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戦車兵神博行の自衛隊チェック61

(擲弾、ロケラン、バズーカ)


 自衛隊は日常毎日演習や射撃とか訓練ばかりしている訳ではない。
演習や訓練で使った装備の整備や、訓練を行う演習場の整備も行う。
広い演習場は近隣の各部隊に地域が割り振られ整備する。
『偽装』

 写真を見て草刈りか、と思うかもしれないが演習中戦車の偽装を実施している
写真だ。上空から発見されないように林内に入り戦車の後部を木の枝などで隠し
ているのだ。

 私が入隊した頃は木を切り倒し戦車を隠すこともしていたが、そんなことをし
ているとアッという間に演習場が丸裸になってしまった。
昔は鈴蘭の咲く美しい演習場も今は木も少なく荒れ地のようだ。
偽装しているが周りに草木も生えていないので遠くまで行き刈って来る。そんな
ことしていると偽装して戦車が走っているとかえって目立つ、町中で草を身体中
に付けて偽装だと言っても目立つでしょう?、それと一緒。 北海道大演習場で
は偽装禁止、植樹を実施しはじめたのもこの頃だ。

7師団から11師団に転属して驚いた、同じ演習場を使用しているのに偽装を堂々
と実施している、これじゃせっかく植樹しても意味ないね、師団が違うと徹底さ
れないものなのかと、7師団での苦労が馬鹿みたいに思えた。
『小銃擲弾』


 64式小銃には擲弾を発射する機能がある、それは擲弾用の装備が必要になる。
 新隊員の前期で射撃して以来、一度しか射撃訓練も無かった。
この写真の時はなんと膝撃ちの姿勢で射撃していた、右肩の銃床が当たる部分が
痣になった、もっとも小銃射撃を予備自衛官の訓練で年一度射撃しても痣はでき
るけどね、風呂に行くと予備自衛官の年配から若い者までみんな痣があったから
射撃すると痣ができるんだね。
『73APCの横で小銃擲弾を構える』


 写真のように普通の小銃擲弾は地面に銃床を付けて擲弾用の照準を見て射撃す
るが、これはしょっちゅう訓練しないと当たりそうにも無い。
 そのためなのか膝撃ちの姿勢で直接照準で射撃してたけど…、射撃時の衝撃が
激しいよね、危ないから銃床を地面に付けていたのでは?…。
『96式40mm自動擲弾銃』


 最近は普通科の96式装輪装甲車の上部に装備されているが、写真のように下車
戦闘にも使用出来るように三脚もある。
 手榴弾並の威力のある40mm擲弾を連続発射できる、しかも対人対軽装甲擲弾と
しても威力があるそうだ、普通科(歩兵)の支援火器としては頼もしいね。
『バズーガ砲 89ミリ・ロケット発射筒、ロケランとも言う』


 写真の対戦車火器は俗に言うバズーガ砲だね、滅多に見掛けないけど。射撃を
見て音の凄さに驚いた、写真を撮ったら全部ピンボケになっていた。先に後にも
この一回しかバズーガ砲の射撃は見たことが無い。
当時整備班に装備されていた89ミリロケットランチャーだが、戦車連隊に居た頃
は全てカールグフタスの無反動砲になっていたから珍しかった。
でも朝鮮戦争(日本の歴史では朝鮮戦争と呼ぶけど、韓国戦争と言わねばいけな
いと私は個人的に思う)の時米軍がソ連製の戦車T−34にバズーガ砲で攻撃し
ても中々撃破できなかったと言うし…、無いよりましだけど自衛隊は古い装備が
本当に多いよね、
『110mm個人携帯対戦車弾』


 これが最新の携帯用の対戦車火器、掩体の中からでもバックファイヤーを気に
せず撃てると聞いた、無反動砲ってバックファイヤーが危ないので要注意だね、
普通の人には関係ないけど、カメラマンさんたち気をつけてね。

続く