ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

伊勢湾岸10



  大津JCTから城陽IC、JCTまでは山岳ルートだが、ここから高槻第一JCT 
の手前の淀川オーバークロス部までは平野部を通過する。城陽JCTで京奈和自動車 
道と直結し、八幡JCTで第二京阪自動車道と直結する。いずれも一般道路との出入 
口も併設するので、複雑な線形になっている。

 城陽JCTは京奈和自動車道の起点にあたるので、高速道路同士では3枝直結にな 
るが、一般道路(R24)との出入口がジャンクションの北側に大きくずれているの 
で、ジャンクションは4枝直結のかたちになっている。京奈和自動車道はさらに京都 
市内まで北進する構想があるので、このときに容易に延長できるように配慮した線形 
と考えられる。(◆地図2)

 八幡JCTで接続する第二京阪自動車道はすでに6車線のフル規格で開通している 
が、第二名神高速道路との亘り線には着手していない。なお、八幡ICはあくまでも 
第二名神高速道路の双方向で利用できる出入口で、第二京阪自動車道は利用できな 
い。第二京阪自動車道は、大阪方面のみと連絡するハーフインター(松井IC)が設 
置される。現在(2003年7月)は、第二京阪自動車道は枚方東ICまでしか開通 
していないので、松井ICは供用していない。また、松井ICの大阪寄りに設置され 
る田辺PAも供用していない。(◆地図3)

◆地図4
高槻第一、第二JCT、高槻IC
 高槻JCTは◆地図4のように長い連結線で、名神高速道路と接続している。この 
付近は山際まで市街化が進行しているので、大規模な区画整理が実施される。険しい 
地形なので技術的な難しさが強いられるが、それ以上に環境問題が支障になる。閑静 
な住宅地にこのような地形を変えてしまうような大規模なプロジェクトが容易に進行 
できるとは思えない。第二名神高速道路の大阪へのアプローチは第二京阪自動車道に 
任せて、八幡JCT止まりになるかもしれないが、本報告では高槻JCTまで予定通 
り開通するものとして料金計算を行う。

 なお、第二京阪自動車道の枚方東ICから近畿自動車道と接続する門真JCTまで 
の区間は、既存の市街地を通過するきびしいルートなので、予定通り開通するとは思 
えない。さらに門真JCTから大阪市内までのルートは、現在のところ構想線にすぎ 
ない。大阪市内までの新ルート確保はずいぶん先のことになりそうだ。

 これでも、ルートがおぼろげに引かれているだけ、第二東名高速道路の東京アプ 
ローチよりは幾分ましかもしれない。第二東名高速道路は、横浜環状線まではおぼろ 
げに構想線が引かれているが、東京までのルートは全く想定していない。横浜環状線 
も既存市街地を通過するため難航すると思われる。ほとんどの区間が莫大な建設費を 
投じたトンネル構造になると考えられる。もし、予定通り工事が進行しても工事期間 
が長いので10年以上先になるし、首都高速道路の羽横線と湾岸線には、第二東名高 
速道路の交通を流入される余地はないと思う。

◆表5
伊勢湾岸自動車道、第二名神高速道路開通による新ルートの通行料金
(岡崎ICと茨木ICの間)
 東名高速道路の岡崎ICと名神高速道路の茨木ICの間は、現状の東名高速道路か 
ら名神高速道路を直通するルートで218.0キロである。この区間の料金は515 
0円である。もちろん通し料金なのでTCは1回分だけしか含まれていない。伊勢湾 
岸自動車道から第二名神高速道路を経由するルートは182.8キロなので、35. 
2キロも短縮される。さて、通行料金は距離に比例するので、35.2キロ分(85 
0円)安くなるのだろうか。

 この区間には、大都市近郊区間が含まれるため料金設定は複雑になっている。名神 
高速道路の大津IC以西が特定区間に指定されている。単位距離あたりの通行料金は 
29.52円である。岡崎ICから大津ICまでが普通区間で24.6円なので、通 
しでの通行料金は大津ICで区切らなければならない。さらに、長距離逓減制の割引 
も考慮しなければならない。(◆表5)

 新規に開通する第二名神高速道路には特定区間が設定されるのだろうか。
 名神高速道路と同じ水準ならば、大津JCT以西は大都市近郊区間に指定されると 
考えられる。名神高速道路の大津IC以西はいかにも大都市近郊の市街化エリアを貫 
通しているが、第二名神高速道路は大津JCTから城陽JCTまでは山岳ルートでと 
ても大都市近郊とは思えない。それでも距離だけで見れば確かに大都市には近い。本 
報告では、大津JCTから高槻JCTまでの区間が大都市近郊区間に指定されると 
ケースを最も有力な想定と考えた。参考のため、第二名神高速道路の全区間が普通区 
間としたケースも想定した。また、名港トリトンが高速自動車国道に編入したケース 
も想定した。

1 大津JCTと高槻JCTの間が大都市近郊区間
2 第二名神高速道路の全区間が普通区間
3 大津JCTと高槻JCTの間が大都市近郊区間で、かつ名港トリトンが高速自動 
車国道に編入
4 第二名神高速道路の全区間が普通区間で、かつ名港トリトンが高速自動車国道に編入
という4つのケースである。もちろん、1が最有力である。
 各ケースの通行料金は、順に5150円、4950円、4600円、4400円に 
なる。
 1のケースは、現状の名神高速道路ルートと全く同じ料金になってしまう。これ 
は、大津JCTからの大都市近郊区間延長が、名神高速道路の大津ICからの分より 
も4.2キロ長いことに起因する。先述のようにこの区間は、名神高速道路、第二名 
神高速道路のいずれを経由しても出口料金所では判断できない。経由によって料金格 
差が生じると何かとめんどうである。2ルートとも同じ料金なので合理的だが、3 
5.2キロも短縮されて同じ料金というのは果たして納得できる設定なのだろうか。

続く