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大手英米メディアの自衛隊報道
<番外編> 米政府のブイブイ対日メディア攻勢5

(報告:常岡千恵子)




『日本経済新聞』2005年1月29日付朝刊7面
詳しくは、http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20050131-50.html
  米財務長官による、世界の貧困撲滅への支援を訴えた寄稿。

 日本の財界御用達の『日本経済新聞』にふさわしく、貧困撲滅のため
におカネ出してね、自由貿易も促進してね、と暗にオネダリ?

『産経新聞』2005年2月18日付2面
詳しくは、http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20050131-50.html

  ベーカー大使の離日メッセージ。

  特筆すべきは、冒頭文で、「産経新聞の読者、そして日本国民」に感謝
すると述べていること。
  他紙への寄稿では、「○○新聞の読者」なんて呼びかけは、いっさいな
い。しかも、"日本国民"は、"産経新聞の読者"の後なのである。
  ブッシュ政権の『産経新聞』への並々ならぬ思い入れが、ひしひしと
伝わってくる。

  さらに、日米は「世界の中で最も直接参加の民主主義が機能している
国で、卓越した自治の能力があります」と、聞き捨てならぬ美辞麗句。

  まあ、60年前に、GHQが記者クラブ制度を廃止してくれていたら、
そうなっていたかもしれない。

  ただ、日本の社会改革を中途半端ですませたからこそ、今日の米政府
にとって都合のよい状況が醸成されたわけで、これも米政府の先見の明
というべきか。


  以上が、2004年秋から2005年3月上旬までの、米国大使館に
よる対日メディア攻勢の戦果である。

  ここでちょっと気になるのは、日本最大手の『読売新聞』に、200
5年3月9日現在まで、現役の要人の寄稿が何も掲載されていないこと。
  やはり、在日米軍の怒りを買って、仕置きされているのかな?

 もっとも、『読売新聞』は、2005年2月末にアーミテージ前米国
務副長官を日本に招聘し、"読売国際会議2005開幕フォーラム"な
るものを開催した。

 やはり、日本と絡んだ外国政府の要人にとって、相変わらず日本はい
いカネヅルであり続け、『読売新聞』もブッシュ政権追随路線を堅持し
ているのであろう。

 アーミテージ氏は、件のフォーラムで、タカ派の安倍晋三氏とは意見
を異にし、北朝鮮に対する日本の経済制裁に慎重な姿勢を示した。
(『読売新聞』2005年3月1日付朝刊2面)
 どうやら、米政府は、日本の対北朝鮮経済制裁発動に消極的らしい。

続く