ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東京外郭環状線5



【三鷹ジャンクション】

<<<
 三鷹JCT
 都市計画図。
(アイ法律事務所の
 WEBサイトから引用。)
 中央自動車道の当該区間は1976年5月18日に開通した。調布と八王子の区間 
は1967年12月15日に開通しているので予定よりも8年半も遅れたことにな 
る。遅れた理由はもちろん沿線住環境の保持に関わる問題である。国家プロジェクト 
に対して沿線住民の運動でSTOPがかかった事実上初めてのケースではないだろう 
か。結局、8年半でおおむね3つのアクションがとられた。(1)三鷹TB周辺の環 
境施設帯の設置、(2)烏山シェルターの設置、(3)高井戸ICは設置しない。 
(1)は当初計画までには至っていないと思う。(2)は設置された。(3)は出口 
だけ設置されたが、いまだに入口はない。いずれも当時は画期的な確約だったが、現 
在では単なる防音壁でも烏山シェルターよりも大掛かりである。

 三鷹JCT
 中央自動車道と東京外環自動車道との接続図。

 川口JCT
 東北自動車道と東京外環自動車道との接続部。
(JH東京のWEBサイトから引用。)
 三鷹ジャンクションは、クローバー型と直結型が融合した形式で、川口ジャンクシ 
ョンに似ている。川口ジャンクションは東北自動車道と首都高速(S1)川口線が外 
環道とほぼ直交しているが、三鷹ジャンクションでは鋭角に交差している。
 ところで、1976年にはすでに東京外郭環状線は非現実的な路線になっていた。 
先述のようにほぼ完成済みの中央自動車道が8年半も放置される時勢に、さらにこの 
難産の高速道路と交差する新たな高速道路が容易に建設できるはずがない。そのせい 
だろうか。この区間の中央自動車道には外環道との接続準備跡が少ない。上り線、お 
よび下り線の外環道からのジャンクションランプの合流部(テーパ)のみが、高架橋 
に組み込まれている。また、本線の高架橋には外環道に併設される一般国道東京外郭 
環状線のアンダークロス部が準備してある。いずれも地味でわかりにくい。ただし、 
インターチェンジのナンバリングだけは三鷹ジャンクションの追加を考慮している。 
1高井戸、3調布、4国立府中...。

 三鷹JCT予定地空撮画像
(1982年11月13日撮影。
 「空から見た東京23区」(日本交通公社 1983年発行)から引用。)

◆画像7
 三鷹JCT
 東京外環自動車道各方面から中央自動車道上り高井戸IC方面への合流部。
(1987年11月29日 著者撮影)
 画像7、9ともに非常駐車帯と見まちがえそうだが、下部構造は明らかにテーパ部 
である。中央自動車道下り線合流部(図9)は三鷹TBまで500メートルの地点で 
ある。外環道が接続すると料金徴収方法が変わる。中央自動車道の当該区間は均一料 
金なので、外環利用車両をどのように扱うことになるのだろうか。三鷹TBの取り扱 
いをこれまで通りと考えれば、三鷹ジャンクションから高井戸出口までは(または首 
都高速から三鷹ジャンクションまでは)徴収しないと思われるが。

◆画像8
 三鷹JCT
 東京外環自動車道交差部。
 並行する一般国道東京外郭環状線(R298)がアンダークロスする。
(1987年11月29日 著者撮影)
 合理的な橋脚配置は、梁に対して直交する形式である。前後が直交橋脚で短スパン 
のPC桁だが、外郭環状線アンダークロス部では、その線形や幅員を意識して斜交橋 
脚で長スパンの鋼トラス桁になっている。

◆画像9
 三鷹JCT
 東京外環自動車道各方面から中央自動車道下り調布IC方面への合流部。
 中央自動車道下り線三鷹TBの500m手前。
(1987年11月29日 著者撮影)
【大泉ジャンクション】
 関越自動車道の練馬ICと川越ICの間は、1971年12月20日に開通した。 
当時はもちろん外環道(和光方面)も未開通で、分岐合流部も不明確だった。練馬I 
C自体が、ほかの都市間高速道路とは異なり首都高速道路と直結せず、一般道路目白 
通り(放射7号)の中央帯に接続している。これは、建設当初は関越自動車道という都 
市間高速道路ではなく、川越までの一般有料道路「東京川越道路」だったからであ 
る。目白通りと東京川越道路で、国道254号のバイパスの役割を担うつもりだった。
 一般有料道路が高速道路に格上げされて、後からほかの高速道路とのネットワーク 
化が計られた。1994年3月30日に東京外環自動車道が接続し、大泉ジャンクシ 
ョンが全貌を現した。大泉ジャンクションは一般道路との大泉インターも併設してい 
る。練馬インターがある意味半端な形式なので大泉インターはそれを補間する形にな 
っている。

 大泉JCT
 関越自動車道と東京外環自動車道世田谷方面との接続図。
(大泉JCTの画像は、練馬区のWEBサイトから引用。)訂正版はこちらに掲載しています。
 高速本線は、外環道和光方面と関越道川越方面の直結路が開通している。一般道路 
への出入口は、外環道和光方面と目白通りの双方向連絡、および目白通りから関越道 
川越方面への入口が開通している。外環道が世田谷まで延伸されたときは、外環道本 
線は現在の端部(目白通り北側)ですでに半地下構造になっているので、ここからマ 
イナス40メートルの大深度まで一気に潜ることになる。ジャンクションランプ部 
は、関越道川越方面と外環道世田谷方面の相互連絡路のみが追加されると考えられ 
る。外環道世田谷から関越道方面へは、ほぼ既存の目白通りからの入口ランプ部と同 
じ弧を描いて、入口ランプの右側に取り付く。すでに取り付け部は準備されている。 
関越道から外環道世田谷方面へは、既存の外環道和光方面へのジャンクションランプ 
の右側から分岐する。外環道オーバークロス部を過ぎてからはループ部を経て本線ト 
ンネルへ合流すると考えられる。現在は関越道上り方向の大泉インター出口がないの 
で、このループ部に出口ランプも併設されると考えられる。

続く