中央自動車道の高井戸ICと八王子ICの間における均一料金区間が普通区間だっ
たらどうなるだろうか。この区間は25.8キロなので、普通区間ならば850円
(=(25.8キロ×24.6円/キロ)×1.05(消費税)+150円(ターミ
ナルチャージ))になる。均一料金の600円より250円も高くなる。
ところで、八王子以西に連続して利用する場合は、均一料金区間とは別に精算され
るためターミナルチャージを2回支払うことになる。それでもターミナルチャージ1
50円よりも、均一料金区間の浮いた料金250円の方が大きい。つまり、現状のま
まの設定の方がよいのだろうか。
中央ルートの料金設定について、いくつかのケースを想定してみた。
(下記の設定は、すべて高井戸ICと小牧ICの間(351.2キロ)を通して利
用した普通車を想定している。いずれも現行の通行料金7800円とは差異がある。)
(1) 均一区間の普通区間化
7750円
高井戸ICと八王子ICの間の均一料金区間が普通料金区間として、八王子以西の
区間と合わせて料金徴収されるケースである。均一料金区間は普通区間よりも割安な
ので、この想定では現状よりも高くなってしまうのではないだろうか。ところが、通
行料金は徴収ごとにターミナルチャージ150円が加算されるので、1回だけに絞れ
ば150円安くなる。また、長距離逓減制が効くので、均一料金区間25.8キロは
30%割引になる。したがって、普通区間化しても高くはならずに50円安くなる。
(ただし、50円は丸め込みの誤差範囲なので、実際には現状の7800円と変わら
ないと考えた方が良い。)
均一料金区間は現状のまま残しておいた方が有効と思われる。
また、均一料金区間の普通料金区間化によりこの区間の本線料金所、インターチェ
ンジの料金所で大規模な改修が必要になる。三鷹TBでは上り線のブース新設、各イ
ンターチェンジ(調布、国立府中、八王子)の出口でブースの新設、さらに八王子T
Bの撤去を実施しなければならない。開通当初は普通料金区間だったので、ある程度
ブース新設用地は残されているが、交通量の増大により均一料金区間化したのだか
ら、そのまま元に戻せば各料金所はパンクしてしまう。新たな道路用地の確保が強い
られる。あまり現実的な想定ではないようだ。
(2) 恵那山特別区間の普通区間化
7550円(=6950円+600円)
単に料金精算システムのプログラム変更だけで対応できる容易な想定である。利用
者には何の負担もなく単純に通行料金が安くなる。この料金は、50円の丸め込み誤
差を考慮すれば、東名ルートの7500円と同じ料金である。
(3) 全区間の普通区間化((1)+(2))
7400円
ターミナルチャージが1回だけになり、長距離逓減制が効くことにより最も安い料
金になる。この想定は(1)で説明したように道路本体の整備に大きな負担がかかる。
(4) 均一区間の大都市近郊区間化
7550円
この想定は、(3)のケースにおいて考えられる措置である。東京から放射状に延
びる高速道路は中央自動車道を除きすべての区間が大都市近郊区間に設定されてい
る。中央自動車道が均一料金区間でなくなれば、大都市近郊区間に設定される可能性
は高い。つまり、(3)のケースのより現実的な想定である。50円の丸め込み誤差
を考慮すれば、東名ルートの7500円と同じ料金である。
大都市近郊区間化されれば、均一料金区間として2回ターミナルチャージが課金さ
れても相殺されて同じ料金になってしまう。
道路管理者の負担が少なく、利用者にとってお得なのは(2)のケースと考えられる。
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