例えば、東名高速道路の岡崎ICから東名阪自動車道の四日市東ICに行く場合、
東名高速道路と東名阪自動車道の均一区間(名古屋ICから名古屋西JCTまで)の
料金を名古屋ICで支払って、四日市東ICで名古屋西JCTからの料金を支払うこ
とになる。もし、一つの区間ならばTC(ターミナルチャージ)は1回だけしか加算
されないのに、3回加算されて割高な感じがする。ところが、均一区間がお得なので
結局安くなっている。このルートの通行料金は2300円(東名高速1000円+東
名阪均一区間500円+東名阪800円)だが、全区間が1本の普通区間ならば23
50円になる。
ほかに、長距離逓減制という割引制度がある。これは、総走行距離が100キロ以
上の場合は、200キロまでの分を25%割引し、200キロ以上の分を30%割引
するものである。総走行距離は、特定区間を含む。また、高速道路と並行する一般有
料道路(広島岩国道路、伊勢湾岸自動車道)や本四連絡道を介した場合は、前後区間
の総延長を1区間として取り扱う。
長距離逓減制の例として、東名高速道路の東京ICと名古屋ICの間の料金設定につ
いて記す。
総延長は325.5キロで、東京ICから厚木ICまでの35.0キロが大都市近
郊特定区間である。総延長の200キロ超分の125.5キロは30%割引、100
キロ超分は25%割引になる。100キロまでの分で大都市近郊特定区間の35.0
キロを除く65.0キロが割引のない普通区間になる。
大都市近郊特定区間の料金は、35.0キロ×29.52円/キロで求める。
普通区間の料金は、(125.5キロ×0.7+100キロ×0.75+65キ
ロ)×24.6円/キロで求める。これらにTC(ターミナルチャージ)150円を
加算して、消費税1.05を掛けて、50円単位に丸め込む。この区間の通行料金は
7100円だが、全区間が普通区間ならば6950円になる。また、長距離逓減制が
実施されなければ(全区間普通区間ならば)8550円になる。
次に、高速道路と並行する一般有料道路を介する場合について記す。
伊勢湾岸自動車道は、先述のように当初は東海道のメインルートとしての位置付け
ではなく、単に名古屋市の港湾部を横断する名古屋環状2号の一部として計画され
た。後に、名古屋市を周回するだけではなく東西方向に延長して重交通の名四国道
(R23)のバイパスに拡大した。さらに、高速道路に接続させるため両端を延長し
た。
この時点で現在の伊勢湾岸自動車道の全区間が成立した。東海地区のローカル
ルートに過ぎなかったが、名古屋港横断区間から順次着手していった。この着手は日
本道路公団管轄の一般有料道路で、高速自動車国道ではなかった。
(なお、伊勢湾岸自動車道の名古屋港横断区間は「名港トリトン」という愛称が付け
られているので、以降の記載ではこの愛称を使用する。この区間は東から東海IC、
名港潮見IC、名港中央IC、飛島ICの6.1キロで、各インターチェンジの間に
は長大スパンの斜張橋が架橋されている。名港東大橋、名港中央大橋、名港西大橋の
3橋は、それぞれ青、白、赤で塗装されていて、3橋合わせてトリコロールカラーに
なっている。東海地区は通過交通にとってはアクセントのない単調な区間と言われて
いる。退屈から誘発される居眠りに起因する交通事故が多発している。このような事
故は、かつては静岡県内で多発していたが、トラック輸送範囲の拡大で東海地区にず
れてきている。名港トリトンは通過交通にはかなりインパクトのあるランドマークに
なるはずである。名港中央IC付近には極端に高い塔を設置する計画もある。)
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