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『転地訓練で航空自衛隊小牧基地へ飛んだ予備自衛官』
予備自衛官制度は50年以上の歴史がある。
現在予備自衛官制度は3種類ある、従来からある現役自衛官を退職した予備自衛
官からなる『予備自衛官』、現役を退職し階級毎の年齢制限などの規定を満たし
た『即応予備自衛官』、そして自衛隊経験の無い民間人の中から一般職と技術職
とに分かれて採用される『予備自衛官補』がある。
予備自衛官は年5日間の訓練招集と防衛、災害の招集の義務がある。
即応予備自衛官は年間30日間の訓練招集と現役自衛官に準じて訓練し即応性の高
い予備自衛官だ。
予備自衛官補は弁護士とか医者などは勤務年数により最高位で2佐くらいまで
ある、語学の堪能な人は陸曹で採用になったりとても贅沢な制度だ。厳しい訓練
をして個人的に能力があっても予備自衛官は中々上位の階級になれないが、たっ
た5日間で陸曹以上の階級に指定されるとは…。
一般採用は50日間の訓練で予備自衛官の予備2士に任官(地連でこの任官の表現
を使っていた)するのだそうだ。 |
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『空自の輸送機で転地訓練、首には輸送機に乗る認識票』
予備自衛官の訓練はまず受付けを済まし訓練で使う戦闘服や階級章などの物品
の交付を受け、戦闘服に階級章を縫う。
そして身体検査などで一日が終わる。
実弾射撃25発と体力検定、職種訓練が行われる。
最終日は表彰や物品の返納で終わる。
予備自衛官も最近は任期満了で除隊した隊員を積極的に即応予備自衛官に入れ
るため、若い隊員が殆どいない、定年退官した曹長以上の人達が主力だ、階級も
准尉や三尉くらいが多い、予備兵力としては年齢も階級も高い気がするし、自衛
隊の裏の裏まで知り尽くした古参兵は一筋縄では使いずらいだろうといつも訓練
で思う。
なにせ訓練したがらない、職種訓練も年々つまらなくなって来ている原因。 |
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『職種訓練の予備自衛官』
現役時代の職種で訓練する、『職種、機甲、職務、戦車陸曹』と経歴になって
いるので他職種の訓練には参加できない。
階級で車長、砲手、操縦手、と訓練する場合もあるが最近は全部一緒になって
いる。
『お前現役は偵察だったろう?』と顔見知りに言うと、『だから戦車の訓練に
出ても何も解らん』と言う。
意外と戦車乗員だった者は少ない、機甲科でも通信とか整備、偵察の斥候手が多い。
そのせいか顔見知りの戦車幹部や陸曹は俺に模範展示をさせたがる。
項目は『74式車載機関銃の分解結合』『9mm拳銃の分解結合』などいろいろあっ
た、年々忘れるので勘弁して欲しい、でも通信、整備、補給、偵察の隊員は現役
の頃も殆ど触っていないので無理のようだ。 |
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『73戦車連隊は即応予備自衛官のコア部隊』
7師団の部隊は即応予備自衛官のコア部隊を担当している。
年間30日間も訓練に参加するのは民間企業じゃ中々実現できないだろう。それ
じゃ即応予備自衛官を受け入れてくれる企業に協力して貰う。
企業に即応予備自一人に年間数十万円のお金を出す条件で採用する制度があるの
だが就職難の退職自衛官はこれに頼って即応予備自になる者も多い。 それでも
一回の訓練にまとまった日数が必要なので月に数日連休をとって訓練に参加す
る、同僚からは白い目で見られせっかくの自衛隊から支給された手当ても企業が
給料から差っ引くなんてひどいことをしている企業が大手を振って退職自衛官を
採用し地連も奨励している。
自衛隊入隊時に地連に騙され入隊した者が、退職しても地連に騙され会社を有給
休暇で休み訓練に参加しその手当ても企業にとられ、休みも無く働く現状があ
る、辞めればいいのにと思うが即応予備自を辞めたら自動的に会社も退職、就職
難だからしかたないと諦める即応予備自が大半だ。
退職自衛官を食い物にする企業と地連は許せないね。 |