ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

伊勢湾岸1



名阪間の高速道路通行料金

【開通状況】
 1963年7月16日、名神高速道路の栗東IC(インターチェンジ)と尼崎IC 
の間71.1キロが開通して、今年は40周年を迎えた。当該区間のPA(パーキン 
グエリア)、SA(サービスエリア)では安価な飲食メニューを設定したりしていろ 
いろとイベントが催される。これは日本の高速道路が40周年を迎えたということで 
ある。初期の開通区間は開通直後に需要が見込める区間が多く、くだんの名神高速道 
路は開通当時の原型を留めている箇所は少ない。料金所増設やランプの拡幅はほとん 
どのインターチェンジで実施されている。また、本線も今須区間の線形変更や、栗東 
ICと瀬田東ICの間、および京都南ICと吹田JCTの間の拡幅が実施されてい 
る。交通量は開通から10年以内の1970年頃にはすでに全線で設計交通量を上回 
った。

 その後、1973年ころのオイルショックの時期を除き、交通量は増え続けた。こ 
の10年は景気低迷により安定しているが、道路の規格に対して交通量が多すぎるこ 
とには変わりがない。そのため、抜本的な対策として2本目の名神高速道路が計画さ 
れた。この計画は、2本目の東名高速道路と連結して、東京と大阪を結ぶ画期的なバ 
イパスとして位置づけられた。

 この新たな大動脈の内、名古屋を迂回する区間については、伊勢湾岸自動車道とし 
て早くから計画されていた。1985年3月20日に名古屋港内の名港中央ICと飛 
島ICの間2.0キロが開通し、順次延長を伸ばし、今年度(2003年度)には豊 
田南ICと四日市JCTまでが直通できるようになる。2004年度には、豊田JC 
T(ジャンクション)までの全線が開通する見込みである。東名高速道路と三重県方 
面が極端に近くなる。

 伊勢湾岸自動車道としてのミッションは、これで果たしたことになるが、これはプ 
ロローグに過ぎない。第二東名高速道路、第二名神高速道路が直通するようになれ 
ば、東海道のメインルートになるはずである。本報告では、これらの高速道路ネット 
ワークの内、名阪(名古屋と大阪)間に着目した。高規格道路の開通により時間が短 
縮されるだけでなく、距離も短縮される。ところで、通行料金は距離に比例してい 
る。料金設定の取り扱いについて考えてみた。

◆図1
伊勢湾岸自動車道、第二名神高速道路路線図
 名阪間の高速道路路線は◆図1のようになっている。(表記の都合により、◆図1 
は上が東、右が南に、90度反時計回りに回転して表示している。)第二東名高速道 
路は、豊田JCTで東名高速道路とクロスして、伊勢湾岸自動車道に直通する。名古 
屋市南部の湾岸エリアを通過して、市街地を迂回する。四日市JCTで三重県を縦走 
する東名阪自動車道とクロスする。さらに第二名神高速道路に直通して、鈴鹿山系を 
貫通して滋賀県に入り、市街地を避けて丘陵部を通過して大津へ短絡する。

 ここから 
京滋BP(バイパス)のさらに南側の山間部を貫通して城陽から高槻に至る。高槻で 
ロングランプを経て名神高速道路とクロスする。高槻からは箕面の森の北側を通過し 
て神戸JCTで山陽自動車道、中国自動車道と接続する。山陽自動車道は道なりに進 
めば第二名神高速道路に直通する線形になっている。

 これらの路線は、同時にすべて開通するわけではない。名古屋側から順次開通して 
いく。開通時期はあくまでも予定なので、若干の遅延はあるかもしれない。それで 
も、現在の工事進捗状況を目安にしているので、少なくとも開通順位が変わることは 
ないと思う。

 現在(2003年7月)の進捗状況は、伊勢湾岸自動車道の残区間(豊田JCTと 
豊明ICの間)は進捗段階6で、予定通り2年以内に開通すると考えられる。第二名 
神高速道路は、各区間により進捗段階は異なる。亀山東JCTと草津JCTの間(亀 
山東JCTと亀山JCTの間、および大津JCTと草津JCTの間は連結線)は進捗 
段階6である。四日市JCTと菰野ICの間、および大津JCTと高槻JCTの間は 
進捗段階2である。

 ところで、進捗段階6は土工工事中で、後は舗装工事と施設工事のみである。進捗 
段階2は路線測量中で、この後、設計協議、詳細設計、用地買収を経て、やっと実際 
の工事に着手できる。数年内での開通は見込めない。場合によっては計画倒れになる 
こともある。
 なお、第二名神高速道路の菰野ICと亀山JCTの間は、進捗段階0で概略設計す 
ら実施されていない。当面は、東名阪自動車道と連結線で代用することになる。(◆ 
表1)

◆表1
第二名神高速道路の工事進捗状況
 これらの進捗状況から、2004年度までに伊勢湾岸自動車道全通、2005年度 
以降に第二名神高速道路の亀山東JCTと草津JCTの間が開通、2006年度以降 
に大津JCTと高槻JCTの間が開通、2008年度以降に四日市JCTと亀山JC 
Tの間が開通すると想定した。

(高槻JCTは、正確には第二名神高速道路が第一JCTで、名神高速道路が第二J 
CTである。第一と第二の間2.0キロは連結線になる。短区間なので便宜上、高槻 
JCTとして一括りで取り扱う。なお、連結線には一般道路と接続する高槻ICが設 
置される。高槻IC、JCTとして一括りにしても良いかもしれない。)

続く