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大手英米メディアの自衛隊報道
<番外編> 米政府のブイブイ対日メディア攻勢6

(報告:常岡千恵子)



  ところで、米国大使館は、日本の大手メディアに寄稿を連発するのみ
ならず、さまざまな記者会見や懇談を催して、情報戦を展開していた。

  とくに興味深いのは、2005年2月上旬に来日した、ボルトン米国
務次官(2005年2月上旬当時の役職、2005年3月7日にブッシ
ュ大統領によって米国連大使に指名された)の記者懇談だ。

  彼は、日本のメディア向けと、米国&海外メディア向けに、2回記者
懇談を行ったのだが、そのギャップが面白いので、ハイライトをご紹介
しよう。

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ボルトン米国務次官の日本のメディアとの懇談
               −2005年2月10日、米国大使館にて

詳しくは、http://tokyo.usembassy.gov/e/p/tp-20050211-66.html

Q: 日本政府と国会議員は、北朝鮮に経済制裁を科すタイミングを話
し合っている。もし日本が制裁を決意したら、米国はともに行動する
か? それから、中国やロシアや韓国の協力を得られなければ、経済制
裁は意味をなさないと考えるか?(以下、質問は要約のこともある)


A: たくさん質問点があるので、ひとつずつ答えさせてほしい。
   まず、米国だけについて言えば、米国は、われわれの法律が必要と
する時や、政策の問題としてそれが適切であると考える場合は、単独で
制裁を発動することを躊躇しない。

  確かに、制裁には幅広い国際的な参加があるに越したことはないが、
米国は、国連総会で全員が賛成するのを待ってから制裁を決意するよう
なことはしない。
  たとえば、米国は今、何年も制裁を発動した結果、実質的に北朝鮮と
の間に経済的接触がない。人道支援は行っているが、それだけだ。

  だから、日本が懸案中の決定は、日本が単独で発動しようが、他国と
ともに発動しようが、米国にとっては問題にはならない。米国は、常に
単独で制裁を科すからだ。

  思うに、この問題は、日本からすれば、日本政府は非常に注意深く考
慮を重ねてきており、私の滞日中のディスカッションの過程でも、制裁
を発動するにせよ、しないにせよ、日本政府がこの決定を下すにあたっ
て、あらゆる結果を測りながら進めているという印象を強く受けた。

  基本的に、この決定は、日本が判断することだと考える。これまでも
日本と話し合いを行ってきたし、われわれは喜んで相談を受けるが、基
本的には日本が下す決定であり、米国は日本がどのような決定を下して
も、これを尊重するものと信じる。

        *      *      *

Q: 日本の拉致問題は、次回の6者協議のお荷物か?


A: 拉致問題が協議のお荷物だとは思わない。日本がこの問題を持ち
出すのは、正当だと考える。そして、彼らはそうした。
  米国は6者協議においても、この問題を取り上げるのは正当だと発言
した。
  もし、どこかの国が米国民を誘拐したら、米国民も同じように感じる
だろうし、(日本の行動は)完全に理解できる。

  これは、協議には事前調整はないし、各国が話しあいたいことを話し
合うのが適切だ。
  米国は、たとえば、北朝鮮の化学・生物兵器プログラム、朝鮮半島に
おける通常兵力の配備、人権問題は、すべて解決されるべき課題ではあ
るが議題に上げず、この協議の目的としては、核プログラムに焦点を絞
ることにしている。

  だが、日本が拉致問題を取り上げるべきではないという理由は、まっ
たくどこにもない。確かに、日本は、これまでどおり、北朝鮮との2国
間協議など、別の方法で追及することもできるが。
  しかし米国は、これまでそうしてきたように、日本がこの問題を第4
回6者協議に持ち出すことを支持する。

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  さすがは米政府高官、日本人記者の気分を害さないように、ソツのな
い応答をしている。

  それでも、拉致問題は、日本と「北朝鮮との2国間協議」でも追及でき
ると、思わず本音をポロリ?

  これに対し、米国&海外メディアとの懇談は、一味違う。

続く