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大手英米メディアの自衛隊報道
<番外編> 米政府のブイブイ対日メディア攻勢4

(報告:常岡千恵子)




『産経新聞』2005年1月13日付1面 詳しくは、
http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20050113-50.html
  な、なんと、ブッシュ米大統領が、インド洋津波の被災者救援に関す
るメッセージを、『産経新聞』に託した!!

  日本国民全体に向けてメッセージを送りたいならば、世界一の発行部
数1000万部を誇る『読売新聞』か、それに次ぐ『朝日新聞』を使う
のが、理に適った選択といえよう。
  しかし、あえて発行部数216万部の『産経新聞』を選んだところに、
ブッシュ政権の意図が伺える。
http://www.sankei-ad-info.com/chara/chara_cont.php?t-busuu_1.html

  日本で中国に対する敵対意識が噴出していた時期に、これみよがしに
米軍が中国の原潜の領海侵犯を教えてくれるなど、やはりブッシュ政権
は、一億・総『産経新聞』読者化を進め、日本国民の反中国感情を煽り
たいのだろうか?

  見事ブッシュ政権御用達に輝いた『産経新聞』にとって、このメッセ
ージは、"栄誉の勲章"に違いない。

『朝日新聞』2005年1月20日付朝刊12面
詳しくは、http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20050121-50.html

  日米関係の重要性を訴えた、ベーカー大使の寄稿。

  2004年は日米和親条約締結150周年で、日米間に強い絆が結ば
れたと説いているが、実は一般の米国民にとって、日米関係の始まりと
は、ペリー来航でも日米和親条約締結でもなく、1941年の真珠湾攻
撃なのである。
  これは、われわれがどう騒いでも変わらぬ、厳然たる事実。

  歪んだ歴史認識の是正に情熱を燃やす『産経新聞』よ、敵は中国のみ
にアラズ。
  ここはひとつ、米国民の歴史認識の誤りを、勇猛果敢に糾すべし!

  さらに、ベーカー大使は、小泉首相が「日本を世界の舞台で強力なプ
レーヤーに仕立て上げた」、「国連安全保障理事会の常任理事国になろう
とする首相の努力を支持する」と、リップサービスを惜しまない。

  日本は、"世界の財布"としては不動の地位を築いているが、スマト
ラ沖地震・津波災害の本格的救助活動でも出遅れたし、決して国際社会
の"強力なプレーヤー"ではない。

  もちろん、ベーカー大使は、すべてを承知のうえで、こんなしらじら
しいことを書いているのだが、彼は単に外交官としての職務をまっとう
しているにすぎない。
  ま、お世辞を言って損はしないし、"ブタもおだてりゃ木に登る"効
果を狙っているのだろう。

  どうやら米政府は、"リベラル派"の『朝日新聞』懐柔作戦に乗り出
しているようだ。
 ひょっとすると『朝日新聞』は、ブッシュ大統領のメッセージを『産
経新聞』に取られ、内心あせったかもしれない。

  そうやって揺さぶりをかけた直後に、ベーカー大使、米太平洋海兵隊
司令官と、米政府要人2人の寄稿を矢継ぎ早に仕掛けた米政府の手腕は、
アッパレ!

  海千山千の米政府のポチとなり下がるか、報道機関としての独立性を
保つか、『朝日新聞』にとって、これからがその真価を問われる正念場
となろう。

続く