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実は、拉致問題は、あくまで日本の国内問題であり、頼みの米政府も、 日本を相手にする時だけは同情的な態度を示すものの、本国ではまった く話題に上っていないのである。 ヨーロッパでも、拉致問題は一般には知られていない。 ちなみに、米国大使館の日本語版ホームページの表紙には、"主要な 政策課題"に"北朝鮮問題"というメニューがあるが、原語の英語版ホー ムページの表紙の"ISSUES IN FOCUS"には、”North Korea"という項 目は見当たらない。 日本語版サイト表紙 http://tokyo.usembassy.gov/tj-main.html 原語版サイト表紙 http://tokyo.usembassy.gov/t-main.html つまり、拉致問題は、米国にとって、対日外交カードのひとつにすぎ ないのである。 拉致問題といえば、今をときめく安倍晋三氏は、拉致問題で一躍お茶 の間のスターとなった。 米政府がやたら安倍晋三氏を持ち上げる理由は、他でもない、彼が拉 致問題のエースであり、日本の国内世論操作に利用できるからだ。 首相の靖国神社参拝問題が中国の内政干渉だとしたら、これも米国流 の洗練された内政干渉といえないだろうか? しかも、拉致問題は、1998年にわざわざ米軍が通報してくれた、 北朝鮮のテポドン発射事件後に盛り上がり、以来、日本は急激に北朝鮮 を"悪の権化"として憎悪するようになった。 その後日本は、超高額なミサイル防衛システム導入を決定するなど、 米国の軍産複合体にしてみれば、北朝鮮サマサマであろう。 そして、すでにお気づきとは思うが、米国務次官は、公開が前提の記 者懇談で、とんでもない問題発言を吐いた。 米国大使館がこの指摘に気づいて、サイトを削除・修正するといけな いので、問題発言のプリントアウトを、証拠物件として以下に示す。 |
そう、米国務次官は、我が国固有の領土・沖ノ鳥島を"岩"呼ばわり したのである!! すわ、これは一大事、『産経新聞』さぁ〜ん、出番です、何とかして くださぁ〜い!!! それとも、米政府高官が相手では、いつもの強気が萎えてしまう? せ っかく勝ち取った、"ブッシュ政権御用達"の栄光も捨て難いよねぇ…… しかしながら、中国の沖ノ鳥島の"岩"呼ばわりに対して、あれほど 気を吐いた『産経新聞』である。この問題発言を見逃しては、沽券にか かわるというものだ。 米政府が味方についてくれるから威勢がいいというのでは、強きを助 け弱きをくじく、ただの"卑怯な弱虫"であ〜る!! どなたか、この事実を『産経新聞』の方にお教えして、その反応を お知らせくださ〜い! ところで、米国&海外メディア向けの懇談では、日本メディア向けの それよりも、米国務次官の本音が引き出されているような感じがする。 それは、外国人記者たちが、容赦なく突っ込んだ質問を投げかけるこ とにも関係しているのだろう。 その昔、米政府を相手に、したたかに抵抗した吉田内閣時代とは大き く異なり、米政府にいともたやすく踊らされてしまう、今の日本政府と メディアの他愛なさには、憂国の念を禁じ得ない。 2004年11月に日本の領海を侵犯した中国の原潜にしろ、そもそ も米国がグアムの軍備を強化して、おびきよせたようなものだ。 それはともかく、このような政府高官の問題発言まで堂々とサイトで 公開してしまう米政府の透明性は、確かに脱帽ものだ。 日本政府に、爪の垢を煎じて呑ませたい。 |
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