ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

横浜港臨港幹線道路3



【東京湾岸道路】
 羽田空港内の湾岸環八Rから横浜市磯子区までの長い区間が連続していない。川崎 
市川崎区の東扇島で首都高速湾岸線の東扇島R連絡用に部分開通している。また本牧 
ふ頭Rから間門町までの横浜市中区内でも部分開通している。いずれも肝心の航路横 
断部の海上区間では首都高速の利用が強いられるため、地元車両だけの短区間利用に 
とどまり交通量は少ない。磯子から金沢まではある程度長い区間で連続しているが、 
横須賀方面へは直通しないのでやはり交通量は多くない。(ただし、磯子区内の横須 
賀街道(R16)とJR根岸線をはさんで並行する区間はでは、これまでの交通集中 
起因の渋滞緩和に貢献している。)
 今回、神奈川県内初の航路横断部として大黒ふ頭と本牧ふ頭の区間が着手された。

◆画像4
横浜市鶴見区大黒ふ頭
首都高速(B)湾岸線、(K5)大黒線
大黒JCTから本牧埠頭方向をのぞむ。
東京湾岸道路の大黒ICの用地(大黒PAの東側)は広大な駐車施設になっている。
現在(2003年2月)は、駐車施設は撤去されてインターチェンジ用の橋脚が立ち 
並んでいる。
(国土交通省関東地方整備局横浜港湾空港技術調査事務所WEBサイトから引用。)

◆画像5
大黒IC
東京湾岸道路(首都高速の下路)から大黒埠頭方面への出口ランプ部。
本線から分岐直後の区間。
(2002年12月26日 著者撮影)
 東京湾岸道路は一般道路なので、基本的には地平に設置される。ところが、航路横 
断部にはさまれた大黒ふ頭では高レベルの橋梁部にはさまれるので、地平に達する構 
造にすると急勾配のサグ部が発生する。そのため本線は大黒ふ頭内を高架で通過し、 
地平へは出入口専用のランプを設置することになる。つまり、インターチェンジを設 
置するのである。インターチェンジの線形は、直結型で、既存の首都高速大黒Rに接 
続する。

東京湾岸道路の大黒ICが記載されている市販地図。
当時は首都高速湾岸線の東京方面が開通していなかったので緑線が記載されていない 
が、なぜか東京湾岸道路の大黒ICが記されている。もちろん白抜き線なので開通し 
ていないことを表している。
(「詳細首都圏道路地図」(昭文社 1994年発行)から引用。)
大黒IC(仮称)は、首都高速大黒PA、大黒JCTの東側(東京寄り)に設置さ 
れる。大黒JCTは東京湾岸道路の上に設置された首都高速道路同士のジャンクショ 
ンなので、非常に高レベルに位置している。したがって、その下部に東京湾岸道路の 
インターチェンジを設置するクリアランスは十分に確保している。それでも敢えて東 
側の別の空間に設置する。大黒JCT下の空間には問題がないが、地平に達する橋脚 
の林立が複雑になるからずらしたのだろうか。
 大黒ふ頭は、都心部のように道路空間に余裕がなくて橋脚を高速道路と一般道路で 
兼用しなければ成立しない、というわけではない。橋脚の林立密度をゆるくしてジャ 
ンクション下の地平を利用できるようにしているのかもしれない。橋脚の位置は土地 
の有効利用面から見れば極めて重要である。橋脚は一度設置したら移動は困難であ 
る。(絶対に無理ということではないが、移動には本線の通行規制を含む大きなイベ 
ントが発生する。)かなり遠い将来を見越して位置決めをしなければならない。
 橋脚を見ればある程度、将来を予測できる。正確に言うと、どの程度の将来を見越 
しているかは、橋脚を見ればわかるのである。

続く