◆図1
伊勢湾岸自動車道、第二名神高速道路路線図
|
名阪間の高速道路の各区間の距離は◆図2のようになっている。順次開通ごとに既
存区間に対して短絡区間が生み出されることがわかる。次に各区間について説明す
る。なお、区間はジャンクション同士の延長を基準にしている。
|
◆図3
豊田JCTと四日市JCTの間の路線図
|
2004年度までに開通する伊勢湾岸自動車道により、豊田JCTと四日市JCT
の間は20.9キロ短縮される。既存開通区間は、ほぼ全区間が渋滞多発区間で、特
に名古屋ICと名古屋西ICの間は道路構造上においても名古屋の都市高速道路とい
う位置付けなので、迂回効果は極めて大きい。(◆図3)
|
◆図4
豊田JCTと草津JCTの間の路線図
|
2005年度以降に開通する第二名神高速道路の亀山東JCTと草津JCTの間
は、名神高速道路経由よりも33.4キロ短縮される。(◆図4)
四日市JCTと亀山JCTの間の開通は2008年度以降と考えられるが、この区
間は東名阪道経由よりも0.8キロほど長くなる。そのため、全線第二名神高速道路
経由の短縮は32.6キロになる。第二名神高速道路は東名阪自動車道よりも高規格
なので、実走には全く影響のない距離である。むしろ早くなるが、料金計算の都合
で、敢えて正確に記した。
この図では、名古屋ICから東名阪自動車道で名古屋西JCTを経るルートを想定
していない。このころには伊勢湾岸自動車道が全通しているので、敢えて大回りにな
る名古屋IC経由は想定対象外とした。
|
◆図5
豊田JCTと高槻第二JCTの間の路線図
|
2006年度以降に開通する第二名神高速道路の大津JCTと高槻JCTの間は、
名神高速道路経由よりも35.2キロ短縮される。(◆図5)
この図では、大津JCTから草津JCTへ連結線を経て名神高速道路に至るルート
を想定していない。大津JCTと草津JCTの間は3.6キロで、このルートでは高
槻第二JCTまで1.8キロ長くなる。第二名神高速道路の大津JCTと高槻第二J
CTの間で走行速度に影響する交通規制が実施されない限り、草津JCT経由を選択
する理由はない。それに、草津JCT経由の評価は、◆図4と同じ評価(33.4キ
ロの短縮)になるので、このルートは想定対象外とした
|
◆表2
高速自動車国道の通行料金算定方法一覧
|
各区間の距離にこだわったのは、通行料金は距離で決まるからである。(◆表2)
一読しただけではわかりにくいかもしれないが、これが高速自動車国道の料金設定
である。前提として、以降の記載では普通車の通行料金を記す。(他の区分の通行料
金は、普通車の通行料金を単純に係数倍したものになる。普通車の通行料金を1とす
ると、軽自動車などは0.8、中型車は1.2、大型車は1.65、特大車は2.7
5である。)
料金設定にはいくつかの基準があるが、基礎になっているのが対距離制料金であ
る。1キロあたりの通行料金は24.6円に設定されている。また、インターチェン
ジ(料金所)利用料金として一律に150円が加算される。この基本料金はターミナ
ルチャージ(TC)と呼ばれる。走行距離を24.6倍した料金にTCを加算して消
費税(1.05)を掛けたものが通行料金になる。なお、料金は50円単位なので、
端数を24捨25入で丸め込む。
【通行料金】=(【距離】km×24.6円/km+150円(TC))×1.0
5(消費税)
(右辺は24捨25入で50円単位に丸め込む。)
おおむね、上記の式で算定できる。以下に例外処理を記す。
特定料金が課される区間がある。これらには、建設費用が多く、その償却のため割
高にしている区間として、関門特定区間、恵那山特定区間、関越特定区間がある。そ
の名称の通りに「関門橋」「恵那山TN(トンネル)」「関越TN」を通過する区間
の単位料金を高めにしている。関門橋が64円、トンネルはいずれも39.36円で
ある。次に保守費用が多い重交通区間として、大都市近郊区間がある。
東京から放射
状に30から40キロ程度の区間、および京阪神区間である。いずれも29.52円
に設定している。一見、普通区間の26.4円と変わらないように見えるが、距離が
長いので案外効いてくる。例えば、東名高速道路の東京ICと厚木ICの間35キロ
は1250円だが、普通区間と想定すれば1050円である。湾岸市川ICから成田
空港までは1650円だが、普通区間と想定すれば1300円である。
ここまでの設定は、基本料金よりの高くなるものである。
以下の設定はすべて、基本料金よりも安くなる。
閑散区間の利用促進のために安い設定にしている区間として、沖縄、道東、山形の
3つの自動車道で実施されている。割引率は一定ではなく、沖縄自動車道は特に安く
なっている。許田ICと石川ICの間は450円だが、普通区間と想定すれば850
円である。
次に、交通量が多くインターチェンジ間隔の短い区間で均一料金が設定されてい
る。これは料金所での収受時間を短縮するための設定で、都市高速道路と同じシステ
ムである。これらの区間は、全区間を利用すれば普通区間よりも安くなっている。た
とえば、東名阪自動車道の名古屋ICと名古屋西JCTの間は500円均一だが、全
区間27.4キロを走行すれば、普通区間ならば850円かかることになる。
(◆表1では、名古屋ICと名古屋西JCTの間が28.2キロと記されているが、
これは名古屋IC内や名古屋西JCT内のランプ区間の延長も含まれているためであ
る。実走行距離ではなく、課金対象区間としての27.4キロを採用した。なお、こ
れらの区間は、接続する東名高速道路や東名阪自動車道の距離に加算した。)
|
|