線の交通量。
2003年4月のデータを使用している。

◆模式図3
双葉JCTの各亘り線の交通量。
2003年4月のデータを使用している。

◆模式図4
岡谷JCTの各亘り線の交通量。
2003年4月のデータを使用している。
 ところが、岡谷JCTは各方向ともに長野自動車道への分岐比率が本線通過比率を 
上回っている。分岐線が本線であるかのような利用形態の特異なジャンクションであ 
る。分岐線利用車は、中央ルートを首都圏および東海以西と信州方面を連絡するメイ 
ンルートとして活用していることになる。東名ルートとの比較では、岡谷JCTの本 
線通過交通だけを抽出すればよい。この交通には確実に全区間を通して利用する交通 
が含まれている。(◆グラフ1)

続く