ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

横浜港臨港幹線道路5



 首都高速の鶴見つばさ橋は、路盤がトラス構造ではないので東京湾岸道路を増設で 
きない。そのため、独自に架橋しなければならない。大黒ICを過ぎるまでは、首都 
高速湾岸線の真下を通過するが、鶴見つばさ橋の手前で北側に反れる。首都高速湾岸 
線の北側を並行するかたちで扇島に渡る。線形は横浜市の都市計画図※3に記載して 
いるので明確だが、橋梁の形式は不明である。普通に考えれば首都高速の鶴見つばさ 
橋と同形式にするのがスマートである。

※3 都市計画図
 横浜市の都市計画図は下記の横浜市のWEBサイトで無料閲覧できる。
http://wwwm.city.yokohama.jp/tokei/
 縮尺が5000分の1までしか選択できないので、横浜市の地理に精通していない 
と閲覧しにくいかもしれない。電子地図の閲覧は、大きな縮尺から順に目的地を絞っ 
ていくことが多いが、このサイトでは5000分の1からなので、たとえば「本牧付 
近」程度の情報からの探査は難しい。少なくとも「本牧町」「本牧ふ頭」「本牧元 
町」「本牧和田」「本牧・・・」のいずれなのかは事前に調査しておかなければいけ 
ない。
 いずれにしても、都市計画図をWEBで公開している横浜市には感謝したい。ほか 
にも新規に計画された道路の詳細についてもWEBで容易に入手することができる。 
また、横浜市は住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)で、「市民選択制」を導入 
している国内最大の都市である。見せて良いもの(見てもらいたいもの)と見せては 
いけないものの区別が判断できる明解な行政を行っている数少ない都市であることは 
確かだ。

◆画像13
大黒JCT、大黒R
大黒PAから大黒JCT(画面上方の2層高架)、大黒R(画面下方のセパレートラ 
ンプ)、および湾岸線本線の鶴見つばさ橋をのぞむ。
大黒Rに隠れて見難いが、この向こう側に東京湾岸道路の大黒ICが展開する。
大黒ICのランプは首都高速のセパレート形式の大黒Rに挟まれるかたちで正面にあ 
らわれる。
なお、東京湾岸道路本線は鶴見つばさ橋の手前で上下線ともに湾岸線の北側に移り、 
鶴見つばさ橋の北側に独自の橋梁を架橋して鶴見川をわたる。
(2002年12月26日 著者撮影)
 本牧ふ頭側は、横浜ベイブリッジを渡り陸地(本牧ふ頭)に達した位置で、「大黒 
本牧臨港道路」の「臨港道路本牧ふ頭連絡線」が分岐合流すると考えられる。ところ 
で、臨港道路は横浜市の都市計画図には記載されていない。都市計画図は2003年 
1月15日更新分だが、1999年に着手した臨港道路がなぜ記載してないのだろ 
う。本件に関しては機会があれば別途確認してみようと思う。

首都高速(B)湾岸線、東京湾岸道路
本牧ふ頭R
(1994年撮影の画像を元にしているので、湾岸線磯子方面は開通していない。)

◆図3
首都高速(B)湾岸線、根岸付近標準断面図。
下路に東京湾岸道路が架設される。
(首都高速道路公団WEBサイトから引用。)
 東京湾岸道路としては、本牧ふ頭側は横浜ベイブリッジ区間と同じように首都高速 
湾岸線の真下に橋脚を共有するかたちで、本牧元町まで至る。途中に首都高速本牧ふ 
頭Rも共有して錦町地内の地平とも連絡する。
 図3は、さらに南の根岸付近の標準断面図だが、本牧ふ頭付近も同じ構造になる。
 ところで、東京湾岸道路は3種と4種で構成されている。横浜ベイブリッジを含む 
区間はすべて3種である。横浜ベイブリッジには4種は計画されていないが、本牧ふ 
頭からは4種部分が既に開通している。したがって、今回の施工は本牧ふ頭Rまでで 
以南の区間は当面は4種で凌ぐことになると考えられる。

◆画像14
横浜市中区錦町
首都高速(B)湾岸線、本牧ふ頭R(入口)
オンランプの右側に分岐予定部があるが、これが東京湾岸道路の入口になる。
湾岸線本線下路に設置される東京湾岸道路本線に合流して、そのまま横浜ベイブリッ 
ジを渡る。
(1989年11月18日 著者撮影)

◆画像15
首都高速(B)湾岸線、本牧ふ頭R
本牧ふ頭出口も奥で左側から合流できるようになっている。
これは東京湾岸道路の横浜ベイブリッジをわたった車両用の出口の合流部である。つ 
まり、入口と同様に一般道路への接続ランプは高架上路の首都高速と下路の東京湾岸 
道路で共有することになる。
入口には首都高速のゲートがあるが、東京湾岸道路開通時にはランプを高架下路のレ 
ベルまで上がった位置に移設される。
(1989年11月18日 著者撮影)
 本牧ふ頭R付近は首都高速と東京湾岸道路がダブルデッキの高架構造で通過する計 
画で、橋脚も共有するかたちで位置決めしている。梁の幅員が広いので圧迫感はある 
が、シンプルな構造なのでまあスマートな景観と言える。ところが、フル規格で開通 
する前の2000年12月、突然「本牧JCT改良計画」が横浜市道路局から発表に 
なった。

続く