ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

贅沢道路事情の名古屋だからこそ2



 さて、長々と吹上連絡路を紹介したが、この吹上連絡路と同構造のUターン路がほ 
かにも適用できるのではないかと考えた。もちろん暫定ではなく恒久型である。
 名古屋高速道路を利用するリンクのほとんどが都心と郊外の内外リンクである。し 
たがって、都心のいずれかの出入口を利用することになる。以前にも記したことがあ 
るが、名古屋高速の都心での出入口は分散効果をねらい絶妙な位置からはずらしてい 
る。そのため大回りを強いられているリンクも生じている。最たるものは、高速3号 
大高線上りから高速2号東山線下りへ向かうときで、都心環状線の90%を通過しな 
ければならない。都心環状線が時計回り一方通行で、阪神高速環状線のようなループ 
内の短絡路がないためどうしてもこうした大回りは生じてしまう。逆に高速2号東山 
線上りから高速3号大高線下りへは都心環状線の通過は10%で済むのですが。
 高速本線での大回りは首都高速に比べて流れのよい現在では数分程度のロスにすぎ 
ないが、今後さらに放射線が追加されて交通量が増大した場合には耐えられなくなる 
可能性があるので、何らかの方策を講じた方が良いと思う。
名古屋高速路線図(都心部)

 名古屋高速の路線図を見ると、名古屋駅から5号万場線とのアクセスが不便である 
ことがわかる。万場線は、名古屋西JCTで東名阪自動車道と直通し、三重県方面へ 
のアクセスルートになっている。名神高速の渋滞が激しいときは、大阪方面へのアク 
セスにも利用される。万場線上りから名古屋駅に向かう場合は、新洲崎JCTで都心 
環状線に亘り、錦橋Rか丸の内Rで降りるのが適当と思われる。逆に万場線下りへは 
名駅Rから入り、都心環状線の95%を通過して新洲崎JCTから万場線に至ること 
になる。これらのルートが一般的なのだろうか。

 名古屋駅から三重県方面への路線バスは便がとても多い。桑名駅、四日市駅への到 
達時間は鉄道にはかなわないが、ここからさらにバスで丘陵の住宅地までの時間を加 
えると、高速バスで直通する方がはるかに早い。また、高速6号清洲線が未開通のた 
め名古屋西JCTで、東名阪道を北に向い清洲東ICから国道22号を経て名神高速 
一宮ICに至る定期バスもある。これらのバスはどの出入口を利用しているのだろうか。
名古屋駅から万場線下りへのバスルート

万場線上りから名古屋駅へのバスルート

 路線バスは、高速5号万場線と連続する2号東山線の白川Rを利用している。高速 
2号が白川Rまでしか開通していなくて、都心環状線が全通していないころに路線免 
許を取得したからとも考えられるが、本当に不便ならばルートを変更するはずであ 
る。白川Rは、都心の出入口では異色で、唯一都心環状線には連絡しない構造になっ 
ている。つまり、5号万場線との連絡しかできない。新洲崎JCTから高速2号は1 
00メートル道路の若宮大通の広い中央分離帯上に建設された。白川Rは、東西方向 
でセパレート構造の若宮大通各方向の右側車線に接続している。最寄りの交差点は、 
南北幹線の伏見通との若宮交差点である。ここで南北各方面、および直進して東方面 
へ連絡している。ところが、名古屋駅を目的地とする路線バスは、ここでUターンし 
て西方面に向かう。

 ここで着目すべきは、名古屋駅から出発したバスも、名古屋駅に戻るバスもいずれ 
も若宮大通東行きから若宮交差点で右折して伏見通南行き車線を経て、若宮大通東行 
きに至ることである。若宮大通は、先述のように100メートル道路で、中央分離帯 
の幅員が約60メートルである。したがって、東西どの方向からも右折車は、交差す 
る南北道路に一旦滞留して、南北方向の信号が青になるのを待つことになる。若宮大 
通でのUターンでは、右折して交差道路に滞留して、もう一度右折することになる。 
道路幅の広い名古屋しかできないぜいたくな制御である。それでも右折レーンに多く 
の車線を割くわけにもいかないので、Uターン車の滞留台数は限られてくる。若宮大 
通の信号が青でも伏見通の滞留車線が満車のときは待機しなければならない。

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白川R付近
(図中の番号は、以下の画像番号)

続く