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◆図6 伊勢湾岸自動車道、名港トリトン区間の通行料金の解説 |
名港トリトンは一般有料道路で高速自動車国道ではない。前後の区間は高速自動車 国道である。したがって、名港トリトンを介する利用の場合は、この区間を除いた走 行距離に普通料金を乗じた高速自動車国道の通行料金に名港トリトンの通行料金が加 算されることになる。果たして、名港トリトンの通行料金はいくらになるのだろうか。 名港トリトン単独の通行料金は◆図6の料金表のようになっている。高速自動車国 道ではないので、◆表2の設定は適用されない。 ところで、名港トリトンの通行料金の設定については事実を確認していない。調査 せずに独自に求めてみた。名港トリトンの各区間の通行料金(y)と走行距離(x) が比例関係にあると仮定した。単位距離あたりの通行料金(a)、TC(ターミナル チャージ)にあたる基本料金(b)を当てはめると、 y = a × x + b という一次方程式が成立する。この方程式に、各区間の通行料金と距離を代入すると 下記のようになる。 250 = a × 1.7 + b 550 = a × 4.1 + b 850 = a × 6.1 + b 350 = a × 2.4 + b 600 = a × 4.4 + b 300 = a × 2.0 + b これらの6本の方程式から最小自乗法※1により、a、bを求める。 y = 132.74 × x + 25.379 したがって、単位距離あたりの通行料金は133円/km、TCは25円になる。こ れにより、名港トリトンを介して前後区間を走行したときに加算される通行料金は8 00円(6.1キロ×133円/キロの計算結果を50円単位に丸め込み)になる。 ※1 最小自乗法 数点のサンプルを直線近似したとき、この直線とサンプルの誤差自乗和の平均が最 小になるように直線の傾きと切片を求めるロジックである。数式は、代数、統計など 各種の書籍に記載されている。WEB上でも多数公開されている。 http://www.isc.meiji.ac.jp/~kobayashi/NP/NPmem009.pdf(このサイトがわかりや すいと思われる。) なお、EXCELで簡単に演算できるので、敢えて数式に代入して手計算する必要は ないだろう。 |
伊勢湾岸自動車道、名港トリトン区間の通行料金算定方法の解説 |
ところで、すでに現在(2003年7月)名港トリトンの前後区間は開通してい る。実際の料金設定はどうなっているのだろうか。 豊明ICと四日市東ICの間38.6キロの通行料金は1700円である。この 内、名港トリトン6.1キロ分を差し引いた32.5キロが高速自動車国道の通行料 金である。この区間は普通区間なので、32.5キロに24.6円を乗じて、TCを 加算して、消費税を乗じると1000円になる。したがって、名港トリトンの通行料 金は700円(=1700円ー1000円)になる。 名港トリトン単独の通行料金から想定した料金とは100円の格差が生じる。しか し、700円は実際の運用から求めた料金なので、こちらが正解と考えざるを得な い。この料金は、本報告の以降の記載においてキーになるので、冗長を承知で計算方 法を記した。 (→【キーポイント】名港トリトンの通行料金は700円と考える。) 最小自乗法による演算で、高速自動車国道の単位距離あたりの通行料金やTCも算 定できる。100キロ以内の普通区間のサンプルを20くらい代入すれば、24.6 円/キロ、150円に限りなく近い値が求められる。名港トリトンはサンプル数が6 しかないので確度は低い。案外、このような基準ではないのかもしれない。 3橋の通行料金をその長さから東大橋が250円、中央大橋が300円、西大橋が 300円とする。複数の橋を利用する場合は、各橋の通行料金を加算して50円を差 し引くと料金表が完成する。このような単純な算定なのかもしれない。ところで、3 橋すべてを利用するときも50円を差し引いているので、途中下車1回ならば料金は 変わらない。東海ICから飛島ICまで一気に走行すると850円だが、名港潮見I Cか名港中央ICで1回降りて、再度乗りなおしても850円である。3橋まとめて 利用するときは100円差し引いて800円にする方が良いと思える。 いずれにして も、これでも名港西大橋のみが単独で開通していたときの410円よりは安くなって いる。この設定が踏襲されていれば、全区間の通行料金は1200円くらいになって しまう。 【通行料金】 1) 2004年度までに開通 伊勢湾岸自動車道は順次開通延長を伸ばし、現在(2003年7月)までに豊明I Cから四日市JCTまで開通している。2003年度は、豊田南ICと豊明ICの間 が開通する予定で、2004年度には豊田JCTから豊田南ICまでの間が開通し て、伊勢湾岸自動車道の全区間が開通する予定である。この開通により東名高速道路 と東名阪自動車道が直結し、愛知県以東と三重県方面に短絡ルートが発生する。 |
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