本牧JCTは不条理な線形をしている。横浜都心部と南部を連絡していないのだ。
湾岸線の使命として東京湾の周回は果たしているが、このような接続は容易には理解
できない。生麦JCTも東京、川崎方面と湾岸線を接続するかたちになっているの
で、横浜都心と南部は本牧JCTから横浜ベイブリッジを渡り、大黒PAでUターン
して再度横浜ベイブリッジを渡る方法しかない。実際にはこのような変則ルートをた
どる定期利用車両はないだろう。なぜ、本牧JCTはこのような片方向だけの接続に
なっているのか。
これは、磯子線の計画があったからである。磯子線は狩場線の阪東橋Rの前後で各
方向から分岐して、中村川に沿って湾岸線に至るルートである。横浜都心から南部へ
は、本牧JCT経由よりも近道である。狩場線には広い分岐合流部がすでに準備され
ていて、市販の地図でもその拡幅箇所は確認できる。やる気はあったのだ。しかし、
いつまでたってもGOに至らない。湾岸線の全通が見込まれた2000年12月に本
牧JCTに狩場線と湾岸線金沢方面を連絡する亘り線の増設計画を発表したのは、当
分は磯子線の開通は見込めないということだろう。もしかしたら、磯子線は頓挫かも
しれない。
首都高速神奈川線は、Kナンバーが振られている。Kは「Kanagawa」とい
うことだ。K1(羽田横浜線)、K2(三ツ沢線)、K3(狩場線)、そしてK4が
なくてK5(大黒線)、K6(川崎線)である。K4が磯子線ということだろう。
整然とした本牧ふ頭R付近のダブルデッキ構造物上路の両側に狩場線連絡ジャンク
ションランプが接続する。このランプは本牧ふ頭Rには接続しない。本牧ふ頭Rの南
側の錦町地内で本線に接続するが、ランプ自体は本牧ふ頭地内で両側に接近する。首
都高速湾岸線金沢方面には狩場線との接続予定はなかった。したがって、ダブルデッ
キ構造物には新たにジャンクションランプを接続する準備はしていない。もちろん、
この構造物を支える橋脚にも新たな荷重を受け止める余裕はない。どのようなかたち
で接続されるのだろうか。できるだけ煩雑な構造にならないように配慮してもらいた
いものだ。
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首都高速(B)湾岸線、(K3)狩場線
本牧JCT改良計画平面図
(横浜市道路局WEBサイトから引用。)
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首都高速(K3)狩場線、磯子線分岐予定部。
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首都高速磯子線計画路線図。
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【横浜港臨港幹線道路】
横浜港臨港幹線道路という名称は果たして横浜市民にも浸透しているのだろうか。
この道路は横浜港を周回する一般道路である。特別な高速道路ではない。既存道路と
新設道路、それに東京湾岸道路を組み合わせたものである。大黒ふ頭から時計回りに
各区間について記す。
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横浜港臨港幹線道路のルート。
実線は既に開通している区間、点線は計画区間。
(国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所WEBサイトから引用。)
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横浜港臨港幹線道路のルート図。
実線は既に開通している区間、点線は計画区間。
(国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所WEBサイトから引用。)
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大黒ふ頭から本牧ふ頭までは、「大黒本牧臨港道路」である。大黒ICから本牧ふ
頭分岐までは「東京湾岸道路(R357)」とも重複する。本牧ふ頭で「臨港道路本
牧ふ頭連絡線」と直交するかたちで山下ふ頭に向かう。
山下ふ頭地内には既に臨港幹線道路の用地は確保し平面道路として供用している
が、このまま利用されるわけではない。新港ふ頭までは海底トンネルになる。長い山
下公園に並行するかたちで沖を通過するが、トンネルなので山下公園から見た横浜港
の景観は何も変わらない。施工はトンネル開口部のほかに中間点である大桟橋からも
行われている。通常、港湾部の都市トンネルはトンネルセグメントを海底に沈める沈
埋工法が採用されるが、この区間には大桟橋という陸地が存在するので特殊な工法を
採用せざるを得なかった。
工法詳細は本報告では専門的すぎて読みにくくなるので省略する。難易度が高いと
いう雰囲気だけ理解してほしい。トンネルについても関心のある方はとても多いの
で、詳細はWEBで容易に検索できる。
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横浜港臨港幹線道路
新港と山下ふ頭を結ぶ海底トンネルの大桟橋付近平面図および標準断面図。
(国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所WEBサイトから引用。)
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横浜港臨港幹線道路
新港と山下ふ頭を結ぶ海底トンネルの大桟橋の工事範囲平面図。
ここに立坑が設置され直下から南北各方向にシールドが進行する。
(国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所WEBサイトから引用。)
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新港からみなとみらい地区まではすでに側道が開通している。トンネルのアプロー
チを含め、本線は広い中央分離帯の切り取り部にアンダーパスとして施工される。
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横浜港臨港幹線道路、みなとみらい付近。
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みなとみらいから恵比須町にかけての区間は未開通である。みなとみらいから山内
ふ頭にかけて河渡部は側道と一体になり高架構造になる。瑞穂ふ頭には米軍施設があ
るはずだが、どのようなかたちで臨港道路は通過するのだろうか。
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横浜港臨港幹線道路、山内ふ頭付近。
(元の画像は、国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所WEBサイト
から引用。)
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恵比須町から大黒橋南詰までは鶴見産業道路として既に開通している。また、大黒
橋から大黒ふ頭の区間も既に開通している。
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◆画像16
横浜市鶴見区生麦2
首都高速(K5)大黒線、生麦JCT
横浜港臨海幹線道路
大黒橋、大黒ふ頭方向をのぞむ
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