手前62式機関銃
真ん中、車載
戦車には砲塔上部にあるキャリバー50(12,7ミリ重機関銃)と砲塔の中か
ら射撃する7,62ミリ機関銃がある。昔は、7,62ミリのキャリバー30が
あったが、現在、戦車の車載機関銃は62式機関銃の車載型である。
戦車乗員はこの車載機関銃を通常「車載」と呼ぶが、キャリバー50のように頑
丈で部品も少なく射撃中の故障も少ない機関銃と違い、とても部品が多く故障も
多い車載には泣かされる。
装填手が機関銃弾を装填するのだが、弾を詰まらせて撃発しなかったりリンクが
切れたりならば装填手のミスや技量不足なのだが、撃針が折れて弾が出なくなる
のには閉口した。
減装薬の機関銃弾でも、量をそんなに射撃していなくても撃針が折れる場合があ
るのだ。弾が出ないと「装填手、弾か出ないぞ」と砲手から怒鳴られるが、撃針
が折れたのなら文句を言っても始まらない。
戦車連隊にいたころ、年度末の残弾処理(予算請求の帳尻を合わせるために前年
度の割り当ての弾を射撃し消費する)で大量に弾薬を消費するが、撃針が折れる
車載が続出する。
実戦でどのくらい適用する機関銃なのかしても不安な機関銃だった。この件に関
して書くといっぱい事例があるが止めておこう。
機関銃弾
車載機関銃の射撃で装填手が一番気つけなければならないのは、無事に弾を出す
ことではない。撃ち空薬莢の回収だ。一発でも紛失したら見つかるまで探すのだ。
だから、薬莢交付の際、何度も数を数える。そして射撃前もリンクの状態を見な
がらやっぱり数を数えるそして薬莢受けのファスナーをチェックし薬莢受けの袋
の破れがないか何度も確認する。
射撃中も送弾をしながら、横に薬莢が飛び出ていないかを見る。そうやって刺激
を終えたら薬莢受けから薬莢を取り出し弾薬の入っていた箱に詰めるきちんと詰
めて入れると1目で20発入りとわかる。それでも、武器係の弾薬交付所へ薬莢
を返納するまで安心はできない。
機関銃弾の話は、次回にも続くよ。
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