戦争・軍事 > 戦争・軍事

市街戦型槍機戦術第2段階:面制圧




槍機戦術第1段階で、大槍突進路があるていど確保されると、
突進路の拡幅と同時に、抵抗拠点となっているブロックの殲滅の段階に入る。

槍機戦術第1段階


赤で、シリア政府軍機甲部隊。
孤立した点は、T−72戦車。
列になっているところがBMPなど歩兵戦闘車を含む前進拠点。
赤の斜線で囲まれたところは比較的守られたエリアだが、敵弾は飛んでくると想
定している地域。それ以外のところは、守られていないエリア。

緑のラインは、進出限界点で、T−72戦車でもここまでとしている。
今回の作戦は、上側の緑が囲まれた敵エリアの制圧が目的。 
前進拠点も、敵弾は飛び交っているので、歩兵の下車はここでは行わない。
敵弾飛翔地区での下車は車両後部を重建築物の中に突っ込んで、敵の直接照準を
受けないことを確実にして行う。 
これは、敵拠点攻撃から後退してきたT−72戦車が、攻撃地点指示の歩兵部隊
と連携しているところ。戦車は、前進して撃っては後退し、別の路地から再び前
進して撃っては後退を繰り返す。

槍機戦術は、3〜5キロという距離でも、槍部隊を突いたり抜いたりの往復機動
を繰り返しているが、最前線では、数十メートルを突いたり抜いたり繰り返す。
この「前進と後退を繰り返す方法」は、面制圧に時間がかかるが、味方の犠牲を
最小限に抑えられるやり方として、シリア軍を視察したロシア軍も評価してい
る。この行き来する戦法は、突入方向の側面に対しても、小さい規模が行われ
敵支配地域に対してバイブレーションで震動を与えて、敵に動揺を与える。動揺
した敵が動けばそこに向けて発砲してさらにバイブレーションをかける。動かな
ければ孤立分断してせん滅する。戦闘車両か撃破されても乗員が助かればよい。
その拠点に猛砲撃を加えて敵を排除する。

シリア軍が、この最新の市街戦戦術を公開している点が、
東長崎機関の興味の対象。市民が悲惨に殺されている姿は、人道派ジャーナリス
ト君たちに任せて、東長崎機関は、ひたすら最新戦術にマニアック愛。 
補給ルートと拠点確保の周辺に1台ずつ展開しているT−72戦車を後方から、
機関砲と機関銃でBMP−2が援護するが、BMP−2は、1台で2〜3か所の
T−72拠点に対して移動しながら援護することが多いようだ 。 
市街戦に安全地帯はないので、突入部隊の戦闘車両が側面から撃破されることは
ある。しかし、兵員が無事に脱出できればオーケー。これは、攻撃している反政
府側からの映像だが、車両から飛び出して走り去る兵士を撃ち倒せていない。  
左に見えるのは、T−7戦車の砲身。
つまり、歩兵戦闘車は撃破されたが、T−72戦車は健在で援護しているため、
ゲリラ側は、逃げ出す歩兵を正確に追い討ちするほと近づけない。


画像と、航空写真の作戦図は、必ずしも場所は一致してません。 

(このページのシリア戦争画像は、ユーチューブ等からのパクリです) 

続く