【むすび】
横浜港臨港幹線道路のルートには、すでに首都高速が開通している。(ただし、生
麦JCTが横浜都心と大黒方面を連絡しないかたちになっているので、正確には首都
高速だけでは周回できない。横浜環状北線(生麦JCTから第三京浜の港北ICまで
の区間)の開通に合わせて、生麦JCTはフル化される。首都高速湾岸線の利便性を
高めるため、トンネル区間が多く工期の長い環状北線の開通を待たずに、生麦JCT
のフル化を先行させたほうが良いと思う。)
なぜ、臨港幹線道路は必要なのだろうか。横浜港内での短区間移動の便宜のためで
ある。中長距離移動目的の首都高速に異種車両を混入させると、(1)利用車両には
通行料金の負担が大きいこと、(2)首都高速には徒に交通集中を招くこと、いずれ
も横浜港にとっては不利な問題が発生する。特に(2)は、横浜圏の高速ネットワー
クに多大なる損失を与える。港湾関連車両は圧倒的に大型車の定期利用である。港湾
内の道路アクセスの整備は港湾の命運を分ける重要なキーになる。
神戸港は、独自に港湾内に高規格道路を整備してきた。神戸市は六甲山地と大阪湾
にはさまれた東西に長い市街地を形成している。神戸港も大阪港から連続して長い領
域にわたっている。これらを連結する高規格道路は、最初に阪神高速神戸線が開通し
た。ところが、この道路は明石から姫路への山陽道(R2)のバイパスルートであ
る。交通集中がはげしく渋滞多発区間になった。そこで、港湾関連車両が別ルートを
たどれるようにハーバーハイウエイを建設した。この道路はほぼ全区間ダブルデッキ
構造の高架道路で、六甲アイランドから摩耶ふ頭を経てポートアイランドを直結して
いる。この道路が開通してから阪神高速湾岸線が大阪から六甲アイランドまで開通し
た。ハーバーハイウエイは湾岸線と直結しているが、神戸線だけでなく浜手BP(R
2)とも接続しないので※4、明石方面への通過には利用できない。あくまでも神戸
港湾関連施設への移動にしか利用できない。ハーバーハイウエイは事実上、港湾関連
車両専用道路である。
|